第9話

「オラン、リオン本日は大義であった。これ程優秀なテイマーに会ったのは初めてだ。オラン礼を言う。リオン…」突然、まわりがざわめく、辺りに緊張が走る。


ワイバーンが辺境伯の領地の上を飛んでいる。 「辺境伯、あのワイバーンは僕の知っているワイバーンです。ここに呼んで良いでしょうか?」


僕の真剣な表情が伝わったのか辺境伯が了解してくれた。


指笛をふく「ピープーピー」


ワイバーンが「ゴーゴー」と返事をして降りて来た。 ワイバーンが降りて近づき顔をうめてきた。辺境伯とオランさんが怖がっているが無視してワイバーンの話しを聞く。


ゴーゴー「大変だよ。スカルプのドラゴンがリオンに会わせろって、アメール村に押し寄せて着たんだ。今はランバートって言う人が何とか押さえている。どうしてらいい?」


「わかったか。でもどんなに急いでも4週間はかかる。ドラゴンに4週間待つように伝えて欲しい」

自分の服の袖を切り取るとワイバーンの首に取り付ける。その袖に手紙を付けて渡す。


「頼まれて欲しい。首につけたのは僕の服の袖だ。最初にランバートに袖に着けた手紙を渡して欲しい。それからドラゴンに僕が村に戻るまで村から離れた場所で待つように伝えて欲しい。出来るかな?」


ゴー「わかった、それだけでいいかな?」


「うん、危険思いさせてごめんな」


ゴーゴー「そんな事無いよ。リオン、僕たちを大事にしてくれてありがとう。ドラゴンもそれがわかるからこんな事をしただけだから、ドラゴンを怒らないでね」


何かほっこりする。人よりモンスターの方がよっぽど人のらしいよ。

「約束するよ。ありがとう。君に会えたことは僕の宝だ」


ワイバーンが嬉しそうに顔があった刷り寄せてから帰って行った。


辺境伯とオランさんに今の内容を伝えるとライズ辺境伯が「馬を出す。オランお前も一緒にこい、ドラゴンがこの辺にいるのは領地の危機になるが、見方だとわかれば内外に良いお触れとなる」ライズ辺境伯が政治家の顔になる。


辺境伯が「リオン、お前に領地を与える、それと私に協力しろ」 そう言って来た。だが僕は1人で生活する力が無い。先ずご飯は作れない。洗濯も苦手、おまけに買い物も自分でしたことが無いくらいのお坊ちゃまだ。


「辺境伯、この騒ぎがおわってから相談してもよろしいでしょうか?」

ヤベーどうしよう。1人で生活できないし。領地もらっても人を雇う余裕もないし、問題だらけだ。まして領民を養うなんて考えた事も無いよ。


良質な馬が来た。おまけに自身の騎士団だろうか約100人の騎士が揃った。


流石は自ら兵を挙げて敵を討伐する伯爵として名を馳せるだけはある。


「辺境伯、この度は有り難うございます。急ぎ向かい対応致します」

辺境伯はすでに馬に股がっていた「礼は後で申せ、今は問題の解決が先だ」 馬をかけアメール村に急ぐ。


その時、ワイバーンがアメール村に付きババヤさんとランバートさんに合う。


ランバートさんに手紙を渡す。


ドラゴンに近づくとリオンの服の切れ端を嗅がせる。 「リオンに会ったのはのだ、何か言われたか?」


「これから来るけど移動に4週間かかる、暴れずに待ってて欲しいって」ドラゴンが考え事を始める。


ランバートがドラコンに会う。「主はいるか。リオンから手紙を預かった、話しがしたい」


ドラコン達が威嚇をする。その中の一番大きなドラコンが出て来た。このドラコンはこの辺一帯のドラコンを統括している。

真竜と言われる強いドラゴンだ、このドラゴンを手なずければ外のドラゴンも落ち着く。


「呼んだか?」真竜が出て来た。

「人の言葉を話せるのは助かる。リオンから手紙が来た。俺と話しをしないか?」


ドラコンがいぶかしげに見る

「貴様と何を話す。我々の要求はリオンに合わせろと言っているだけだ。」


「慌てるな。そのリオンがお前達に伝言をよこした。嫌なら読まないがどうする?」


「リオンの伝言か、本当か?」


「信じる信じないはお前らの自由だ。聞くか聞かないか、教えて欲しい」


真竜が答える「我々と取引しようなど下らんことは考えない事だ」


ランバートも負けていない「取引じゃ無い、但し。話しを聞かないなら仕方が無いが、今後、討伐隊が次々送られて来る。リオンはそれを恐れている。どうだリオンの為にも話だけ聞かないか?」


真竜が難しい顔でかしげる。

「ふん、聞くだけ聞いてやる」


「わかった、リオンが心配しているのはお前らが暴れる事で討伐隊が編成せれることだ。もしおとなしくしてくれので有ればリオンがお前達の事を面倒を見てくれるらしい。悪い話しじゃ無いだろう?」


真竜が答える「それだけでは無理だ。私とてそんな簡単な事でよければこの群れを押さえることも出来る。だか、子奴らはまだまだ若い者が多い。それだけでは子奴らを納得させるのは難しいぞ」


「なら俺達のお客になれ。そうすれば俺がお前達を守る事が出来る。お前達は自分の食糧を調達してくればそれで良い。悪い話しじゃ無いだろう?」


真竜が笑いながら「客だと?お前変わった事を言う。覚悟は有るのか?」


「任せろ、リオンの家族は俺の家族だ。誰が来ようが家族は絶対に守る。そしてリオンにちゃん会わせる」


「そんな約束をして良いのか?」


「心配するな。こう見えても元Bランクの冒険者のパーティーが、このギルドで働いている。お前達を困らせる事は無い」


「がははははは。お前面白いな。気に行ったぞ。人族のランクなど知らぬがお前の処遇はリオンと話そう、この言葉は契約だ。お前との契約を果たそう。真竜の契約は全てのドラゴンが従うものだ。リオンを待とう」


「助かるよ。やっぱりリオンは凄い奴だな」


真竜も笑いながら「そうだな。あいつは不思議な奴だ。何故か我々もあいつが好きだ。本当、人族ではなくドラゴン族だったらどれ程良かったか」


リオン達が辺境伯の領地を出て3日後、アメール村にまぬかれざる客が来た。その3人は回りの人を蔑み、アメール村の人達を汚い物を見るようにしている。


アメールのギルドに顔を出し命令口調で物を言い、回りの人を自分の奴隷のように扱う状態にギルドの受付嬢のサンリューチュさんが怒ってしまった。


サンリューチュさんが酒場で休んでいる行商人のハマイルの席に座り仕事を放棄してしまった。その様子にたまらずギルドマスターのランバートがさん出て来た。


ランバートが怒りを押さえ冷静に話す。

「申し訳ないが、ここはあんたらの家じゃ無い。好き放題やりたいなら帰ってもらえるか?」


家長と思われる男が尊大な態度で声を上げる「私は首都で爵位を受けるスカルプ ダシャナと言う。貴様らも名前位は聞いた事が有るだろう。私のテイムしたドラゴンがこの村にいると聞いてやって来た。落ち着くまでここを私達の拠点にする。感謝しろ!!」


ランバートの怒りが頂点に達する。

「おい、お前」ランバーがスカルプの胸ぐらを掴み睨みつける。


「お前が何様か知らんがここは我々ギルドが管轄している地域だ。何処の馬の骨とも知らん奴が威張ってんじゃねぇ。

大体、ドラゴンがこんな村に来て戻らないなんて、テイマー失格だろう。良くそんな恥ずかしい事を堂々と言えるな?」


「ふざけるな。私はAランクの冒険者だぞ。お前達のような者につべこべ言われるいわれは無いぞ」


ランバートがスカルプをまじまじ見て呆れたように話す。

「良くこんな弱そうな奴がAランク入りしたな。どうみてもお前達はDランクだろう。首都のギルドは見る目が無いな」


スカルプが顔を真っ赤にして

「不愉快だお前達行くぞ」そう言って連れの2人を連れて出て行った。


その3日後、早馬に乗った辺境伯の私兵がギルドに到着した。


辺境伯からの手紙を持っている。

ランバートと会うとひとしきり話しをした、ランバートが馬を休ませろと言って水と飼い葉の準備をした。そしてその日の夜。旅の神父がギルドで宿を取る。


辺境伯の私兵は馬を3日程休ませ帰って行った。ランバートがサンリューチュ、ハマイル、神父のマシューを夜のギルドに集まる。 久しぶりにパーティー ランナーバードの4人が集まる。


スカルプ ダシャナが来たことで、討伐隊に対する対処が話し会われた。村には元々モンスター対策用の壁や罠が複数取り付けられている。

狙いは辺境伯の到着まで持たせる事。ギルドが守っている地域で有ることを国の隅々まで知らしめる事だ。


そして1週間前後を目処に守る事が出来れば、ギルドの応援を呼ぶことも出来るだろ。ドラゴン達はスカルプには見せる訳には行かない。


辺境伯の領地を出てから2週間でアメール村につく。早馬で無理をしたせいか、馬達が完全にバテてしまっている。


辺境伯の私兵100名も村に入り、すこしごちゃごちゃとしていたが直ぐに目立たない場所にテントをはり、馬を休ませ武器を確認。持ち込んだ食糧を各屋やに運び体制を整える。


首都の正騎士と比べても引けを取らない、寧ろ野外の戦闘についてはこっちの私兵団の方が強いのではないだろうか?そう思ってしまう。


ギルドに入り。ランバート、サンリューチュ、オラン、辺境伯とリオンの5人で話し合いが行われる。


ランバートが「ライズ辺境伯、リオンは凄かったでしょう?」と言って興奮気味に話した。


「ランバート、今回はまともな者をよこしたな。今回は感謝しているぞ」

「今回は? ですか?」フンとそっぽを向いた。


オランさんが「ランバートそんなことより状況を教えて?」


ランバートさんが顔を引き締める

「スカルプ ダシャナが大体10日前に来た。この村でドラゴンをかくまっていると思っているらしい。余り酷い態度だったから追い出してやったよ」


オランさんが困った顔で考え込んでしまう。


ライズ辺境伯が「それに付いてだか国王もこの件に関して偉くご執心だ。おそらく自ら部隊を引き連れてこの村に来るだろう」


「それは流石に面倒だな」みなため息を付く。そんな中辺境伯は何か考えが有るのか


「なあ。今回の問題をわたしに預けてはくれか?陛下とのやり取りに関しては私が一番適任だろう?」


辺境伯からドラゴンに付いて質問が出た

「ドラゴンなら何匹かを残し他は一旦山に帰ってもらった。後で合わせるが俺達のパーティーはドラゴン達を守ると決めた。だから例えライズ シーナ マエン様の意見と言えどドラゴンを見捨てる用の事はしない。万が一の場合は例え元パーティーメンバーと言えど俺達はドラゴンを守る」


辺境伯がランバートをみて「あい分かった。お前は言い出すと聞かないからな。その申し出確かに受け取った」そう伝えた。


オランさんが呆れた様に「本当、ライズが辺境伯になるって言ったら自分も冒険者やめるっていうし、折角Aランクのパーティーになったのに。あんたは冒険者失格だよ」

「フン、俺達はBランクだよ。ライズが凄いから、Aランクになってやったのに。主役がいないのにAランク何てやってられるかよ」


余りの内容にポカーンでして話しを聞いていた。 ランバートさんからドラゴンに合ってくれないかと頼まれる。ギルドの奥に移動すると3人の男女がいる。 でも直ぐに分かった。


「遅くなったね。ギル マイル。カード ハバルとエバー ヤルトも一緒かい。ごめんな、みんなに迷惑をかけて」そう言って謝る。


ギル マイルが「リオン、無事で何よりだ。私達は君の方が心配だったぞ。テイムさせた子供達からリオンの話しを聞いて驚いたぞ」


「ありがとう」

「それよりテイムされてた子達のテイム契約が外れているけど、どうしたの?」


「我々が子供達のテイムの契約を許可した時に条件を出した。スカルプがその条件を破棄したのだ、そのことによりそのテイム契約は不履行となった、それだけだよ」


「そうするとテイムされた子達は自由なんだね。これからの当てなんか有るの?」


「今まで頑張ってくれたご褒美に何処か山ででも移り住んでゆっくりとさせようとと思ってな。それでリオンに合いに来たのだよ」


「そっか。それより僕からも紹介したい人がいる。ランバートさんは知ってるね?」 後ろのランバートさんがニカッて笑う。

ギル マイルがハイタッチした。お互いに気に入ったようだ。 辺境伯とオランさんを連れてくる。


「辺境伯、こちらがこの辺りのドラゴンをまとめている、真竜のギル マイルです。ギル、こちらが辺境伯のライズ シーナ マエン様だ、今回僕に付き合ってわざわざ来てくれた」 2人が握手をかわす。


辺境伯が「上位のドラゴンは人の姿になれるとは聞いていましたが本当なのですね?驚きました」


ギルが説明した「この一帯は古くからいるドラゴンが多くいます。基本的に人に変身する事は無いのですが今回は特別です。スカルプの事もあります。またドラゴンの姿のままでは村人が落ち着きません」


「すこし伺いたいのですが、スカルプの所にいたドラゴン達はすでにテイムされていない状態と考えてよろしいのですか?」 ギルが黙ってうなずく。


「スカルプはまだその様に思っていないようですが?」


「スカルプは契約を自ら破棄した、その為テイムはされていないが、スカルプは自分の立場を気にして要るのだろう。

人間の社会の爵位と言うものに常にこだわり執着を持っている。その爵位に我々が必要なのだと考えての行動だろう」


「良くわかりました。この件が終わった後は何処に行かれる予定でしょうか?」


「私達は人間の国と言う縛りはない。適当なところでゆっくりと暮らすよ」


「もしよろしければ、私はリオンに領地を与えることにしています。貴殿方もそこで暮らされたら良いのでは?」


「嬉しい申し出ですが、人間のいざこざに付き合うつもりは無い」ギルが強い口調で言う。


「私も基より考えては降りません。ただ、貴殿方が動くと何かと目立ちます。後程リオンにも伝えておきます。1度考えて頂きますか?」


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何と順位が700番台まで来ました。(゜ロ゜?

それだけ沢山の方に応援して頂いていると思うと気持ちの引き締まる思いです。o(^-^o)(o^-^)o

読んで頂き有り難うございます。また応援よろしくお願いします。

m(_ _)m

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