ルルコちゃんとのプチピクニック!
出来上がった二人のサンドイッチをバスケットケースに詰め込んで準備万端!
後はペリメール様の帰りを待つのみで、お昼からのプチピクニックが楽しみですよー!
早く会いたいですよ、ルルコたんっ!
「あのさー、ヒカリぃー」
ん? なんだかモジモジしちゃってますよ、フィルフィーが。珍しいコトもあるもんだ。
「なに? どしたの? お腹イタイの?」
「ちっげーよっ。あー……なんだ。もし、な。オマエと出会わなかったら、あたしはペリ子と
俺達が一緒に暮らすコトになったのは、フィルフィーが俺の面倒見役で、ペリメール様がフィルフィーの監視役だったハズ。
それが、なんやかんやとありながら、二人が結婚するコトになっちゃって今に至る、みたいな。
「そうかなー? お互いに言えなかっただけで、二人は小さい頃から両想いだったんでしょ? ボクがいなくても、いずれは結ばれたんじゃないのかなっ?」
「今だから言うけどさー。オマエと出会うちょっと前に、ペリ子には転勤の話があったんだよ。それも、かなり遠い
「えっ? そうだったの? 遠い
「会いに行くのに十日はかかるかなー」
うむむ、それは遠いっ。遠過ぎるっ。
往復二十日って、もう立派な旅ですよ。
なるほどなるほど、そーですか。てコトは、俺って、二人にとっては、愛のキューピッド的な男の
「じゃあ、ボクに感謝しないとねっ、フィルフィー?」
「あん? ああ、まあ、そうだなっ」
フィルフィーったら、ぶっきらぼうに答えてからプイッとあっち向いちゃいましたよ。照れてるのがバレバレだぞっ。
ここはいっちょ、ウザ絡みしてあげようじゃないですかっ。
出会った頃より性格は円くなってるから、そう簡単には怒らないハズ!
「んんー? お礼するなら、ちゃんと言わなきゃダメなんじゃないのかなあー?」
「あー、うん……ありがとな」
声ちっさ! 全然聞こえないぞ、囁き女神っ! そんじゃあ、ちょいとからかってやるですよっ。いっつもいらんイタズラしてくるから、お返しじゃいっ。
「えー? 聞こえないよー?」
「だからっ……ありがと、なっ」
「えー? もうちょっと大きな声で言わないとダメなんじゃないかなー?」
「だから……ありがとなっつってるだろっ」
「えー? 聞こえないんですけどおー?」
「……グダグダうるせえ」
「えっ?」
「グダグダうるせえっつってんだよっ! うらあああっ!」
うわ、ブチ切れたっ!?
ちょっとイジられたくらいでキレちゃダメだろ、どんだけ導火線短いんだ、バクダン女神っ!
「ありがとなっつってるだろーがっ! モンクあんのかコラっ!」
「ちょっ!? 止めてようっ!」
だから、いちいちジャージをずり下ろそうとするない、ヘンタイ女神っ!
と、その時ですよ!
「ふぃふぃふぃふぃフィルフィーしゃんっ!? ナニをしているのですかっ!? ですわあっ!」
バッチ来いのタイミングで帰ってきましたよ、ペリメール様っっ! ナイスですよー!
「ヒカリ様のジャージをずり下ろしたらダメダメっ! ですわあっ!」
ばちーん!
「ぷわっっ!?」
出ましたよ、久々のペリメールスマッシュですよー! こんころりんっと吹っ飛ばされちゃいましたよ、コロコロ女神っ。
「今日は、お昼からルルコさんとお散歩に行くから早く帰ってきてみればコレですかっ、ですわっ!」
「だって、ヒカリがよー」
「だってじゃありません! ですわっ!」
「……へーい」
フィルフィーったら、怒られちゃってしゅんとしちゃいましたよ。新妻女神ペリメール様のおっきなお尻に敷かれちゃってます!
「どうしてそんなコトしてたのか言ってごらんなさいっ、ですわっ」
「ペリ子と結婚出来たのはヒカリのおかげだっつって、礼言っただけだっつーのっ」
「えっ? それはっ、そのっ、そうですねっ、ですわっ。でもジャージをずり下ろしたらダメダメっ、ですわっ」
「モノのハズミってヤツだよっ。あたしが本当にずり下ろしたいのはペリ子のパンツだけだからなっ!」
「えっっ!? そんなっっ!? ヒカリ様が見てる前ではダメダメっ、ですわんっっ♡」
「見てなきゃいーんだろっ。おいヒカリっ! 今からペリ子のパンツずり下ろすから、あっち向いてろっ」
「フィルフィーさんたら、もうっ! 見てなきゃいいとか、そういう問題じゃないのですわんっ!」
なんつって真っ赤になっちゃいましたよ、ペリメール様。なんなんですかね、このやりとりは。
ただイチャイチャしてるだけなんじゃないですかねっ。
ルルコちゃんとの初散歩が待ってるんだから、真っ昼間からおサカんになってる場合じゃねーですよ、新婚バカップル女神っ!
これもいつものコトだから、まあ、いーです!
ペリメール様も帰ってきたコトだし、みんなでルルコちゃんを迎えに行きますよー!
◇
俺達のアパートから歩いて10秒のルルコちゃん
水玉模様の幼児服と、水色のちっちゃい靴が似合っててカワイイですよ!
「こんにちわ、ルルコちゃんっ」
「う゛にゃ♪」
ムハー!
ルルコちゃんたらニッコニコ!
やっぱカワイイなー!
さてさて、ではでは!
行って来ますよ、ルルコちゃんとの初散歩!
もちろん、ラーフィアちゃん、フェイリアちゃん、レイルさん、ムラサメさんも参加です!
「それじゃあ、ルルコを頼んだぞ、ヒカリっ」
「行ってらっしゃい、ルルちゃん、ヒカ君っ」
「行ってきますっ」
「う゛にゃー♪」
父さんと母さんに見送られつつ出発です!
近所の公園までだけど、ドッキドキのわっくわくですよー!
ニャハー!
◇◇◇
ルルコちゃんの歩行練習も兼ねてのプチピクニックは、ほっこりホコホコ良い天気。
そよ風がキモチ良くって、気分は上々! ってカンジのピクニック日和です!
近所の公園まではベビーカーで移動なんだけど、ベビーカーから見えるルルコちゃんのカワイイコトったら!
「もうちょっとで着くからね、ルルコちゃんっ」
「う゛にゃー? にゃははー♪」
うーん、やっぱカワイイなっ!
俺と死闘を繰り広げた同一人物とは思えないっ!
ルルコちゃんの笑顔を見て、静かに願う俺ですよ。
ああ、神様、女神様っ。
ルルコちゃんが、グレたりひねくれたりせずに、素直に可愛く成長しますようにっ。
おっきくなっても、
あと、男の
だがしかし。
この世界の神様は、800歳を超えてもバイトしてるし半分バグってるし、俺の知ってる女神様はヤンキーだし、そのパートナーはヤンキー女神と結婚しちゃってるし。
神様と女神様にお祈りしても、俺の祈りは何処にも届かないような気がしないでもナイですようおおー!
「あうー。おにーいーたんっ♪」
「ハイハーイ♪ おにいたんですよ、ルルコたんっ♪」
「にゃはっ♪」
カワイク笑うそのお顔ったら、もう天使!
やっぱ、めっちゃKAWAEEEEですよー!
おにいたんはルルコたんにメロメロです!
「カワイイなー、ルルコちゃん♡」
「ホントにカワイイですう♡」
「カワイイぞ、ルルちくりんっ」
「カワイさ百点満点でござるよ、ルルコ殿っ」
ラーフィアちゃん達からも『カワイイ』のお墨付き!
これからカワイク成長していくルルコちゃんを見守っていくのが、とっても楽しみですよ、男の
◇
さてさて、ややもし公園に到着し、いよいよルルコちゃんの歩行練習開始です!
ヨチヨチ歩きしか出来ないのかと思いきや、ベビーカーから降りるなり、いきなり、すてててっと走っちゃうもんだからビックリですよ!
「すっ、スゴいね、ルルコちゃんっ!」
「う゛にゃーはー♪」
こんなちっちゃい頃から身体能力がズバ抜けてるなんて、将来がとっても楽しみですな!
小一時間ほどみんなと遊んでから、ちょっと遅めのランチタイム。
俺の手作りサンドイッチを初披露ですよー!
ちょっとドキドキですよ、男の
「ねえねえっ。ヒカリちゃんが作ったサンドイッチ、私も食べたいなー♡ みたいなっ?」
こくんっこくんっと小首を傾げるその仕草が、俺の胸にキュンときますよ、ラーフィアちゃんっ。
「いや、あのっ、フツーのタマゴサンドとツナサンドだよっ?」
「シンプルなのがベストなんだよ、ヒカリちゃんっ♡」
「あたしのはフルーツサンドの盛り合わせだぜっ。どっちが美味いか勝負だあっ!」
フィルフィーったら、勝負と言いつつ、すでに勝ったみたいな顔しちゃってますよっ。
プロ級の腕前なんだから、もうちょっと謙遜しなさいよねっ。
「ヒカリちゃんの方が美味しいに決まってるでしょっ! 食べなくてもわかるわよっ」
いや、さすがに食べないとわかんないんじゃないのかな、ラーフィアちゃんっ?
「あの、初めて作ったから、あんまり期待しないでねっ?」
「ヒカリちゃんが作ったものなら、なんだって美味しいに決まってるようっ♡」
なんつってニッコリ笑顔のラーフィアちゃんだけど、過度の期待はプレッシャーになっちゃいますよー!
さてさて、ではでは!
俺とフィルフィーの『サンドイッチ対決』の幕開けです!
ルールは簡単、ルルコちゃんが先に手に取った方が勝ち!
二人とも、ひとくちサイズに作ってあるから、見た目はそんなに変わりナシですよ。
「はいどうぞ、ルルコちゃんっ!」
「あたしの
俺とフィルフィーが差し出したサンドイッチ、ルルコちゃんが選んだのは、なななんとっ!
「う゛にゃ」
二つ同時! ちっちゃい手で左右同時に掴みましたよ、ひと口サイズのサンドイッチ!
「あん? これって引き分けかー? ルルコは食いしんぼだなー」
「よく食べるのは良いコトですわっ。でも、消化不良には気をつけないとですわっ」
「う゛にゃむにゃっ♪ にゃはー♪」
ペリメール様の心配なんてどこ吹く風ってカンジで、ぺろりと食べちゃいましたよ、ルルコちゃん。
いっぱい食べて、スクスク健やかに育って欲しいと願う男の
でも、食べ過ぎには注意しないとね!
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