ラーフィアの剣術指南
校長室にて、同じ世界に転生した両親との束の間の再会の後。
黒竜王との戦いについて神様校長先生との話し合いですよ。
作戦会議的なアレです!
が!
話し合いって言っても、一方的に黒竜王と戦うって決められちゃったから後戻り出来ない状況なんですけどっ!
「ヒカリは、勇者と魔王と女神のバランスの話を覚えとるかな?確か、第26話じゃったのう」
何ですか第26話って。またワケわかんないコト言ってますよ神様校長先生は。
「ボッチのヒカリだけでは一瞬で消し炭にされてしまうじゃろうからの。誰かをセコンドにつけようかと」
おいっ!神様校長っ!?ボッチで消し炭ってっ!?
「あのっ!神様校長先生っ!それってフィルフィーが戦えばいいんじゃないですかっ!?めちゃめちゃ強いんだしっ」
「フィルフィーマートは魔王育成コースに編入中じゃからのう。勇者育成コースに入っとれば、戦って貰わんかったでもないような気がしないでもないがのう。あ、でも現役の女神じゃからダメじゃな」
それもそうかっ!
あんなのだけどフィルフィーって女神なんだよなっ。
あんなのだけどうおっ!
「黒竜王は魔王側じゃからのう。勇者育成コースの者と戦うのが筋じゃろ?」
まあ、そうですけどもねっ。でも、マジで俺以外にいないんですかねっ?
「フィルフィーマートとペリメールをセコンドに配置しておこうかの。中立の立場にある現役の女神じゃからな。あやつらがおればまた死ぬなんてコトも無かろうしの。あ、また死ぬって言ってもうた。メンゴメンゴ」
ちょっ!ジ……神様っ!?死んじゃう可能性もあるって事ですかっ!?
何回も『死』って単語出てくるけど、神様校長先生が言っちゃダメでしょ!
あと、ジジイって言いそうになっちゃったっ。
「まあ、黒竜王に殺されたら魂も残らんからのう。気をつけんさい」
おいっ!ジジイっ!あ、ジジイって言っちゃった。でも心の中だけで口にはしてないからセーフです!
「魂も残らない、って、転生すら出来ないってコトですかっ!?」
「うん。そうじゃけど?」
なぬっ!
それが何か?みたいな顔してますよ神様校長っ!
男の
はっ!生徒達が言ってた『お腹が痛いならしょうがないよね』って!アレ言ってみようっ!
「かっ!神様校長っ!あいたたたっ!ボク、急にお腹が痛くなってきましたあっ」
どうですか、この迫真の演技!美少女の姿である今の俺なら、良識と善意がある人ならコロっと騙されるハズ!
「ヒカリよ。仮病は良くないぞ」
イッパツで見抜かれたっ!なんで!?
「ヒカリよ。女生徒達がイヤがるのにはワケがあってのう」
「イヤがるワケっ?それって何ですかっ?」
「それ?どれ?」
なぬっ!?またバグりだしたっ!?
ナニをキョロキョロしてるんですかね神様校長っ!
「生徒達が黒竜王と戦いたく無い理由ですよっ!」
「ああ、それな!」
おいっ!神様校長っ!『それな』って言いたかっただけでしょっ!
しかも、どや顔でっ!
なんで今、若者ぶりたがるかなっ!?
「黒竜王は気に入った者がおったら『俺の嫁』とか言って連れ去ってしまうんじゃよ。ヒカリは男じゃからそういう心配もあるまい?ここは一つ、ワシを助けると思って!なっ」
「なっ、て言われてもっ!黒竜王が気に入らなかったらどうなるんですかっ?」
「うん?消し炭じゃけど?」
なぬっ!
そんなコトもわかんないの?って顔してますよ神様校長っ!
マジで命の危機ですよー!消し炭にされて魂消滅しちゃいますよおー!童貞のままにー!
ぬおおおおっ!
と、コンコン、とドアをノックする音。
「どうぞー、ですじゃ」
と神様が返事をし、入って来たのは!
なんとラーフィアちゃん!
「黒竜王との戦い、ヒカリちゃ……コウダさんのセコンド役は、私にやらせて下さい!」
開口一番、凛!とした口調でラーフィアちゃんが校長に言いましたよっ!凛!とねっ!
「コウダさんを守れるのは!私しかいません!私は!コウダさんのカノジョですから!」
熱い!熱いよラーフィアちゃん!さすがは俺のカノジョです!なんか、まだ『カノジョ』ってカンジは薄いけどっ!
「ラーフィア=リンデル君、だったかの。魔王育成コースの」
「はいっ。魔王育成コース2年のラーフィア=リンデルです!」
「うーん……ヒカリを守りたいという気持ちは、わからんでも無いような気がせんでもないような気がするが」
おいっ神様校長っ?言葉が逃げ腰過ぎやしませんかっ?
「カノジョってどういう事かな?ちゅっちゅしとるのかな?」
ちょっ!神様校長っ!セクハラもいいトコですよっ!?ラーフィアちゃんにナニを聞いてるのっ!?
「ハイ!してます!ラブラブのにゅるにゅるです!」
えっ!?ラーフィアちゃんっ!にゅるにゅるってナニ!?
「そうかそうか。若い内はたーんとにゅるにゅるのぬるぬるをすると良いぞ。ヒカリもスミにおけんのう。ほっほっほっ」
ほっほっほって!
なんてエロジジイなんだ神様校長っ!
「ラーフィア君よ」
「ハイっ」
我慢強いですよラーフィアちゃん!神様校長先生のセクハラ口撃に動じたりしてませんよ!
「黒竜王は魔王側じゃから、魔王育成コースの者が勇者側につく事はちと無理じゃのう。ましてやラーフィア君はこの前の検定試験に合格して今現在、魔王候補生第2位じゃからのう」
なんとっ!
ラーフィアちゃんて、すでに魔王候補になっちゃってるの!?第2位ってスゴくない!?
これはっ!
世の中の男性陣の股間に危機が迫っているというコトですよ!
ラーフィアちゃんを止めなければっ!
全男性の『アレ』がちっちゃくされちゃいますよー!
やべーですよー!
「それじゃあ!黒竜王との試合前に!コウダさんに私の技をレクチャーしてあげたいと思います!イイですよねっ!?」
技をレクチャー?ザコレベルの俺にラーフィアちゃんが教えてくれるのっ?
「うむ。そのくらいは許可しようかの。ヒカリよ、この短時間でうんと強くなってみそ」
みそってなんじゃいっ。
短時間で強くなれるくらいならザコレベルなんてとっくに卒業してるわいっ。
とりあえず頑張りますけれどっ!
外堀からじわじわと埋められてっ!
なし崩し的に黒竜王と戦う事になっちゃいましたよー!
ぬおおおおっ!
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