103話

大会出場手続きを終えてみんなそろってダンジョンに来た。

ビルルマ都市にあるモンモルナイトと言う名前のついたダンジョン。


変わったダンジョンで、螺旋上の通路を使い、下に降りて行きながら各フロアにいるモンスターを倒す。階層は最深部で10階層。10階層のフロアボスはソイルドラゴン。真竜であるギルと敵対するドラゴンの1人だ。


かなり強力なドラゴンで知られ、ここ50年誰も倒せていないドラゴンでもある。まあ、ダンジョンモンスターだから、倒してもそのうちリポップするだろうけど。


入り口でダンジョン地図を買う。

一階層、ゴブリン

二階層~四階層、オーク

五階層、オークロード

六階層、ミノタウロス

七階層~八階層、オーガ

九階層、オーガロード

十階層、ソイルドラゴン


宝箱一階層~六階層は無し。それ以降は不明。

十階層に秘宝。モンモルナイトの太陽がある。

各階層にゲートがある。一階層づつ上がる事が出来る。


地図は丁寧にかかれてある。最初皆で七階層まで行くことにした。ゲートをくぐり七階層に付く。フロアに入るとオーガを中心にレットオーガもいる。数にして約30。問題無さそうだ。ルーニーとリーンハルがオーガを初めて見たらしく。角、生えてる?とか、でかい等々、思った事を口していた。


「私やりたいです」手を上げてルーニーが言ってくる。

「なら私も!」リーンハルが続いた。


「じゃあ、任せるね。大丈夫。オーガってスライムみたいに倒せるから」


「カーリ、スライムは言い過ぎ。あれは虎族の力とスピード。瞬発力があっての事だから。

でも、2人なら問題無いよ。頑張っておいで」


「「ほ~い」」気の抜けたような返事をして2人がホールに飛び出す。オーガが2人を見つけ構えだす。


ゲートを使い5人の冒険者がでてきた。装備を見る限り、Cランク位だとと思われる。

「おい、姉ちゃん2人でオーガの相手をしてるぞ♪」

「はは、楽しみが増えるな」


ゲート部屋の中で僕達が居ることに気付かないのだろう。下世話な話しで盛り上がり戦利品を誰がとりに行くか話しあっていた。


「面白そうだな、僕もまぜてくれるかい?」


ビクッ!! 皆何かに怯えたようにこっちを向く。

「てめぇ、何者だ?」


「人に名前を聞く前に自分が名乗るのが先だろう?」


5人の冒険者が剣を抜いて僕に威嚇をかけた。

「俺達はビルルマで冒険者をしているテイマーの集団だ。俺達の威嚇で逃げれたやつはいない。お前らの持ってる物全部おいていけ、そしたら命だけは助けてやる」


僕が涼しい顔で聞く。

「威嚇?これが威嚇か?

お前達はまともな人間に教わっていないな。この程度の威嚇、スライムすらとらえる事が出来ないぞ」


「ふざけんな、俺達はAランク リオンのクランメンバーだ。てめぇらみたいな田舎者がでかい顔してんじゃねぇ」


「そうか、そのリオンと言う奴は余程弱いらしいな」

僕がため息混じりにそういって威圧をかける

。5人の冒険者が地面に押し潰されながらこっちをみている。


「これが威嚇だ。テイマーはこの威嚇の技術1つで、モンスターをテイムする事がある。テイマーの真似事も良いが、どうせやるならまともな事をしろ。そうでないと死ぬぞ」


5人の冒険者が苦しそうに泡をはいて気を失ってしまった。その様子を見ていたアルネとカーリが5人の冒険者を真っ裸にして、着ている装備を燃やしてしまった。


その後、5人全員を縄で繋ぎゲートにのせると一階に移動してゲートから下ろし放置して戻って来た。


「やり過ぎじゃない?」

そう聞くと「リオンが優しい過ぎるの」と怒られてしまった。


そんな騒動があったが改めてホールを見る。30体近くいたオーガがもう10体程になっていた。2人とも少し息が上がっているように見える。


2人の連携プレイは凄く全体の中から数体のオーガに標準を会わせ1対2の体勢を作りルーニーとリーンハルが交互に止めをさして倒していた。


「あの2人凄いね。連携うますぎ」アルネが思わず声を出して驚いていた。


3人で、ルーニーとリーンハルの対戦を観賞しているとまたゲートが動き3人の冒険者が出てきた。


「おい、お前ら聞きたい事が有る?ここに5人の冒険者が来ただろう?そいつらどこに行った?」


カーリがイラつきながら「お前ら! 口の聞き方も知らないの? そん奴に何を教えてやる必要がある」


「おい、そこの女!! 大人しく言う言うことを聞いた方が身のためだぞ。俺は…」


「俺はAランクのリオンのクランメンバーだって。聞きあきたよその言葉」

アルネが遮る様に声を挟む。


「分かってんじゃねぇか? 逆らったら後悔するぞ」


「そう、どう後悔するか教えてもらいたいもんだね」アルネが無詠唱で黒鎖を放つ。


出てきた3人の冒険者が捕らえられ横たわりながら文句を言っていた。


オーガを倒し終えたルーニーとリーンハルがやって来た。


「どうしたんですかこの3人。」「もしかしてアルネさんのお尻を触ったとか、ありえな~い(笑)」


「私のお尻触ろうなんて度胸が有れば敬意評して殺してやるわよ」呆れ顔でアルネが話す。


地図を見てるとリポップする時間が書かれてあった。オーガ部屋30分。


それを見たカーリが3人の冒険者をホールの真ん中に引きずって行き転がす。


「あんた達、ご自慢のリオンが助けに来るんでしょう。リポップする時この鎖解いてあげる。自力で助けを求めるのね」


3人が涙目で何かを訴え来る。

「君たち、効きたい事が有る。ベリス ダシャナを知ってるか?」


「モゴガコ」


「アルネ、この真ん中の男を喋れるようにして」


「ベリスとあんたは何の関係がある」


カーリが近づいて来て真ん中の男の右足を踏みつける。


「もう一度聞く。ベリス ダシャナは知っているか?」


「知っています。ベリスは俺達のリーダーでアルメニア王国の勇者の盾の幹部だ」


「勇者の盾に付いて知ってることを教えて欲しい」


冒険者の男がためらうがカーリにみらまれて話し始める。


「昔はまともなパーティーだった。初代のパーティーリーダーが辞めてから路線変更して、何でも屋みたいになった。人殺しや窃盗何て当たり前だ。そこら辺の盗賊を全て倒して最初は嬉しかったけど、今じゃ盗賊の頭目だよ。

ベリスも最初はそんな盗賊に襲われた1人さ。でもあいつは強かったサーベルウルフをテイムすることに成功して次々武功を立ててあっという間に幹部の1人に登り詰めた


それで勇者の盾からここビルルマを任されたのさ。あいつならSランクも夢じゃない。俺達はそう思っている」


「それでそのベリスが狙っているリオンのパーティーメンバーだと、自分達が言っているは何故だ?」


「ベリスは認めて無い。別の勇者の盾の幹部がそう名乗らないと怒る。だからそう言っている」


「そうか。そろそろ時間だな。僕達はこのまま次に行く。それじゃあごきげよう」そう言うと冒険者達をリポップしたオーガの群れに残し移動する。

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