閑話 フィル×ペリの新婚旅行!

「見て見てフィルフィーさんっ!

 海ですわ海ですわっ!

 スゴーくキレイですわあっっ!

 海水が透き通って海の底まで見えてますわあっ♪ あっ! お魚さんが泳いでますよっ、ですわあっ♪♪」


 ――ペリ子のヤツ、はしゃいでるなー。やっぱり来て良かったなっ。

 ヒカリのコトは、まあ、ラフィー達がいればなんとかなるだろっ。

 喋れないのは残念だけど、あたしが暗い顔してたらペリ子が心配しちゃうからなっ。

 明るく楽しく新婚旅行を満喫するぜっ!

 手話でしか伝えられないってのがもどかしいけど、今だけはしょーがねーよなっ。



「んっ? なになに? ですわっっ?」


 フィルフィーさんがニコニコしながら、私をじっと見つめてくるのですわっ。

 はっ。私ったら、ちょっとはしゃぎ過ぎちゃったのかしらっ、ですわっ。

 ここはちょっと自重しなければっ。ですわっ。


「海なんて久しぶりだから、ちょっとはしゃいじゃいましたっ、ですわっ♪」


『あたしもだぜっ。今日はたっぷり遊び倒そうなっ!ペリ子っ!』


 フィルフィーさんは、パタパタっと手話で応えてくれましたのですわっ。

 手話のお勉強をみっちりびっちりしてきた甲斐あって、フィルフィーさんの手話を理解できちゃうのですわっ♪

 ほんの少しのやりとりでも相手の言いたい事がわかるのは、とっても嬉しいコトなのですわっっ♪


「ではでは、さっそく! 水着に着替えましょうっ、ですわあっ♪」


 今日のためにお揃いの水着を買ったのですわっ。

 フィルフィーさんが私に選んでくれたのは、空の青色のビキニっ♪

 フィルフィーさんたら、私の好きな色をチョイスするなんてっ♪

 私のコトをとってもわかってらっしゃるのですわっ♪

 


 水着にお着替えを済ませて、澄んだ海へレッツラゴー!ですわあっ♪


『おお~♪ いーじゃん、ペリ子っ!

 南の海のペリ子、ってカンジだぜっ!』


 ――ペリ子はやっぱり青が似合うよなー。色白の肌とのマッチングもバッチこいだぜっ。

 でっかいおっぱいがビキニからこぼれ落ちそうでエロイっっ。



「紫色のも良かったですけど、フィルフィーさんには、やっぱり赤がお似合いなのですわっ♪」


『色違いのお揃いって、ちょっと恥ずかしいけどなっ』


「えー? 私は嬉しくて楽しいですわっ♪」


 ヤンキーのフィルフィーさんには、やっぱり赤がお似合いなのですわっ。

 それにしてもっ。ウエストがスっゴく細いのは、とってもうらやましいのですわあっ。


「フィルフィーさんの赤ビキニとポニーテールは、とってもステキなのですわっ♡」


『あんがとよっ♪ ペリ子だって、めっちゃめちゃ似合ってるぞっ!日焼け止め塗ったら、泳ぎに行こうぜっ!』


「はいっ! フィルフィーさんっ♪ ですわあっ♪」


 浜辺に着くまでに何度かナンパされちゃったのですが、その度にフィルフィーさんがメンチ切って撃退してくれたのですわっ。


「フィルフィーさんっ。庇ってくれるのは嬉しいですけど、誰かれかまわずメンチ切っちゃダメダメっ、ですわっ」


『ペリ子をジロジロ見られるのはイヤなんだよっ』


「えっ♡」


 フィルフィーさんたら、私を気遣うと言うより、妬いちゃってるカンジがカワイイのですわっっ♡


           ◇


 波打ち際までくると、透き通った海水が太陽の光をキラキラと反射して眩しいくらいなのですわっ。


『ぼーっとしてんなよ、ペリ子っ!

 海水のかけあいっこしようぜっ!』


「むっ! 望むトコロですわっ♪」


 ずばしゃあん!


「きゃあっ!?」


 不意討ちとは卑怯なりっ、ですわー!

 フィルフィーさんたら、ただのじゃれあいっこなのにガチの本気マジなのですわっ。


 フィルフィーさんの水かけは強烈過ぎて、水着からおっぱいがポロリしちゃいそうなのですわあっっ。

 それでも、やっぱり!

 とってもとっても楽しいのですわあっ♪


「いきますよフィルフィーさんっ♪ ウフフっ♡ それえっ♪」


「……っっ!」


 パシャパシャと海水のかけあいっこなんて、子供の頃以来ですわっ♪


『やったなペリ子っ! うらああああっ!』


 ばしゃーん!


 声は聞こえなくても、唇の動きで何を言ってるのかわかっちゃうのですわっ♪

 フィルフィーさんたら、はしゃいじゃってカワイイですわあっ♡


 でも、フィルフィーさんのはしゃぐ声が聞けないのは残念……

 はっ!

 いえいえ、そんなコトはありませぬですわっ!

 嬉しい、楽しい、ハズカシイ新婚旅行!

 私が暗い顔をしてたら、フィルフィーさんが心配しちゃいますですわっ。



           ◇



 夕食はホテルのレストランで。

 くったくたになるまで遊び倒した後の夕食は、とってもとっても美味しかったのですわっ。


 今晩からこのホテルで3日間宿泊。それから移動して別の旅館で3日間。

 フィルフィーさんと二人きりの6泊7日っ♡

 何が起きるか、わくわくドキドキなのですわっっ♪


 お部屋に戻って、あらびっくりっ、ですわっ。

 すでにお布団が敷かれているのですわっっ。

 ベッドではなくお布団なのは予想外で、赴きがあって善きなのですがっっ。


 おっ、お布団がっ!

 やたらとピッタリくっついてるのはナゼなのでしょうっ、ですわっっ。


『ペリ子よう、なんか緊張してないかー?』


「えっ! そそそそんにゃことはっ!?」


 アリアリのオオアリクイなのですわっ。

 二人っきりの新婚初夜に緊張しない方がオカシイのですわあっっ!


「ふぃふぃふぃっ、フィルフィーしゃんはドキドキしないのでしゅかっ、でしゅわっ」


『えー? だって、何度も一緒に寝てるだろー?』


「いっ、一緒に寝てるって言っても、フィルフィーさんが勝手に私のベッドに潜り込んでくるコトがほとんどじゃないですかっ、ですわっ。

 しかもっ、私のっ、おっ、おっ、おっぱいを後ろからわしづかみにしてっ」


『ペリ子のおっぱいは、ふわふわでやわこくてサイコーだからなっ』


「えっ!? そそそっ、そうでしゅかっ? フィルフィーさんたらっ、えっちなのですわっ」


 えっちって言ったら、フィルフィーさんは赤くなって、ふいっと視線を逸らしちゃったのですわっ。


 その後、二人の会話は途切れてしまって……


 沈黙、静寂、無言の時間。


 会話が続かないのは、ピッタリくっ付けられてるお布団のせいですわあっっ。

 普段、一緒に生活してるとなんてコトは無いのに、なんだかとっても緊張しちゃうのですわっっっ。


 ちょっと頭を冷やしに、ベランダへ避難ですわっ。


 静かな夜の海。

 さざ波の音がとってもロマンチックなのですわ……


 ベランダには二人がけの屋根付きブランコが。

 そこに座っていると、フィルフィーさんが飲み物を持って私の隣に……って。


 ふああっ!

 ふぃふぃふぃフィルフィーしゃんがっ!

 わわわ私の隣にっ!

 肩と肩が触れあっちゃってるのですわっっ。

 どどどどうしましょー! ですわああっ!


 フィルフィーさんは喋れないってわかっていてもっ。

 二人に言葉はいらないってわかっていてもっ。


 この胸のドキドキをどうすれば良いのか、わからないのですわー!

 

 無言の数分間。

 海の方ばかり見ている私の頬に手を当てて、フィルフィーさんが瞳を覗き込んできたのですわっ。


 ここここれって、もしかしなくてもっ。


 チューされちゃうんじゃないのかしらっっ、ですわああー!


「……フィルフィーさんっ……」


 じっと私の瞳を見つめるフィルフィーさん♡


 この幸せな時間が、ずっとずっと続けばいいのに……


 私が目を閉じると、フィルフィーさんが唇を重ねてきました。


 柔らかくて、温かくて、イイ匂い……


 私の好きな、大好きな、フィルフィーさん♡


 私の髪を撫でながらチューするなんて、フィルフィーさんたら、とってもテクニシャンなのですわー!


 覚悟はしてましたけど……やっぱり恥ずかしいのですわー!


 アタマがくらくらして、ぼーっとして……もう、フィルフィーさんのコト以外には何も考えられなくなって……


 フィルフィーさんと、こんなキスをするなんて……こんな日が来るだなんて……っ



『ペリ子……っ♡』


「……フィルフィーさんっ♡」



 声を奪われていても、フィルフィーさんの目を見れば何を言いたいかが伝わってきます。

 

 フィルフィーさんの愛が、私に流れ込んできます。


 私の、大好きな、愛するフィルフィーさんっ♡


 フィルフィーさんは、ふっと唇を離して私の瞳をじっと見つめてから。


 そのまま、静かに目を閉じましたのですわっ。


 フィルフィーさんたら、お眠いのかしらっ?


 じゃないのですわっっ。

 こここれはっ!

 私からのキス待ちなのですわー!


 フィルフィーさんからキスされる事はあっても、私からするなんて幼稚園の時以来っ!


 とってもうれし恥ずかしなのですわああっ!


 どどどどーしましょー!ですわあああっ!

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