101話

カンナとトルネールを何とかやり過ごす。


翌日タイナー達を待っていると飛行隊に連れられタイナー、マルイル宰相がやってきた。


王宮の前で僕とカンナ、トルネールと3人で迎える。


その後にアルネに連れられてみんな揃った。


「おはよう、アルネ、カーリ」

「「おはよう」」そう言って2人とハグした。アルネが満足そうな顔をしている。


「リーンハル、ルーニーおはよう」

「「おはようございます。リオンさん」」

2人が同時に抱きついて来た。2人を優しく抱きしめる。


「リオン、お疲れさん」


「お待ちしていました。タイナー」

「紹介したい人がいます」


そう言ってトルネールとカンナを合わせた。

トルネールについては今回の会談前に特別に相談したい事が有ると伝えタイナーとの会談をもうけた。


マルイル宰相に会うと昨日来た、マリクスとレモン副マスターの要件を伝え、僕が提示した僕の条件を伝えた。今日の帰りに辺境都市によって話をすることになる。


アルムと会う。

「リオン、折角なのに羽目をはずさなかったのか?」


「するわけ無いでしょう姉さん。」


「フム、少し面白味の足りない奴だな、誰ににてそんな真面目な奴になった。嫁のいぬま間の心の洗濯は必要だぞ」


アルム、おっさんになる。

僕の知るアルムじゃ無い。ブラックアルムが出た。


カンナがそんなやり取りをみて1人ゴチる

「思ったより敵は多いな。リオン様待っててください」


僕はその時背中に冷たいものを感じた。


お昼前になり、前 ガレシオン公国の王と新しいガレンシオ公国の王により親任式がおこなられる。


新しいガレンシオ公国の王。カンテール フィン ガレシオンによってガレンシオ公国はオーヂエン国の属国となることが承認された。


オーヂエン国から文官が宰相として就任。タイナーの従兄弟がガレンシオ公国の公爵として貴族位を収得。


ガレンシオ公国 聖騎士団、初代団長にトルネール ルッツが決まり、爵位を男爵から伯爵に昇爵。


今後、海の管理をオーヂエン国とトルネールと共同で行い、共同の港を作る事になった。


ガレンシオ公国からの移民については、ここ10年は認めない事として、領民一帯となってガレンシオ公国の復興に集中することになった。


また、海の近いルッツ領に僕、リオン専用の別荘が建てられる事になった。ガレンシ公国の見張りとは名ばかり、トルネールの策にやられてしまった。

カンナはその別荘の管理責任者として僕に仕える事になる。


会談後に王宮地下に有る牢屋に来ていた。目的はサリンジャー ホォン ビルルマとムッシュ リュカ、マンゴーニャ夫婦の息子夫婦を解放する予定だ。


カンナの案内でサリンジャーの牢屋に来た。マルイル宰相がサリンジャーに話しかける。

「サリンジャー、浅はかな考えだったな」


サリンジャーからの返事はなかった。


「お前は良くて死罪、悪ければお取り潰しだ。子供達に言う事は有るか?」


「いや、無い。タイミングを過った、それだけだ」サリンジャーが達観したかのように話す。


「フム、わかった。お前についている商人を探している。一緒では無いか?」


「商人? マルシェ リュカの事か?」


「そうだと思う」


「あいつは一週間程前に処刑された。オーヂエン国に情報を漏らした罪でな。妻と息子も一緒だ。マリクス前 宰相が一生懸命に逃がそうとしていたが皇子達の反感を買ってしまったようだ」


「そうか」マルイル宰相が残念そうに言う。


タイナーとアルム一向は先にワイバーンにのり王都に帰還。トルネールとカンナに別れを告げて1度ガレンシオ公国の辺境都市まで空間移動を行う。


ギルドに入りレモン副マスターをお願いする。


レモン副マスターが奥から出てきた。

「リオン、来たのか? マルイル宰相は一緒かい?」


「ハイ今、外の状況を確認中です。レモン副マスターはマルシェ リュカと言う男を知っていますか?」


「ああ、何度か会ったことはある。冒険者を集める為の資金も提供してもらった。ただここ、1・2週間はみていない。何かあったのかい?」


「マルシェ リュカがアルメニア王国の勇者の盾とつながりがあると噂を聞きました、その事を聞きたかったです」そんな情報は無いがかまをかけてみた。


「そうらしいな。何でもマルシェ リュカのお父さんって人が元々 勇者の盾のリーダーだったようだ。

大分前に辞めて商人になったって聞いた事がある。でもマルシェ リュカは関係無いぞ。あいつはそもそも戦争反対派だし、サリンジャーにもロンリーヌはガレンシオ公国が、かかわならいようにするべきだって。ずっと言っていたし。


馬鹿みたいに、真面目で融通利かない奴だよ」レモン副マスターが少し悲しそうな表情で言う。


「そうか、僕も会って見たかったです」


マルイル宰相がマリクスと一緒にギルドに入って来た。


移民について決定した事項を伝える。2人はかなり落ち込んでいた。


またこの辺境都市の新しい辺境伯としてマルイル宰相の孫、ヒューズ ホォン ビルルマが着任する事になる。マリクスは執行官としてヒューズに仕える事になった。


都市名がガレンシオ公国、北ビルルマ領と新しい名前に切り替わる事になる。


そしてマルイル宰相の私兵、あのままワイバーンに乗った騎士、ハッサン・イェブルが辺境伯爵領 騎士隊長となることが決まった。


そんな中、マルイル宰相からヒューズを妻にとこっそりと打診された話をやんわりお断りしたのは言うまでも無い。

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