再会!ラーフィアちゃん!
なんやかんやとありながら城内を進む俺達ですよ。
で。
レイルさんのウラ太ももを、ガン見はムリだからチラ見しながら後ろをついていくんだけれども。
レイルさんは俺の視線に超敏感!さすがは魔王の『右の盾』と呼ばれるコトはありますよ!
少し歩く度に振り返るもんだから、その都度俺はフリーズです!
端から見れば俺達のやってるコトは『だるまさんが転んだ』ですよ。
「オマエら、さっきからナニやってんだ?もう仲良しさんかー?」
「ちょっ!?女神様っ!なんというコトをおっしゃいますかっ!私がこんなちんちくりんと仲良しなどとは、断じて否!断じて否!断じて否ですっ!」
3回言ったよレイルさん!拒絶っぷりが尋常じゃないですよー!
「ズイブン嫌われたもんだなヒカリぃ。そこまで嫌われてると笑えるよなー!」
笑えるかっ!
まあ、俺も好かれたいとは思いませんけどねっ。
「言いにくいのですが、ヒカリ様の視線は時々ゲスいのですわっ。その辺はお気をつけて下さいませヒカリ様っ、ですわっ」
「はいっ!?」
俺の視線はゲスいってペリメール様っ!?
言いにくいって言う割りにはハッキリ言っちゃってますよっ?
うぐぐ、完全に否定出来ないのがなんともかんともってヤツですよー!
なんてコトを踏まえつつ。
辿り着いたのは最上階に近い見晴らしの良い展望室!
一般のヒト達も入れる展望室です!
おおー、さすが魔王城、眺めが良い!
おっ!あそこに見えるのはクロジョの校舎かなっ?てコトはクロジョからも魔王城が見えてたってコトかなっ?
サトナカ教官とザコレベルB班のみんなはどうしてるかなっ?
おおっ!遠くに海が見えるっ!
これは、やっとかないといけない!
そうです!ペリメール様とフィルフィーの水着姿を妄想です!
もちろん二人ともビキニですよ当然じゃないですかっ!!
フィルフィーはヤンキーらしく赤ビキニ。ペリメール様はさっぱり爽やか青ビキニ!
波打ち際できゃっきゃウフフとお戯れっ!
たわわな
ムハー!
って違うっ!
妄想が楽しすぎて、どっかに吹き飛んでったよ緊迫感!
はっ!
俺はナニをしに来たんですか俺はっ!
そう!魔王に!
ラーフィアちゃんに会いに来たのです!
「ナニをニヤニヤしてるんだ気持ち悪い。うろうろするなよ、ちんちくりんっ。はぐれるなよ、ちんちくりんっ。迷子になったら双頭の邪竜に探させるからなっ」
気持ち悪いって、マジですか。
少しは柔らか対応になってくれたのかと思いきや、やっぱり冷たいレイルさん!
双頭の邪竜って名前がヤバい!
俺みたいなちっこいのは、見つかった途端にぱくっと丸呑みにされちゃうんじゃないデスカネっ!?
展望室を抜けた次の階が魔王ラーフィアちゃんの
もちろん一般人は立ち入り禁止ですよ。
1フロア独占なんて、めっちゃセレブリティーですよー!
「ここがラーフィア様の私室だ。言っておくぞちんちくりん。くれぐれもラーフィア様に失礼の無いようにな」
失礼のないようにとは言うものの、俺に対してはめっちゃ失礼ですよレイルさん。
コワイから言わないけど!
こここんっとノックして!
いよいよ魔王となったラーフィアちゃんと!
1年ぶりのご対面ですよー!
かちゃりとドアを開けるとふわりといい香りがっ!これは紛れもなくラーフィアちゃんの香りです!
俺の鼻が覚えてますラーフィアちゃんの良い香りですよー!
「失礼いたします、ラーフィア様。お客人をお連れいたしました」
そろりと前に進み出て。
え。ここが魔王の部屋ですか?
薄いピンクを
壁一面に俺の写真がいっぱいです!
クロジョ時代のが多いけど、最近のもちらほらとっ。バイト先でバイトスマイルしちゃってる写真までありますよっ?
いつの間に撮ったんデスカネっ!?
魔王の部屋って言うより、まんまジョシコーセーの部屋っ!
ジョシコーセーの部屋なんて入ったコト無いからわかんないけど、まあそんなカンジです!
ん?
ラーフィアちゃんのお姿が見えませんけども?
「あっ!久しぶりだねっ、ヒカリちゃん!お姉ちゃん!あと、ついでにフィルフィー」
ぬおっ!この弾むような明るい声はっ!
1年ぶりのラーフィアちゃんっ!
ラーフィアちゃんですよー!
部屋の奥からパタパタと出て来ましたよ!
フィルフィーの名前言う時にトーンダウンする辺りが、
フツーに部屋着ですよラーフィアちゃん。
水色のパーカーに白いスカートがコジャレてます。
パーカーの袖をたるませて萌え袖にしちゃってるのが、あざといくらいにカワイイです!
ただカワイイだけじゃないですよ!
バイト先でモニター越しに見ただけだったからわかんなかったけど、めっちゃキレイになってますよ!
脚なんてスラリと長いじゃないですかっ。
身長が高くなって、膝まで伸びたツヤサラ銀髪がめちゃめちゃ似合ってます!
魔王って言うより女神っぽい!
さすがペリメール様の従姉妹なだけはありますよっ!
果たし状なんて物騒な手紙を送りつけてきたのに、なんかめっちゃフツーに歓迎されてるんですけどっ?
家に友達呼んだみたいなノリですよ!
魔王って、薄暗い広間の玉座にどっしり座ってひじ掛けに頬杖ついてるもんだとばっかり思ってたのに、肩透かし感がハンパない!
なんて言うか、魔王感ゼロなんですけどっ。
そう言う俺も勇者って割りにはゴスロリメイド服ver.2なんですけどねっ!
「ヒカリちゃんのって、ゴスロリメイド服ver.2だよねっ!やっぱりスゴく似合っててカワイイっ!お姉ちゃんの白いワンピもステキだよっ。で。なんでフィルフィーはジャージなの?」
「あん?別にジャージでいーだろーが。ラクだしな」
フィルフィーはつっけんどんに答えつつ、しげしげまじまじと俺のクロジョ時代の写真を見てますよ。
「へー。良く撮れてるじゃん。なあ、ペリ子っ」
「えっ?ええ、まあ、そうっですわねっ」
壁一面に飾られてる俺の写真を見てペリメール様が挙動不審ですよ。なんでかな?
「お姉ちゃんだって、フィルフィーの写真いっぱい……」
「ラフィーさあんっ!危ないですわあああっ!」
ばちーん!
「ぷあっ!?」
ラーフィアちゃんが喋ってる途中で!
目にも止まらぬ素早い動きで、久々のペリメールスマッシュが炸裂です!
「らっ、ラーフィア様っ!?大丈夫ですかっ!?女神様っなんてコトをっ!落ち着いて下さいっ!」
ひっくり返ったラーフィアちゃんの元に慌てて駆け寄るレイルさんっ!
あらあら、おパンツ丸見えですよー!スカイブルーのおパンツですよー!
ムハー!
イヤ違うっ!
「あいたたた……お姉ちゃんの口ビンタも久しぶりだなー。って言うか、フィルフィーとお姉ちゃんってまだ
「おほー♪ラフィーのパンツ丸見えー♪で?あたしの写真がなんだって?」
「なんっでもないわよ、う○こフィルフィーっ!呪うわよっ」
「何でだよ呪うなっ!」
そう言えばペリメール様の実家の部屋にフィルフィーの写真がいっぱい、ってラーフィアちゃん言ってたっけ。
なるほど、自分の話にもってかれるのがコワかったんですねペリメール様っ!
でも、照れ隠しで魔王を吹っ飛ばす女神様ってどうなんですかねっ?
う○こフィルフィーって久々に聞いたなー。
こうして見てるとラーフィアちゃん、全然変わってない。
なんか、ほっとしますよね!
もっとピリついた空気になるんじゃないかってドキドキしてたからね!
「ヒカリちゃん……見たでしょ?」
「えっ?」
「私のパンティー見たでしょ?」
「えっ?あのっ、見たと言うか、見えちゃったと言うかっ?」
「どうだった?」
「どうっ、てっ?」
「カワイイパンティーだと思ったっ?」
1年越しの再会でナニを言ってるんですかねラーフィアちゃん!
何かこんなコト前にもありましたよ、激しくデジャヴですよー!
「あのっ、うんっ、カワイイと思うよっ?」
「ホントにホントにっ?」
「うんっ!あのっ、うんっ?カワイイぱんてぃーだと思うよっ?」
◇ おパンツを
ぱんてぃーと呼ぶ
男の
「ナニやってんでい、バカップルがよー」
「うっさい、う○こフィルフィーっ!呪うわよっ!」
「何でだよ呪うなっ!ラフィーのパンツなんかどーでもいいんだよっ」
「どーでもいいとはどういうコトよっ!ヒカリちゃんにだっさいパンティー見られるくらいなら、魔王城ごと辺り一面焼け野原にした方がマシよっ!」
「らっ、ラーフィア様っ!?落ち着いて下さいっ!」
ラーフィアちゃんのトンデモ発言にレイルさんがわたわたしてますよ、なんかコントみたいで面白いですよー!
「はー、びっくりしたっ。ヒカリちゃん達を案内してくれてありがとう、レイル。
ここからは四人で話し合いたいから仕事に戻ってくれないかな?」
「はっ。かしこまりましたラーフィア様っ」
ここでレイルさんは退室みたいですよ。
なんか、ほっ。
だがしかし!
部屋を出る際、ギロリと俺を睨み付けて小さく耳打ちですよレイルさん。
「チッ。ラーフィア様に失礼なコトをするなよ、ちんちくりんっ。もしラーフィア様に何かあったらキサマをちっちゃく折り畳んで粗大ゴミに出すからなっ」
マジですか。
男の
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