ライバル女神 ペリメール参上!ですわ!
「お困り事は女神ペリメールがお助けいたしますですわよぉー?」
しゅぽん!と、軽快な音と共に現れたのは、スタイル抜群の銀髪女神!
長い睫毛のぱっちりした大きな眼。
瞳の色は気品溢れる深い翠。
長いツヤサラ銀髪は足首くらいまであるけど、からまったりしないんですかね?
そんでもって下着無しのスケスケひらひらネグリジェに『謎の光』は、この世界の女神様の決まり事なんですね、きっと。
胸の大きさはフィルフィーマートと同じくらいか、やっぱりぷるぷる揺れてます。
それにしてもこの格好。
身に纏うのはスケスケネグリジェにちっさいおパンツ。ハイヒール。いくつかのアクセサリー。
そして『謎の光』のみ。
この世界の女神様って露出癖でもあるのかな?
スタイル良くない女神様って、ホントいないよなー。
でも、なんで
オパイぷるぷるなんですけど!
「あら?あらあら?誰かと思ったらフィルフィーさんではございませんか?それにここ……お選択のお部屋じゃないですか。まだ全然スタート地点ですわねっ」
お選択って。
なんでも『お』をつければいいってもんじゃないですよ女神様。
別の意味に聞こえちゃいますから。
ペリメールと名乗った女神様が、オパイをぷるぷる揺らしながらツカツカとフィルフィーマートに歩み寄っていく。
「お久しゅうでございますわ、フィルフィーさん。そちらのお方は?」
「あたしが転生させたんだ。チッ……オイ、自己紹介」
すごーくめんどくさそうに舌打ち。
今のくだりで舌打ちするって……何故?
「コウダヒカリと言います!よろしくお願いします!ペリメール様!」
すいっと立ち上がってペコリと一礼。
「あらあら、可愛らしくて礼儀正しいお嬢様ですわねえ」
だよなー。この格好じゃ女の子にしか見えないよなー。
「助けてと聞こえて馳せ参じたのでございますが、何か問題でも?」
「……なんでもねえよ。空耳だろ」
「よろしいのですか?ヒカリ様?」
「あのっ!実はですねっ……ひっ……」
俺は情けない声を出して固まった。女神ペリメール様の肩越しに見えるフィルフィーマートの目が……目がぁっ!
殺し屋のそれなんですよ!
完璧に!
眼光で人を射殺!瞬殺!即滅殺!出来ちゃうんじゃないですかっ!?ってくらいの鋭い目付き!
「いえっ!なんでもないですっ!ノートラブルです!
俺はビビりまくって直立不動。
なんか、変な汗が出てるんですけどっ!
「そうなんですの?それならよろしいのですけれど……ところでフィルフィーさん?ポイントは稼いでますか?どのくらい貯まりましたか?ですわっ」
くるりとフィルフィーマートに振り返りペリメール様がポイントについて訊いてきた。
ポイント……何の事だろう?
「ポイントというのはですね、ヒカリ様」
俺の思考を読んだのか?って思えるくらいにいいタイミングでペリメール様が俺に解説し始めましたよ。
「私達女神は、ポイントを稼いで昇格するのですわっ。ちなみに私の現在のポイントは9951ポイントですの。1万ポイントで昇格ですから、あと一歩!ですわ!フィルフィーさんは現在何ポイントですのかしら?ですわっ」
なんか、ちょいちょい語尾がオカシイな、この女神様……
「……はち……」
フィルフィーがぼそっと呟いた。
俺は自分の耳を疑わない。
フィルフィーは確かに『8』って言った。
「はち……8……?今、8ポイントと仰いましたか?」
みるみる内にペリメール様の顔がニヤけていき、満面の笑顔になった。
「雑魚!ザコ!ざあこおお!ですわっ!おーっほっほっほ!ヘソで茶が沸きますわ!そのお茶には茶柱がおっ立ちますわっ!」
ブブー!と、謎のブザー音がペリメール様のペンダントから鳴り響く。
『マイナス10ポイント~』
「く……っ!しまったっ、ですわっ!」
「なんですか?今の……」
「これはですねヒカリ様っ」
ポイントを稼ぐには言葉遣いも重要らしい。悪口や陰口はマイナスポイントとなり、胸のペンダントがそれを教えてくれるようだ。
俺はふと気付く。フィルフィーマートはペンダント持ってなかったよな……
「このペンダントは1000ポイントで購入可能なのですわ。せっかく貯めたポイントを消費してでも手に入れる価値はありますから!
ただ!10ポイントすら貯められないお雑魚には到底、無理でしょうけれども!おーっほっほっほ!」
ブブー!
『マイナス10ポイント~』
「はっ!しまったですわっ!フィルフィーさんといると私のポイントが減ってっちゃいますわっ!」
……この女神様……自滅するタイプだな。聞いてもないのにペラペラ喋るし、なんかちょいちょい言葉遣いヘンだしさ。
なんにでも『お』をつけたり、語尾に『ですわ』って言えばいいってモンじゃないよなー。
俺は素朴な疑問を聞いてみた。
「イヤなら答えなければよいのでは……?」
「女神同士、ポイントを聞かれたら正直に答えなければいけないルールなのですわ。嘘をついたり答えなかったりしたら、ペナルティとして50ポイント
「へー……厳しいんですねー」
このポイント制度は、ボランティアや募金といった慈善活動、日々の善行、クエストでも貰えるとの事だ。
善行を重ねて心を養いながら地道に貯めていくのが常套手段だけど、一発大逆転狙いで高難易度のクエストに挑戦するといった女神もいるとか。
女神なんだからクエストやる必要性なんて無いのではっ?
「1万ポイント貯めて昇格したらどうなるんですか?天界の管理職に就くとか、部下を与えられて高層ビルの1フロア貰えるとか?」
「そんな地上の人間の会社のような考え方では上は目指せませんわよ、ヒカリ様!『1万ポイントで昇格』と言ってもそれで終わりでは無く、通過点に過ぎないのですわ!」
さらに上のランクがあるってコトかー。
うーん、そうですか。浅はかな考えだったかな……
「最初の1万ポイントはスタートラインのようなものです。具体的に言いますと、転生させた人間の姿をリセットする権限や、羽衣を着る権利を得られるのです」
「……リセット……羽衣?」
「そう!羽衣と言ってもその辺のやっすいエセブランド品などではなく、高位認定された女神のみが着る事を許される羽衣!
その名も『
その羽衣ゲットまで私はあと一歩!なのです!
ご覧の通り、私達のような『駆け出し女神』はほぼ全裸!謎の光で隠れてはいるもののほぼ全裸!うっすいネグリジェ一枚でうろうろする露出痴女と思われても仕方がありません!ですわっ」
「まあ、そうでしょうね……」
駆け出しだったのかー。私達ってコトはフィルフィーマートも新米女神……そんなのに転生任せてるってコトか?それでいいのか!?
女神ペリメール様が羽衣について熱く語ってくれる中、俺は最初の言葉に気をとられていた。
……転生した人間の姿をリセット?そんなコト出来るの?
「あの、リセットって?」
「そのままですわよ?リセットです」
「え……っと、ボクのこの姿を元に戻せる、ってコトですか?」
「その通りですわ、ヒカリ様。お選択のお部屋に来られた時の姿に戻るという事です」
「じゃあじゃあ!元の姿に戻った後はっ!?」
「別の姿に変更可能、という事ですわっ」
マジですかっ!このゴスロリメイドの男の
ムフフでアハンなハーレム勇者になるチャンスが!あるってコトですかぁっ!?
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