第138話

「カーリ、聞いて良いか?」


「なに、おじさん。なに?」カーリがアルネのお父さん、宰相から声をかけられた。


「獣人属の掟はリオンとやらに伝えたか?」


「ん~!! 言ってない。言わなくても大丈夫だよ」


「わかった、闘技場を準備しよう」

「国王、マンチャッタ国には何人の候補者を認定しますか?」


「3人だな。現在。マンチャッタに有能者がいる、おそらくそいつらが来るだろう」


「あの~。掟とか何か話されてますがそれは何ですか?」

僕が気になって聞く。


「ん~、私達獣人属は強い者に忠誠を誓うの。一応、私王女だから結婚の申しでも多いのね。それをリオンが全部やっける。それだけの事だよ」カーリが簡単に説明する。


「カーリ、僕は詰まり君に求婚している人を全部やっつければ良いのね」


「そう言うこと!」


「わかった! 絶対、カーリは他の奴にはやらない」


「うん! リオン嬉しい」カーリが抱きついて来る。


「姉さんが…私の姉さんが…」エリアスが泣いている。

「ダメー、やっぱり姉さんは私らの。私らのの目標だから。リオンさん1人の者になるのはやだ…」

エリアスの申告はやはり少し違う気がするが、まあ良いか。


翌日、ロンバートを中心に、ダンサール国に向かい出発する。

「この道は、馬車等は使えない。またドラゴン属達との契約もある、魔法も使う事も許され無い。歩きで大体1ヶ月って、所だろう」


「走る?」何気にカーリが聞く。


「ウム、それしか無い気がするが、特に急がなければ歩きで行こうと思うがどうする?」

ロンバートが皆に聞く。


「すみません。皆の分の食事、水等の量を考えると持って1ヶ月。最短3週間と言うところです」リーンハルが伝える。


「そうすると、少なくても3週間以内にダンサール国につかないと駄目ね。トンネルを抜けてからもまだ時間がかかるから」

アルネがしっかりとした口調で話す。


「僕もその考えに賛成だね。ロンバートさんはどう思います」


「うん、リオン君は軍隊出身か? 考え方が皆の生還が目標になっているが?」


「僕は、皆が大切なだけです。我慢は出来ます、ですがやり過ぎるのは反対です。

衣食住は生活にとって最も大切な事です。何より僕の目標です」


「なる程、リオンは家族が大切か?」


「家族と言うか、僕はこの4人が大切なんです。僕の事を常に支えてくれて助けてくれる。だから大切なんです」


ロンバートが自国の宰相、兵士達を見る。

「国王、我々はこのまま向かう事を申告します。無駄に疲れて行進が上手くいか無い事で、失敗することを心配します」


「では、こうしよう。トンネルは3週間いないに出る。出た後は、食材探し、寝床探しをふたてに分けて行う。

安全地帯はこのトンネルだけだ。それでどうだろう」


「賛成します」僕の言葉に4人が賛成した。


ロンバートが全員を見て話す。

「食材、飲み水等の管理はリオン達に頼りきりだ、寝床用の寝具等もリオンが1人で皆の分を持って貰っている。

詰まり移動速度について、リオン達がへばらない限り進む事ができる。

我が兵士達に確認する。このトンネルで危険地帯はあるか?」


「ハイ、ここからおよそ40km程行った辺りにトンネルが崩れかけている場所がございます。修繕がまだ終わっておりません」


「ここからおよそ2日以内だな」

「よし、3週間以内にトンネルを抜ける。兵士達はトンネル内の問題があれば全て記載して後で私に持って来るように。では行こう」


ロンバートの一声でみな動き出す。最東の村を山に向かい入ると鉄の扉が見えた。


「こんな所にトンネルが有るなんて!!」

僕とリーンハル、ルーニーが驚き上を向いて呆けてしまった。


「この通りは昔、私とガンスで作った道だ。皆にばれないように遊びに行くための通路だよ」


「おじいちゃん、昔から女遊びが激しくてね。そのせいで何回か、殺されかけた事が有るの」アルネが涼しそうに説明してる。


「アルネ、言葉にトゲがあるね。もう、おじいちゃんと結婚するって、昔は可愛いかったのに。好きな男ができるとすぐにこれだ」


「人のせいにしない。元々エルフ属は1人の人添い遂げるのが普通です。

その神聖なエルフ属のイメージをぶち壊したくせして」


「ふ、そんな褒めるな。照れるぞ アルネ!」


「褒めてない(怒)」アルネがロンバートの足を踏んで抗議する。


僕の索敵に何かが反応する。

「この先10km手前、生命反応。動きなし、敵意無し、このまま進みますか? 様子見で誰かを向かわせますか?」


「誰かいるのか?」宰相が確認するが、わからなかったみたいだ。


「国王、年の為、私がみてきましょう」

宰相がロンバートに話す。


「いや、リオン。君とアルネで行ってもらえるか、万が一戦闘になった場合、魔法が使えないのは面倒だ」ロンバートから指示がある。


「では、僕とリーンハルで行きましょう。魔法を使わないならそっちの方がいいでしょう」


「リオン、カーリでなくて良いのか?」宰相から声をかけられた。


「問題ありません。それにここに戦力を残した方が万が一、何か有っても問題無いでしょう」


「保険か?」ロンバートが僕を睨む。


「内のメンバーは各々強いです。適材適所ですよ」


「食えん奴だ。なら、リオンとリーンハルで対応を頼もう。私達はこのまま同じ速度で進むぞ」


「では、行きます」


リーンハルも風まといをかける。真っ直ぐなtトンネルを音をたてずに走る。残り1km位まで来たところで一旦止まる。


索敵で2人を確認、速度を落とし進む。


見える辺りに付いた。傷をおってるのだろう。男1人がうずくまっている。


近づいて声をかける。

「大丈夫か?」


介抱していたもう1人が振り向く。剣を持ち警戒を崩さない。


「僕達はオーヂエンから来た冒険者だ。このトンネルは安全地帯と聞いて来たが違うのか?」


「仲間割れだ。変な所を見せた。あんたら先に行って問題無いと思う」


「そう。でもそうも行かないみたいだね」

僕達の後ろからドタドタとした足音にかなり息が上がった音が聞こえる。


「お主ら足が早いなぁ。少し待ってくれ」振り向くと宰相が走って来る。


「お疲れ様です。どうされたのですか?」


「国王から、我が国の者だったら場合、リオン達では対象に困るだろうと言われ走ってきた」宰相が両膝に手を起き息を整えて要る。


「お主達はこんな所でなぜ、怪我なぞしておる。このトンネルは争い事自体禁止されて要ることは知って要るな?」


介抱している男が話す「仕方ない。我々は仲間割れの上、この有り様だ。

罰するなら罰してくれ」


「なる程、訳ありと言うことか?」


「リオン少し待ってくれるか」そう言うと何かの魔道具を使う。


「国王が間も無く到着される。その後でまた話そう」


その話しの後、1分もたたない間にロンバートが来た。


「フー、流石に走るのは辛いな」ロンバートが軽いステップを踏みながら笑って要る。


その後カーリ、アルネ、ルーニーが到着する。

「おじいちゃん、早すぎ。私らも追い付かないよ」息を切らしながらアルネが言う。


「なんだ、若いのにだらしない。鍛え方が足りないぞ」ロンバートがアルネをたしなめる。


「リオンとおじいちゃんが普通じゃないの!!」


ロンバートが倒れた男達を見て声をかける。

「所で、お前達は何をした。ただの仲間割れで人は殺さんだろう」


ダンサール国ではロンバートを知らない者はいない。それはこの男達も同じなのだろう。


ロンバートが到着した後、この男達の様子がおかしい。

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