再!再会!ラーフィアちゃん!
「「ラーフィア=リンデル。面会人です。面会室まで来るように」」
ダークエルフのお姉さんに館内放送で呼び出してもらって面会室まで移動して。
いよいよラーフィアちゃんと御対面!
魔王城の時もそうだったけど、俺の心臓ばっくばく!
どんな顔して会えば良いのかなっ?
やっぱ笑顔が一番だよなっ?
顔が引きつらないようにペチペチもにもにと頬をマッサージ!
ラーフィアちゃんがver.2の俺を見てひっくり返らないように、ぐるぐるメガネを用意して!
ドキドキしますよ当然です!
たかだか数日会ってないだけだけど!
しばらくしてやって来ましたよラーフィアちゃん!
ドアの向こうに影が見えますよっ!
あのシルエットは間違いなくラーフィアちゃんですよー!
でもちょっと違和感が……?
コンコンとノックの後、カチャリと静かにドアが開き!
ラーフィアちゃんと魔王城以来の再会です!
「えっ、ヒカリちゃんっ?と、お姉ちゃん……あと、フィルフィー……?」
「らっ……ラーフィアちゃんっ?」
「ラフィーさん……っ!?」
なっ!なっ!なっ!なんとっ!
ラーフィアちゃんの髪がっ!
膝まであった長くてキレイなツヤサラ銀髪がっ!
バッサリ切られちゃってる!
ショートボブにっ!
マジかっ!
ショートボブもめっちゃ似合ってるけど!
似合ってるけどマジですかっ!
シルエットに違和感があったのは髪型が違ってたからかっ!
「おー、ラフィー。ずいぶんとサッパリしたじゃねーかあ。アタマ軽くなったろー?
しっかし、だっせえツナギだなあ。笑えるわー!」
笑えるかっ!
デリカシー無さすぎだろヤンキー女神っ!
アタマ軽くなったなんて、髪を切られちゃった女の子にそんなコト言ったらダメでしょーがっ!
服はまあ、地味なツナギだけどっ。
「……まあね」
おおう、素っ気ないですよラーフィアちゃんっ!
やっぱり元気が無いですよ!
伏し目がちに肩を落としちゃってます!
アタマの中では、再会した時に何を言ってあげたらいいのかイロイロ考えてたけど!
衝撃的過ぎて全部吹っ飛んだっ!
ペリメール様も絶句しちゃってます!
たまらず沈黙ですよ男の
なんだか重い空気が室内に充満してますよー。
こんな時って、どうすりゃいいんだっ!?
「もうちょっとしょげてるかと思ってたけど意外と元気そうだな、ラフィー。一緒にいた二人はナニしてんだー?」
沈黙を気にも止めないのはフィルフィーですよ。
こんな場面でもブレませんよヤンキー女神っ。
そういうトコはSUGEEEEですよ!
「……レイルとフェイリアは今も更生プログラムこなしてるよ。
元々、私が巻き込んじゃったようなものだから……あの二人には悪いコトしちゃったのかな、って」
「そんなっ巻き込んだなんてっ!そんなコト無いと思うよラーフィアちゃんっ」
寂しそうに言うラーフィアちゃんに向かってそう言った瞬間っ。
奇跡的にぐるぐるメガネがずり落ちて!
うるキラ瞳ver.2を直視しちゃったラーフィアちゃんはっ!
「はわわわわわあああっ!?」
どたあっ!と!
後ろ向きにひっくり返ったっ!
リアクション芸人顔負けのリアクション!
100点!いや120点ですよラーフィアちゃん!
イヤ違うっ!
俺はっ!
ラーフィアちゃんのリアクション芸を見に来たのでは無いっ!
迎えに来たんですよっ!
「ヒカっ!ヒカリちゃんっ!?なななんでっ?なんか美少女度合いがパワーアップしてるんですけどっ!?」
真っ赤になってワタワタですよラーフィアちゃん!
このままではまともに話も出来ないっ。
ずり落ちたぐるぐるメガネをささっと直すのだ!
「詳しいコトは後で話すよっ。
あのっ!今日は面会じゃなくってねっ。
ラーフィアちゃんを連れ帰りに来たんだよっ」
「えっ?連れ帰り……って?」
「フィルフィーとペリメール様が出所に必要な女神ポイントを提供してくれる、って。ボクもほんの少しだけど勇者ポイントあるからっ。
それさえあればココを出られるって。
だから、一緒に帰ろう!ラーフィアちゃん!」
「……ここを出られる、の……?」
落ち着きを取り戻して、うつむき加減だったラーフィアちゃんが顔を上げて。
ほうっと息を吐いてから、カワイイ口から出た言葉はっ。
「やだ」
「えっ?」
今なんとっ?
アレっ?なんかどっかであったぞこんなシチュ!
「やだっ。出ないっ」
これはっ!
俺がフィルフィーに『男の
あの時のフィルフィーは『やなこった』って言ったけど!
えー!?
なんでなんでっ?施設を出られるのにっ?
「やだってなんだよ、ラフィー?せっかく迎えに来てやったのによー」
「せっかくってナニよ!?そんなの誰も頼んで無い!」
えー!?
だだっ子ですかラーフィアちゃん!
変なトコロで意地っ張りですよっ?
「私達はっ!三人揃って入所したのに、私だけ出所するなんてあり得ない!
だって、レイルとフェイリアを置いてなんて行けないよ!
そんな薄情者にはなりたくない!」
ラーフィアちゃんのオーシャンブルーの瞳は真剣で。
なんの迷いもなく真っ直ぐだった。
ラーフィアちゃん……そっか。
魔王城でもそうだったけど、三人仲良さそうだったし……
なんか。
ほっとしたな。
ラーフィアちゃんは、やっぱりラーフィアちゃんだ。
「ラフィーさん……っ」
ペリメール様の眼差しが柔らかい。
俺と同じような事を感じてるのかな……?
「私をここから連れ出したいなら、首に鎖でも繋げないと無理です!」
「おほー♪ 気合い入ってんなあ、ラフィー!やっぱりそうじゃなくっちゃなあ!
じゃあ、そうすっか! なあヒカリぃ?」
「えっ?」
ニターリと悪魔の微笑みですよヤンキー女神っ。また何かワルいコト思い付いた顔ですよ!
「要はラフィーをブッ飛ばせばいいんだろ?
じゃあ、やんなきゃなあ、ヒカリぃ?」
「なんで私とヒカリちゃんが戦わなきゃいけないのよっ!」
「なんっだよ、つまんねえなあ、ヘタレラフィー。それでも元魔王かよ?あ~あ、なんかガッカリだなー!ペタン娘ラフィーちゃんよー!」
ナニを煽ってるんじゃいヤンキー女神っ!
俺とラーフィアちゃんを戦わせる気満々じゃないかっ!
「なんっ、DEATHっ、てっ!?
ペタン娘っ、DEATHっ、てっ!?」
うおお、コワイっ!
ゆらゆらとショートボブの銀髪が蠢いてますよラーフィアちゃん!
ラーフィアちゃんの『です』が『DEATH』に聞こえるのは気のせいなんかじゃ無いデスよ!
「良いわよ、やってやろうじゃない!
私に勝てたらここを出てあげてもイイよっ。ヒカリちゃん!」
なななんとっ!
ポイント支払えば出られるっていうのに、まんまとフィルフィーの挑発に乗っちゃったよラーフィアちゃんっ!
でも戦うのは俺なんですけど!
俺の意思はどっかに置き去りなんですけどー!
なんでっ!?
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