第80話
部屋に戻ると何やら4人で盛り上がっていた。
カルメンからもらったメイド服とダンスドレスを見て盛り上がっている。
アルネとカーリにはカルメンの話をしたが今一つ信じていなかった。お母さんと一緒に書かれた絵や手紙を見せこの服を渡していた。
想像以上に評判が良くてほっとする。
「リオンさん。どうして私達の体のサイズが分かったんですか?物凄くぴったりですよ。特にダンスドレス、スリットの入り方何て、凄く動きやすいですよ」ルーニーが不思議そうくるくると回りながらに聞いてくる。
「そんなの決まってるじゃない。リオン、エッチだから私達の体をこっそり触って調べたんだよね」
カーリさん、それはひどい言い方だよ。
「「え~」」驚いた顔でみんな僕を見る。さっきまで落ち込んでいた人達は何処に行ったのさ。
「ねーねー、みんなでメイド服来て明日ギルドに報告しに行こう」
アルネの発案にみんな乗っかる。
「「「行く~!!!」」」
4人の明るい姿に凄く癒される。いずれお母さんやカルメンの事を真っ直ぐ向き合えるようになるだろうと思う。
翌日、メイド服できめた4人をつれてマリエラのギルドに来た。
流石に朝のラッシュ時間を過ぎているはいえそれなりに人がいる。
そんな中アルネが受付にオランの面会を申し出る、受付嬢の顔が少しひきつったのが分かる。受付嬢が急いでオランさんを呼びに行く。
「オランさん緊急事態です。すぐに受付にお願いします」遠くからでも聞こえる声に何か恥ずかしくなってきた。
怒った顔のオランさんがかけ降りて来た。
「リオン、緊急事態って何? 何処かの国でもせめて来たの?」
「オランさん、落ち着いて」
興奮仕切ったオランさんをなだめ4人を呼ぶ。
「オラン、にあう?」アルネが陽気に聞く。
「私も負けてないよ」カーリが何故か張り合う。
「オランさん。私達もいますよ」ルーニーとリーンハルが満面の笑みでオランさんに手をふる。
「あ、貴女達…」「あ…」オランさんが何故か気を失ってしまった。
仕方なくオランを抱き抱え執務室に移動して扇いで風を送って回復を待つ。
少ししてオランさんが目を覚ます。
まだ何か見てはいけないような物を見たと言った顔のオランさんをよそに4人が来客用の椅子座っている。
オランさんが1人づつ指を差し確認し始める。
「アルネ」「はい」アルネがしとやかに返事をする。
「カーリ」「はい、ご主人様」カーリは立ち上がりおじきをした。
「ルーニー」「はい」ルーニーは明るく返事をする。
「リーンハル」「はい、ご主人様。何でも申し付けください」リーンハルが背すじを伸ばし笑いながら答える。
「あんた達どうしたの?化粧までして?本当に貴女達なの? 私、まだ夢みてるのかな?」オランさんがますます混乱する。
「ちょっとオラン失礼だよ。確かにあんまり化粧しないけど。私達これでもリオンの女ですよ。たまには女の子らしいこともします」珍しくカーリがオランさんに意見した。
オランさんが僕を見て目で訴えかけてくる。
「オランさん、僕の妻達はどうですか?美しいでしょう?」
僕が駄目押しする。
「う~ん。分かった。分かったけど貴女達全員、今後その姿でギルドに入ることを禁止します。変な男連中が集まって来るから止めてちょうだい」オランさんの言葉に不満が出た。
「「「「ブーブー」」」」4人から文句を言う。
「リオンが恨まれるでしょう。ただでさえ貴女達は人気有るのに、これ以上人気に火が付いたら貴女達の誘拐事件まで起きてしまうでしょう。そんな事になっらリオンが困るんだから。分かった?」オランさんがなだめるように言うと
「ならしょうがない。私達はリオン1人の者だからね」アルネが納得したのか頷く。
「リオンさん、ライズ辺境伯にもこの姿見てもらっても良いですか?」
リーンハルが珍しく聞いて来た。
「いいよ、アルネお願い出来る?」
「お、楽しそう!! 行こう行こう」
そう言うと4人で空間移動を行い執務室から姿を消す。
台風が去った執務室でオランさんと向き合う。「オランさん無事戻って来ました。オランさんの手紙のお陰でだいぶ話が進みした」
「良かったよ。エンリールがうるさく、リオン達をリュックニーに欲しいとせっつかれているよ」オランさんが困ったような嬉しいような顔で教えてくれた。
「やはりリュックニーは四聖獣教団と言うならず者に乗っ取られていたらしいですね。僕達がリュックニーに付いたばかり頃のギルドマスターまで絡んでましたし」
「うん、エンリールの報告書を呼んだよ。リオン今回は有り難う。自分達の目的をわざわざ止めて私達に協力してくれて。感謝のしようも無い」
「いんです。僕も、もっとも大切な目標を達成しましたから」
「そう言えば、モンナ王妃のご懐妊は聞いたか?」
「昨日、ハマイルさんから聞きました」
また、モンナとタイナーの話題で少し盛り上がる。
「オランさん、相談良いですか?」
オランさんの顔がマスターの顔に戻る。
「僕はテイマーと魔法戦士の職を辞めようと思います。職を外す神官を知りませんか?」
「何だテイマーを辞めるのか?」オランさんの顔が厳しい。
「職業をやめるだけです。テイマーでなくてもテイムできます。職業が鬱陶しくなってきたした」
オランさんが困った顔をする。
「ふん、本当規格外だよお前は、普通の冒険者はやっとの思いで身に付けた職業は死んでも手放さないものだぞ」
「私の知る限りでは、剣聖位だぞ。職業を全て捨てて。なおかつ勝ち残った人は」オランさんが残念そうに僕を見る。
「僕はたいした事はありません。剣聖と比べられると少しこそばゆいですね」
「ま、お前が決めた事だ。止めたりしないよ。猟師のババヤと言う人がいる村に神父がいる、その人に頼むといい、彼はギルド付きの神父だ。どうせ知り合いだろう?」
「そうですか、有り難うございます。神父のマシュ―さんなら良く存じています。この後行ってみたいと思います」
「何だライズ辺境伯には顔出さないのか?」
「ライズの楽しみをとるような真似は出来ません」
オランさんが声を殺して笑う。
「ああ、リオン。忘れてた。タイナー殿下からリオン宛の依頼が来ている。首都ギルドに行ってもらえるか? それとビルルマに行く前に教えてくれ、リーンハルとルーニーの昇格の手続きをするから」
「処で2人のランクはCランクですか?」
「そうだ、でもビルルマに行くだけでもギルドマスターからの推薦は3つそろうはずだよ。あの2人は、リオンお前より優秀かもしれないな」
「何言ってるんですか?そんなの初めからわかっていた事ですよ。僕はあの2人を本当の天才だと思っています」
「フム、リオンをしてそう思うか。良いことを聞いたよ」
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