再びバトル! ヒカリvsラーフィア!

『一緒に帰ろう』からの。


『じゃあ、私を倒しなさい』って。


 なんでなんでっ?

 なんでそうなるかなラーフィアちゃんっ?


「魔王城ではうやむやになっちゃったから……ここで決着をつけよう!ヒカリちゃんっ!」


「おおー、おもしれえコトになったじゃねーかヒカリぃ?

 ここでガツンとイッパツぶちかましてハナタレラフィーをおとなしくさせてみろやー♪」


「『うっさいっ!う○こフィルフィーは黙ってて!』」


 うおおイケボっ!

 クールでダンディーなイケてるボイスは健在ですよラーフィアちゃんっ。


「おほー♪ 気合い入ってんなあラフィー!

 こりゃあ、マジのガチでやんねえとなぁ、ヒカリぃ?」


 うむむウルサイぞヤンキー女神っ!

 こちとらどうやって戦闘回避するか考え中なんだからなっ。


「さあ、どうするのヒカリちゃんっ?私と戦うのっ?戦わないのっ?」


 戦うもナニもっ!

 戦う理由がありませんよラーフィアちゃんっ。


 魔王城で戦うコトになったのは勇者と魔王だったからで、それならまだ戦う理由になるけど今のラーフィアちゃんは魔王じゃ無いからねっ?



「戦わないなら帰って下さいっ!

 私と戦うのがイヤなんて、そんなヘタレなヒカリちゃんなんて見たく無いですっ!」


 むむむむむっ!?

 なんか煽ってきますよラーフィアちゃん!


 ちょっと恥ずかしいけど、アレをぶっこんでみようじゃないですかっ!

 ペリメール様が言ってたヤツですよ!

 どのくらいの効果があるかわかんないけど!



「そっ!そんなコト言うならっ!

 もうラーフィアちゃんとはチューしないよっ?それでもいいのっ?」


 どうですかラーフィアちゃんっ!

 ここでおとなしく降参してくれてもイイですよ!


「なっ!?そっ!そんなコト言うならっ!

 私だってヒカリちゃんとは、もうチューしませんっ!それでもいいのっ!?」


 なぬっ!?まさかのカウンター!

 まさかまさかの『チューしません返し』っ!

 こう来るとは予想していなかったっ!



「ナニやってんでいバカップルがよー。さっさと戦えばいーじゃねーかよー」

 

 フィルフィーにバカップル呼ばわりされるとはっ!

 端から見るとそうなのかも知れないけど、フィルフィーにソレを言われると、なーんかシャクゼンとしませんよっ!


 だがしかし!


 そこまで言われちゃあ、男のすたるってモノですよ!

 いーですよやりますよ、やってあげようじゃないですかっ!



「……わかったよ、ラーフィアちゃん!決着をつけましょうじゃないですかっ!」


 でもねっ、なるべくならねっ。

 おとなしく言うコト聞いて下さいよっていうのが本音ですよ!


「おー!いいねえ!ドカンとイッパツどころか十発くれえぶっこんでみろやヒカリぃ!」


 うぬぬ静かにしなさいヤンキー女神っ!

 ラーフィアちゃんの燃える闘志に油を注ぐんじゃないぞっ!



「バトルをご所望でしたらバトルフィールドはこちらになりますので、どうぞ、ご自由にご使用になって下さい。ご案内いたします」


 俺達のやり取りを傍観してたダークエルフのお姉さんからのまさかの一言。

 バトルフィールドって。


「なっ、なんでそんなのがあるんですかっ?」


「施設に送られる者達は元魔王やヤンキーが大多数です。思う存分戦わせ、暴れさせてストレスを発散させる目的もあるのですよ、妄想勇者様」


 やっぱりヤンキーも入所するんですねっ。

 だったらフィルフィーもここに入ったらいいんじゃないデスカネっ?


           ◇


 そんでもって、ダークエルフのお姉さんに案内されてやって来ましたバトルフィールド!


「こちらの海中、空中、砂漠、闘技場、草原、ダンジョンの6つのステージから選択出来ます。

 オススメは闘技場ステージです。

 遮る物が何もありませんし足場も良いですから、力と力のぶつけ合いには最適なのですよ」


 ダークエルフのお姉さんが淡々と説明してはくれますがっ。

 なんだか緊張感が高まってきましたよっ!


「おほー♪ 暴れ甲斐のありそうなフィールドじゃねーかあ。思う存分ボッコボコにしてやれよっ」


 ラーフィアちゃんをボッコボコ。

 なし崩しに戦うコトになっちゃったけど、そんなの考えたコトも無いわいっ。

 フィルフィーならボッコボコにしても、って、返り討ちにされるからやんないけどね!


 まさかまさかの、ラーフィアちゃんとの再戦ですよ。

 男のvs百合娘ですよー!



 闘技場ステージは石造りで15m×15mの正方形。

 格闘ゲームとかでよく見かけるヤツですよ。

 まさか自分がここに立つとは思ってもみなかったっ。


 殺風景なステージに対峙する俺とラーフィアちゃん。

 真剣勝負なのにぐるぐるメガネを外せないってのが、ちょっと間の抜けたカンジですよ!


 俺の真正面に真剣な顔で立つラーフィアちゃん。

 魔王城の時とは顔つきが違って見える!

 嬉しそうというか楽しそうというか、なーんか、殺る気満々に見えちゃうのは気のせいデスカねっ!?



「勝ったらまたチューしてやんよヒカリぃ♪ のチューをさー♪」

 

 なぬっ!

 フィールドの外から余計なコトを言うんじゃないぞヤンキー女神っ!


「『さん、かい、めっ?どーいうコトかしら、ヒカリちゃんっ!?う○こフィルフィーっ!?』」


 うお!

 3回目と聞いたラーフィアちゃんが、一瞬でご機嫌ナナメにっ。


「あーん?言ったままのコトだぜー?

 あたしとヒカリはそういう仲ってコトだっ!

 どうだ、まいったかっ!」


 うおおニヤニヤしながら、いらん情報を与えるんじゃないぞヤンキー女神っ!


 ラーフィアちゃんのショートボブの銀髪が総毛立ってオニのツノみたいになっちゃってます!

 ラーフィアちゃんの怒りがじわりじわりと伝わって来るですよー!


「ラーフィアちゃんっ!違うよっ!違うからねっ?したんじゃなくてされたんだからねっ?」


 1回目のはまだしも、2回目のはミカンだからねっ!

 って、アレもチューにカウントするのかっ?



「『ねえ、ヒカリちゃん……』」


「はいっ!?」


 イケボっ!クールでダンディーなイケてるボイスが再びです!


「『にゅるってしたの?』」


 イケてるボイスでナニを口走ってるんですかねラーフィアちゃんっ!?


「してないっ!そんなのしてないようっ!軽く触れただけだからねっ?」


「へー。そーなんだーやっぱりチューしたんだー。ふーん。へーえ。ああ、そーですかっ」


 なんだか拗ねモードですよラーフィアちゃん!

 チューって言っても、ミカンの俺にチューしただけですからー!

 生身のチューじゃ無いですからー!


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