第175話
僕達がホルスメン大陸中央ギルドに喧嘩を売った事に、全世界のギルド驚愕をもって各国に伝えた。
そして中央ギルドの最高責任者達は驚愕した。直ぐに魔王登録されている者達全てにギルドを守るように通達を出す。
彼らは勘違いをしていた。ギルドが彼らに要請すればギルドは守られると、ギルドはそれだけの事を彼らにしてきたと。
各魔王たちからの返答が来た。
若いギルド職員が最高責任者達のいる部屋に入る。
「報告します。各魔王達より返答がありました。
第一魔王 前田 流言より、戦闘により両腕を損傷し、戦えない状態の為、要請を拒否する。まして、あのリオン レイス レインを相手にするなど命がいくつあっても足りない。無駄な事はしない。
第三魔王 ガンス マイルより、弟子が怒る事をしたギルドの責任。てめぇらが責任を取れ。俺の弟子はてめぇらが思うよりやべーぞ。
ガンス マイルと行動を共にする、第八魔王 マルチーズも同意見と申請あり。
第四魔王 ロンバート リカリオ殿は魔王を引退する意向を示しており、今回は返答無し。
第六魔王 メルニ ナンク マンチャタはリオンと対戦しすでに敗戦している。リオンがギルドを敵として見るなら、マンチャッタ国もギルドを敵とする
第7魔王はあいかわらず居場所がわからず、連絡も付きません。
以上、6名の魔王より協力をいただけません出した」
「ふざけるな」「くそ」
最高責任者達の嘆きが聞こえる。自分達がしてきたと事に絶対の自信があったのだろう、その絶望に、誤った判断をする。
中央ギルドに全ての戦力を集め、僕と対決することを決めた。
たかだか、5人の冒険者だ。数十万人の人で押し潰せ。それが彼ら最高責任者、3人が出した結論だ。
◇◇◇◇◇◇
僕が通った後は、死体しか無い。悲惨な状態だ、でもそれは仕方ない。
僕が怒ならないと、いけない事をした連中が悪い。
例え何千の冒険者と兵士が歯向かうと、この程度の奴に僕が負ける気もしない、恐怖した冒険者や兵士が逃げ出す。だか、逃げ遅れた者は僕によって全て惨殺された。
兵士や冒険者達に、この行動がどう捉えられただろうか?
ただの殺戮者が現れたと思われるだろう。
兵士と冒険者達が暮らす村が見える。皆、命からがら逃げ出す。
逃げ遅れた者は全て姿を消す。そして歩き続ける事、3日。ホルスメン大陸中央ギルド本部がある。都市に来た。
都市を守る城壁から、魔法使いと弓を持つ者達がこっちを見てかまえている。
城壁までおよそ100m。短詠唱を始める。
「ファイアーバード×10」
巨大な火の鳥が上空に現れる。結界魔法を唱え、氷魔法で防護壁を築いている最中、巨大な火鳥が、城壁を襲う。
激しい爆発により城壁が吹き飛び、護っていた冒険者や兵士達が吹き飛ぶ。
ぽっかりと開いた城壁の穴に向かいゆっくりと歩いて行く。城壁まで来た時に1人の冒険者にあう。
黄金の派手な鎧を来て、宝石で装飾された大斧を持ち、偉そうに構えている。
「貴様がリオンか?好き勝手…」
一気に近づき男を上から真っ二つに斬る。
「君は、邪魔だよ」
周りいたもの達が、波が引くように僕のまえから消えていく。人垣が割れ、恐怖の余り失神するものまで出てきた。
城壁の中に入ると中央に巨大の塔がみえる。
あれが中央大陸ギルドの建物。
僕が手を前に出し、ファイアーランスを唱え、住居区の建物を破壊していく。道を曲がること無く真っ直ぐに塔に向かう為だ。
倒れた建物から沢山の人が現れ僕に文句を言う。何故、家族を巻き込む、無関係な者を巻き込む。力で支配するな等と。
「貴方達が先に僕の家族を巻き込み、無関係な者を殺し、僕達を力で支配しだろう。
同じ事をやっているだけだ。恨むから、貴方達自身を恨め、能力の無い最高責任者を恨め、自分達がしてきた事を恨め」
僕の言葉に憤慨した者、うつむく者、恐怖する者等様々だ。
そんな連中をよそに、短詠唱をとなえる。
「ウインクロス」
ファイアーランスで破壊した建物を、風魔法で吹き飛ばす。そしてまた炎の魔法で建物を壊す。その繰り返しで中央ギルドの建物に来た。
鎧を着こんだ。若い男が出る。
金色の髪に、淡いブルーの目、線は細いが強さの象徴のような大剣を持ち、僕前に立ち塞がる。
「最高責任者はすでにここにいない。これ以上の争いは不要だ。我々中央ギルドは解散する。
それで許して欲しい。君の行動はわざと目立つ行為を行っているが兵士と冒険者以外は誰も死んでいない。
つまり、最高責任者が行った事に文句があるのだろう。その最高責任者は、和議に逃げた。転移魔法石を使ってな」
「そんな事は僕の知ったことではない。そいつらが和議に逃げたなら、和議に行って和議を潰すまでた。邪魔をするなら君も消えてもらう」
「お前が言うと真実味がある言葉だ。
取引しよう。最高責任者の3人は我々が始末する。
和議に関しては我々は関与しない。それでこの街を解放してもらえないか?
お前1人で1時間もかからないだろう。こんな街等。
だか、俺からしたら生まれそだった街だ、お願い出来ないだろうか?」
「僕の言葉が聞こえなかったか?
僕の邪魔をするなと言ったんだ。邪魔をする奴は誰であれ、全て潰す。それがたとえ、目に見えない者でもな」
黒ずくめの集団と、目に見えない者が集まる。
魔力を解放して、威圧をかける。弱い者、抵抗力の無い者から次々と倒れる。そしてみな、武器を落とし、気を失い出す。目に見えない者達も姿を表し倒れて行く。
「おい、下らない事をすると、1時間とかからずに全てを失うぞ」
僕が若い男に声をかける。
男もかろうじて僕の威圧に耐え立っていた。
威圧の威力に負け、建物が崩壊を始める。巨大な中央の塔が音を立て、後ろに崩れ始める。
出てきた男の首を跳ねて辺りを見渡す。
「さあ、責任を取ってもらう。
まだ、抵抗する奴はいるか? いくらでも相手になるぞ」
僕の威圧が効いているか誰も返事がない起き上がって僕を見る者が数名いるが出てくる気配がない。
◇◇◇◇◇◇
「すまない。私は中央ギルドのマスターをしている、巻田 信玄と言う。この騒ぎは、私が預かろう」
40代の男が出てきた。この威圧の中、涼しい顔をしている。
「ギルドマスター? このギルドにもマスターがいるのかな?」僕が聞く。
「ギルドが有る国のギルドマスター達が交代で担当する。
私は和議の朱名(シュナ)の国のギルドマスターだ。今、私がこの中央ギルドの統括をしている。
と言っても特に権限もないお飾りだけどな」
「最高責任者は、何をしている?」
僕が居場所を確認する。
「あのじいさん達か? おそらく和議に逃げた。それと先程、各国の首都ギルドから連絡があった。オーヂエン、ナーラ、アルメニア、ガレシオン公国、ダンサール、マンチャタ、魔族の国等々。
全ての国がリオン、お前を支持した。
じきに和議の国の将軍がくるだろう。ちなみに将軍ってのは国王の事を言う。
ドワーフの国はリオンに侵略されないように、もし和議に向かうなら通路を準備して、送り出すと返答してきた。
魔族、ダンサール、マンチャッタは各国王の判断により、必要があれば中央ギルドと一戦を交える事も辞さないと報告が来た。
つまり、この行動はすでに君1人の問題じゃ無いんだよ」
ギルドマスターの巻田 信玄と話しているとマンチャッタ国王メルニ ナンク マンチャタとダンサール国王サンベルシュ リカリオが複数の側近を連れ現れる。
「おい、リオン。暴れるなら俺達も呼べよ。みずくさい」メルニから怒られてしまった。
巻田 信玄が頭を抱えメルニとサンベルジュを見る。
「お二人とも、速すぎます。今、納めますので今後の対応はギルドに任せてください。
間違っても和議の将軍を狙わないで下さいね」
「和議の将軍がくるのですか?」
僕が巻田 信玄に確認する。そもそも、四聖獣教団などを野放しにした事が許せない。
巻田 信玄と話をしていると空間転移魔法で誰かが到着した。
赤い鎧兜に身を包んだ女と黒の鎧兜に身を包んだ男。まだ10歳にも満たない男の子と老人が3人だ。
巻田 信玄が男の子の元に行くと平伏した。
「殿、わざわざお越し頂き、感謝いたします」
挨拶を終えると2人で何か話し合っていた。
殿と呼ばれた男の子が僕の前にくる。それを見ていたルーニーが僕前に飛び出し男の子を止める。
男の子がしっかりとした口調で僕達に挨拶をする。
「段上 金時 宗晴(ダンジョウ キントキ ムネハル)と申します。
和議の国、64台目の将軍です。此度は、我が家臣、3人が大変ご迷惑をおかけいたしました。
家臣の過ちは私の過ちです。申し訳ございません」
「貴方が将軍ですか?」
「はい、まだ8才ではありますが。和議を任されております」
僕が平伏し挨拶を行う。
「失礼しました。僕はリオン レース レインと申します。
しがない冒険者をしております。わざわざ将軍様にお越し頂、ありがとうございます。
僕がこのような事をしたのは、和議の国の千人大将の男が、そこに隠れている中央ギルドの最高責任者、3名と共に僕の家族の命を奪おうと企み、行動に移した為です。
和議に恨みはありませんが、必要に応じて攻め込む積もりでおりました」
「わかりました。この3人は私の後見人でもあります。この3人と共に我が命を持って和議を許してはもらえんか?」
将軍がそう言ってくる。流石に男の子は何も知らないはず。そんな子に命を差し出すと言われても困る。
「いえ、将軍様のお命は不要です。こんな年端をいかない子を殺しては僕も目覚めが悪い。
ただ、後ろにいる。3人について許す事が出来ません。企てた事がばれると力ずくで倒そうとする。それが出来ないと思うと自分達だけ助かろうする。
そんな恥知らずは不要でしょ。こちらに引き渡してもらいたい」
赤い鎧を着込んだ女が前に出てきた。
「私は副将軍の前田 京の条 雪と申す。この3人については我が和議にて処刑を行う。
すまないが、我らの恥をよそ様に処理させる訳にはいかない」
メルニ ナンク マンチャタが前に出てきた。
「話は聞かせてもらった。俺はマンチャッタ国王のメルニと言う。
このリオンは我が国のほかに、複数の国の守護者になっている。その為、リオンが怒ればそれは我らが国の怒りであり、リオンが笑えばそれが我らが国の喜びである。
どうだろう。お互いの主張を織り交ぜ処刑は和議の国に任せる、但し、処刑を行う時は、リオンと俺が立ち会う。
双方、それで手を打たんか?」
「わかりました、メルニ。暴走してしまい、すまなかった」
メルニに謝る。
「では、将軍は何も無くてよいのか?」
副将軍の前田 京の条 雪が聞いて来た。
「問題無い。本当は四聖獣教団を野放しにしている事が気に入らないが、そんなことを言っていたら収まりが付かない」
そう、説明する。
「四聖獣教団は任せてもらいたい。我々の力で全てを潰す。私、前田 京の条 雪が約束する」
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