第81話

ギルドを後にしてババヤさんいる村に空間移動を行う。


ワイバーンが出迎えくれた。

グエーグエー「リオン。いつの間に来たの?何か雰囲気変わった?でもリオンの匂いだ」ワイバーンが僕の胸に顔を埋めて甘えて来る。


「久し振りだね、ババヤさんとは上手くやってる?」


グエー「当たり前だよ、ハマイルさんの荷物も最近多くてね、お陰て村が少し景気がいいってババヤさん喜んでいるよ」


「そうか、良く頑張っているね」ワイバーンが嬉しそうに胸をはる。


僕がワイバーンと話をしているとババヤさんがやって来た。


「だれかと思ったらリオン君じゃないか?どうしたんだこんな所に?」


「ババヤさんお久しぶりです。神父のマシューさんに用があって来ました」


「そうかい、今教会を建ててる最中なんだ。このワイバーンのお陰でだいぶ村も余裕ができてね、みんなで相談して神父さんのために教会建てようってなってさ」ババヤさんが笑いながらに教えてくれる。


「マシューさんなら教会にいるから案内するよ」ババヤさんつれれて教会に行く。建設途中の教会の脇に小さい家がありがとその中が教会になっていた。


「マシューさん、お客様だよ」ババヤさんが声をかける。


「ババヤさん有り難う。って、リオン君じゃないか」マシューさんもかなり驚いていた。


「マシューさん、お久しぶりです。少し込み入った相談があって来ました」


ババヤさんが気をきかせ教会からでていく。


「リオン君が来たって事は職業についてだね」


「わかりますか?」


「なんとなくね。長い事、神父なんて職をやってるとね。で、どうしたい」マシューさんが確かめるように聞いて来る。


「僕は今有る僕の職業を全て辞める事にします」


「何か外の職に就くわけでは無いんだね?」


「はい、職業って言う枠組みが嫌になりました」


「君にそう言われると立つ瀬が無いね。僕達ギルドはリオン君に取っては狭かったみたいだね」


「すみません。わがままだとはわかっています。でも何か違う。そう感じただけです」


「仕方無いよ、元々職業は、ギルドが冒険者の管理と成長を、ギルド側がわかり易くするために始めた制度だ。

リオン君みたいに、本当に強い人には邪魔にこそなれ何も魅力は無いだろう」

「ギルドで職を得た儀式を覚えいるかい?」


「はい、変な儀式でした」


「よろしい。では、職業を外す儀式をするよ。心を静かに強く持って。体から何かが抜ける感覚になるけど我慢してね」

そういうとマシューさんがお祈りを始める。


体から白いモヤが抜けて行く。少し体が軽くなった気がすして、おおよそ30分で、儀式が終わる。


マシューさんにお布施を渡し教会を出る。今日はそのまま拠点に戻る事にした。


部屋に戻るとまだ誰も帰っていない。ライズと楽しくやっているのだろうと思いひとり

で出かける。


出かけると行っても特に知り合いもいるわけではなく、ギルドの食堂に行くことにした。

いつもギルドと部屋の往復だな。


ルーティンのような行動に呆れながらもやはりギルドに向かう。


食堂に入りエールを頼む。何処からかモンナの妊娠の話が出た。


やっぱり国王の子供の話は何処でも話題になるんだと聞き耳を立てながらエールを飲んでいる。


普段ラピスギルドで食事をすることも無い僕はさしずめ浮いた存在だろう。

このギルドで僕を知っているはギルドマスター タンザ オールさんと受付嬢のダリアさん位だろう。


1組の冒険者が声をかけてきた。

「あんた、見ない顔だね」リーダーとおぼしき若い男が声をかけてきた。


「そう?ラピスのダンジョンに入らないだけでこの辺には住んでいるよ」

僕が適当に答えエールのおかわりをもらう。


「はーい」元気な返事でダリアさんが自分のエールと二つ持ってやって来た。


「ダリアさん? 仕事はいいの?」

「いいのいいの。それよりギルドに顔出すなんて久し振りじゃない。何処で浮気してたの?」


若い冒険者をよそにダリアさんが話かけてくる。

「すみません。リュックニーに少し潜ってました」


若い冒険者が「リュックニー」と小声で言うとダリアさんに近づき

「ダリアさんこの野郎誰ですか?」


「あんた、ラピスにいてリオンさん知らないの? ひょっとして潜り?」


ダリアさんがわざと大きな声で言う。

「り、リオン? あのAランクの? ハートックスを簡単に倒したって、噂の?」


「す、すみませんでした」「殺さないでください」

若い冒険者が土下座しながら謝って来る。

ダリアさんがすぐにギルドから出るように伝えると数名の仲間と出て行った。


殺さないでくださいって、僕は何なんだ?


「ダリアさん、最近僕の偽者は出てませんか?」


「大丈夫よ。大会の後綺麗さっぱり消えたわ。ああ言う大会を定期的にしてもらえると無理な依頼を受ける人が減るのにね」


そう遠い処を見て言う。でも僕には関係無い話だ。


「それより、リオンさん?」ダリアさんの目付きが怪しい。

「リーンハルとルーニーとも結婚するって本当? この間リーンハルからこっそり聞いたの。あの2人は孤児でね。凄く苦労したから幸せになって欲しいって私は思ってるの」


「私の目を見て答えて下さい」ダリアさんが凄く真っ直ぐな目で僕を見る。


「本当です。まだ誰とも結婚の予定はありませんがその方向で話は進んでいます」


「良かった」ダリアさんがただの知り合い以上の表情をする。


「ダリアさん、聞きたい事があります。正直に答えてもらえますか?」


「ん、なあに?」ダリアさんが上機嫌に答える。


「ダリアさんはアルメニア王国の、ロイヤルナイト(国王専属騎士団)の所属ですよね。何故そんなにリーンハルとルーニーにこだわるのですか?」


「なんだ~、ばれてたか」「しっかり隠したつもり何だけど」ダリアさんがばれたか~と舌を出した。


「僕もそれなりの情報網を持っています。ダリアさんは強い方なので何処かの騎士だとは思っておましたが、ロイヤルナイトってことはつい最近知りました」


「ふ~ん。アルム公爵経由ね。本当油断ならない」

「でも、リオンさんで良かった。リオンさんなら例え相手が国家であってもあの2人を必ず守ってくれると信じているから」


「何か過大評価だと思うけど、僕は僕の身内に甘いだけですよ」


「いいえ、最高で最強のロイヤルナイトです。リオンさんは」


ガチャ勢い良くギルドのドアがあく、「いた~、リオンさん何勝手に美女と飲んでいるんですか」


ルーニーの明るい声がギルド内に響く。


「ルーニー、貴女もいらっしゃい」


「ダリアさんみんな連れてきて良いですか?」


「大丈夫よ。私も仕事終わったしみんなで飲もう」


「了解です」ルーニーが敬礼して慌ただしく出ていく。


「本当、騒がしい子」ダリアさんが自分の子供を見るような目でルーニーを見る。

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