102話目

ガレシオン公国の騒動を収め、ルッツ地方の別荘の監修を終えてオージエンに戻ったのは約3ヶ月ぶりの事だった。

ルッツ地方の別荘はやたら面倒くさい状態になった。


アルムの部屋はいい。実際僕の家族だし。僕も来てもらいたいと思う。


何故かタイナーの部屋が有る。何で国王の部屋をわざわざ僕別荘に作る必要があるのかそれが疑問だ?


その他の決定事項として、マルイル宰相が、宰相を辞任。新しい宰相が出来るまでの臨時宰相代理を勤めることになった。


サリンジャー ホォン ビルルマと妻は死刑。執事等そば使えも死罪。出入り業者国外追放。

サリンジャー ホォン ビルルマと中の良かった貴族、男爵2名と子爵1名が取り潰しの上国外追放となった。


そして僕達はマルイル宰相と別れ辺境都市ビルルマに滞在している。ガレシオン公国の前に受けたギルドの依頼。ベリス ダシャナの討伐依頼を完遂するためだ。


ベリスはやりすぎた。


各国のAランクの冒険者を殺したり、アルメニア王国の王女やオーヂエン国王タイナーの暗殺も公言している。オーヂエン国としてはベリスは国家転覆罪で死罪。全世界に討伐依頼が出るまでになった。実際僕としては、弟の討伐依頼は気が引ける。

だが、僕個人への依頼だ。受けると言った以上完遂するしかない。


今は情報収集の為、様々な場所ですリオンについて話を聞いている。何故、自分の事を聞くか? ベリスが僕を狙っているからだ。僕の正しい情報は少なくてもベリスの情報は獲やすい。事実沢山の情報が集まって来ている。


不思議な事だが、僕と会ったこが無い奴にさえ、僕は嫌われているらしい。


そして今日はベリス主宰のパーティーがあり、アルネとルーニーが来ていた。アルネとルーニーは仮面を付け。パーティードレスではなく、軽装のワンピースドレスを着込んで会場にいる。


僕とカーリはビルルマ都市のハマイルさんのお店の奥に部屋を借りてビルルマの拠点にしている。


リーンハルは現在マルイル辺境伯の居城にいて、情報収集に当たっている。


僕達がビルルマに入った事は既に好評してあって、マルイル辺境伯、主宰で武術大会を行う事も噂として広がっている。



今日ベリスのパーティーに行っている、そう聞いてアルネとルーニーが潜入していたが、

戻った2人からは何の収穫もないと言われてしまった。

ベリス ダシャナ主宰にも関わらず本人は不在。取り巻きと思われる男女がパーティーをしきっていた。また目新しい情報も無いらしい。


僕がリーンハルを迎えに行き、ラピスの拠点に全員で戻る。ハマイルさんのお店は個室で寝泊まりするようなスペースがなく、夜はラピスに戻る生活をしている。


リーンハルから武術大会の子細を教えてもらう。1ヶ月後、会場はギルドの研修施設。ビルルマギルド及び辺境伯の協祭。優勝したチームには白金貨 20枚と言う大金が出る。


ただし僕達が出て優勝した場合は賞金は無しだそうだ。


話し合った結果、僕の名前で出場することになった。エントリーは明後日からなので明日は休む事になった。


考えて見るとずっと動きっぱなしで休んでいなかった。明日1日はみんなで羽を伸ばす。首都観光することになった。

首都に行ってもアルムと会うかタイナー達と会うか以外に何もしてない気がする。明日はゆっくり観光しよう。



翌日、みんなで空間移動して首都にくる。ギルドや王宮などには行かず屋台や店舗等を中心に回って歩きディープな首都観光を楽しんだ。不思議と誰も知ってる人に会わなかった、それはそれでさみしいものもある。


翌日、拠点からビルルマにあるハマイルさんのお店に空間移動する。お店からギルドに向かう事にした。


受付でギルドマスターのモンドアルパさんをお願いいたする。


「予約は有りますか?」


「はい、リアンが来たと伝えて下さい」


「お待ちいただけますか?」


待っているとモンドアルパさんが来た。


「お~来たか。早く入れ」2階かれ直接声をかけられる。


「マスター、これから会議が」秘書の人がモンドアルパさんに突っかかる。


「良いよ、そんなの、対した事が無いのに、どうせ今度の大会の事だろう?

文句言ってくるのは基本にベリスしかいないだ。ほっといて良いよ」


「ですけど、Bランクの依頼を受ける人がいないですよ」


「なら心配ない。当分リオン達がいる、やってもらおう」


「え、何をいってんるですか?あんな有名人、こんな田舎に来ないですよ」


「おい、本人を目の前に失礼だぞ」


「は・・・・・・・」


「マスター。変な冗談止めて下さい。私、これでも本物のリオンさんに会ったことあるんですよ」


「だそうだ、リオンのこの子に会ったことはあるか?」


「ごめんね、僕は記憶にないですね」


「え、私もこの方は初めてですよ」


「リオン、すまんな。これも有名税だと思ってくれ」


「仕方無いですね」


「え、エエエエエ~」秘書が驚き過ぎて腰を抜かした。


秘書の方を向いて挨拶する。

「初めまして、リオン レース レインと言います。現在ビルルマに滞在しています。今後ギルドを良く利用すると思います。よろしくお願いします」


「ヒャィ。よ、よろしく、おねが、ップ」真っ赤な顔でどっかに行ってしまった。高いヒールの靴を履いていたけど逃げ足 早!


なんかのスキル?


モンドアルパさんに呼ばれマスターの部屋に入る。


「さあ、リオン中に入って、リーンハルとルーニーも遠慮しないで」


「ダークエルフがアルネさんで獣人属がカーリさんだったね。ビルルマにようこそ。ギルマスのモンドアルパだ、よろしくね。

私はナーラ国の出身でね、ナーラ国では名字を持たない者が多い。


私の事はモンドアルパと呼んで欲しい。


リオン、早速だが、あの秘書みたいに騒いでいた奴。あれ、ベリスの女だ。君がギルドに来たこと、細かい詳細はベリスに伝わったと思うぞ」


「そうですか? 特に問題はありません。それと僕達は大会に出場します。


パーティー名はリオンで登録をお願いします」


「わかった。それと連絡のあった、勇者の盾だが、ビルルマとアルメニア王国との国境近くに、かなりたまっているらしい。


この国境はかなり広い。馬を使って約4日はかかる。


ならず者達の隠れ家にもなっている」


「分かりました。様々な情報を有り難うございます。ガレシオン公国の再建の時も話し合われましたが、勇者の盾と勇者の盾の関係者はほぼ討伐対象です。そのつもりで動きます」


「ところで、マルイル様の様子はどうだ?」

モンドアルパさんが心配して聞いて来る。


「元気ですよ。まだまだ若い者の目の上のタンコブであり続けるって言ってましたよ。宰相辞めなくても良かったんじゃないかって思う程です」


「そっか、元気でいてくれるとそれだけで助かるよ」

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