第10話
辺境伯とランバートさんがギル マルスと有った日の同日 首都アラドの王宮にて。
謁見の間に、スカルプ ダシャナ。リーナ ダシャナ。ベリス ダシャナの3人が頭を下げ国王の到着を待っていた。
スカルプ達は本日、王宮に呼ばれた事を爵位に関する事だと思いめかし込んできた。
「国王陛下のおなりです」衛兵の声がして、みな平伏して到着を待つ。
国王夫妻が到着し、椅子に座る。 スカルプがうやうやしく挨拶をする。
「太陽たる国王、タイナー サバス イーヂエン様、麗しきモンナ ツエン イーヂエン様、本日はお招き頂きありがとうございます」 スカルプ達がさらに頭を下げる。
衛兵が前に出た。 「これより、国王陛下のお言葉を伝える」
「スカルプ ダシャナを爵位拝命を取り消しとし冒険者としての資格を取り消す。
また、まだ残るモンスターが有れば全て取り押さえ抹殺し、これまで与えていた住まいを没収する。 首都に住むことは問題無しとして一回の領民として1からやり直すよう命じる」
「以上を持ってスカルプ ダシャナを王国付きテイマーとしての資格を停止、今後王宮への出入りも禁止とする。陛下の言葉は以上となる」
スカルプの顔が酷く驚きを示し妻リーナは生気を失っている。
「陛下、失礼ながら理由をお聞かせください。このスカルプ全力で今まで陛下をおささえしてきたつもりです」
その言葉に妻のリーナが続く「そうですとも陛下、今までどのような問題も我々家族がおささえしていたはずでございます」
国王のタイナーが面倒臭そうに姿勢を正す。「スカルプ、お主のドラゴンは何処に行った?」 スカルプが冷や汗をかき弁明する。
「ドラゴンは現在捜索中です。それより何故陛下はドラゴンをそんなに必要とされるのでしょうか?」
タイナーが怒った「お前の能力は何だ。お前が初めて私に言った言葉を覚えているか?
その言葉から、たかだか数年で私に言った言葉をたがえた?
正直私は失望したよ。何故リオン程の実力者を殺そうとしたか不思議でならない」
スカルプが震えながら「恐れながら、陛下にお伝えした言葉に今も違いは有りません。私達は今も代わらず陛下にお仕えしております」
「スカルプ、その時の言葉を、私に伝えた言葉をもう一度申してみよ」
スカルプの緊張がみんなに伝わる。 「はい…私スカルプ ダィシャナはオーヂエン 国の為に全身全霊をかけ私の全力を持って尽くす事を誓います」
「スカルプよ、お前の全身全霊はドラゴンから見放され、テイムしたモンスターから見放されることか?」
「いえ、陛下。私にもう一度チャンスを下さい。逃げたドラゴンを再度従えてこの国に貢献したいと考えます」
「お前1人でドラゴンをテイム出きるのか?ドラゴンはお前ではなくリオンになついていた。誰が見ても明白な程に。私は正直にお前では無く、リオンの存在が惜しくてたまらない」
「陛下、陛下程の方が何を申しますか?リオン等私どもの足元にも及ばない。テイマーとしては最低の能力しか有しておりません。何故あのような者を重宝されるのか私にはわかりかねます」
「ほう、貴様は私に意見して、なおかつ自分達の方がテイマーとしてもより優秀だと言うのだな?」
「はい、私はドラゴンまでテイムした者です。自分で言うのも何ですが、始祖依頼の能力を有してと自負しています」
「スカルプ、その言葉を忘れるな! 私はこれからアメール村に向かう。お前も動向するように。その間お前の妻と子供は牢獄に投獄する。処遇は貴様が私に言った事を検証した上で考えよう。それまで妻と息子は人質だ」
「陛下?妻と息子を投獄とはどういう事ですか?」
タイナーが怒りを抑え「何だ。リオンはお前の息子では無いのか?
お前がリオンに何をしたか私が知らないとでも思って要るのか? 何ならお前の妻と息子に同じ事をしても構わないが、この2人は生きて行ける力の有るか?
どうだこれから試そうか?」
「いえ、申し訳ございません」スカルプが震えながら、謝る。
くそ、リオンと一緒にするな、あんな出来の悪い奴等私の子供では無い。
「そうか。要するにお前はリオンを馬鹿にしてはいるが実力は認めている。そのリオンより弟が弱い、だからライナー達のように襲われたら一溜りもない。
だから対戦する事すら出来ないのだな?
別に闇討ちさせたりはしないぞ。お前と違うからな?」
「く、なれば陛下は何をお望みか?」
「お前の不遜の息子と正騎士2人の対戦だ。リオンは12歳の頃、すでに正騎士2人を相手し怪我をする事無く対戦した。同じ条件でベリス ダシャナと対戦させよう」
「陛下、何故そのような事を、リオンはそもそも能力が無いため首都を出ただけ、何故、私の家族がこのような目になるのでしょう」
「だからだ。リオンが能力が低く、使いものにらならい奴だとお前らが言うが、大方の意見は逆だ。
お前達家族こそが、使い物にならず、お荷物だと知っている。違うと言うなら、それをお前が証明する必要が有る」
「ならば、その証明が終わってから投獄を決められたらよろしいかと思います」
スカルプの怒りが頂点に達した。
「お主はほとほと勘違いをしている。私の言葉を何だと考える? お前がこれ程私の言葉をさえぎるからにはそれなりの代償が必要だぞ」国王 タイナーが怒りでスカルプを威嚇した。
「申し訳ございません」スカルプが震える。
「ではこれよりベリス ダシャナと正騎士の対戦を命ずる。ベリスが認められたらベリスとお主の妻の命は生かそう、ベリスが情けない姿を見せればこの2人は斬首刑に処す」
「陛下、なれば私が立会人をしたいと存じます」
「駄目だ。リオンとベリスの違いを知る者に立会人をさせる。その者は私とリオンの対戦すら立会人を行った。公平な目で行う」
「まさかリオンめが陛下と対戦を、知らないこととはいえ大変失礼をいたしました」
「別に謝る必要は無いぞ。私は実力が有るものにチャンスを与える。口先だけで得するのは許すつもりはない」
決闘場にベリスが現れる。刀剣など持った事も無いのだろう
「こんなことはリオンがやればいい。僕はテイマーだそ。こんな理不尽なことをするなんておかしい」そう言って腐れる。
正騎士が2人来る1人はフェイスガードをつけ誰かわからない。
フェイスガードを着けた正騎士が「テイマーは強く無いとテイムすることも出来ないのだろう。
お前がどれだけ出来るのか確認しよう。心配するな。リオンはお前と同じ年にはこの私より強かったぞ」
ベリスが怒りに震え「リオン何かと一緒にするな、不愉快だ。あんな出来損ないと違う。俺はこの年でワイバーンすらテイムしたほどだぞ」
「ひとつ聞く。それは、モンスターを倒したリオンに助けを求めたワイバーンをお前が勝手にテイムした。つまり、ルール違反を行ったのでなか?」
「フン、そんなこと関係無い。テイムしてしまえばこっちも物だ」
王妃が来て今の話しをスカルプに聞く。 「スカルプ今の話しは本当ですか?」
スカルプが顔を下にして何も言えずにいる。 王妃が対戦を承認した。
「スカルプ、お前には再度話しを聞こう。先ずはベリスと正騎士の対戦を行う。判定は私が行う」
ベリスが笑いながら王妃に文句を言う「王妃、剣すら持たない方が立会人ですか?それで本当に正確な判断が出来るのでしょうか?」
スカルプが真っ赤な顔でベリスを怒る「この馬鹿者、王妃はBランクの戦士だお前程度が何を言っている」
ベリスが驚いて王妃をみる。
王妃が手上げ宣言した「これより対戦を行い私が立会う。その為相手が負けを認めるか私が止めるまで対戦を止めるとこを禁ずる。それで始め」
結果は明らかだった。フェイスガードを着けた正騎士が一気に攻め。一刀のうちにベリスは負けた。木剣の為、死にはしないがそれなりの怪我はしたかもしれない。
スカルプから申し出が出る「その、フェイスガードを外して頂きたい。正騎士以上の者を呼んでいないか確かめたい」
正騎士がフェイスガードを外す。スカルプが驚き声を無くす。
「スカルプよ。私は幼いリオンに本気の対戦を行いそして負けた。だからこそ冒険者としての夢を諦めた。
それ程の実力者を勝手に首都から追い出し。なおかつ殺そうとした、先ずはその言い訳を聞こうか? これまでのお前の愚行をどれだけ私が目をつむったと思っている?
もう少し自分の実力を知る必要が有る。お前もアメール村までこい。そして真実を知れ。それが叶わぬなら、お前に家族との時間は無い」
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