第147話
キュートビッヒの爆弾発言のあと、キュートビッヒの空間移動魔法でアルネ達のいる拠点に来る。
「おばちゃん、何でリオンと一緒にここに来たの?」
「あー、アルネ。お前さんからも言っておくれ、この若造は何にも“年より”の話を聞いてくれないだよ」
キュートビッヒがアルネに事の詳細を話す。
アルネがキュートビッヒに諭すように話す。
「おばちゃん。リオンは、おじいちゃんとも、もめたのよね。おじいちゃんの名前出したら余計に行かないわよ」
ん、アルネさん。全く違う方向に話を進めていませんか? て言うか、僕を売るつもりでしょう。悪い顔してるもの。
「じゃ、アルネが説得しておくれ。あんたの結婚式に必要な儀式が行え無いんだよ」
「何が必要なの?」アルネがキュートビッヒの手を取って話を聞く。
「シールズマウンテンの卵だよ。ロンバートから聞いたよ。あんたの旦那4人と結婚するんだってね。シールズマウンテンの卵の殻から作るリングは永遠の愛を誓うリングだ、それをどうしてもね」キュートビッヒが僕を見て嘘泣きをする。
アルネが上目遣いで僕を見てるし。最悪。
「わかったよ行けば良いのね、行けば」投げやりに言う。
「いや、あんた1人じゃ駄目だ。そっちのお嬢ちゃんも連れてお行き」そう言ってキュートビッヒがルーニーを指差す。
「理由は?」僕が聞く。
「このお嬢ちゃん、神聖魔法使いだね。シールズマウンテンの卵を割らずに持って帰るには神聖魔法が必要なんだよ」
「なら、私も付いていこうかな」カーリが言う。カーリは何やら不安を感じたらしい。
「おお、ならちょうど良いね。シールズマウンテンのダンジョンは3人1組じゃ無いと出入り出来ない、かといって中は意外に狭くてね。魔法使いにゃちょっと戦いづらい作りをしている。
カーリあんたなら大丈夫だろうさね。
シールズマウンテンの卵を守っているのが“暴食神 ノビア”と言われるモンスターだよ。体長は20m程でワニの体に尻尾が大蛇。シールズマウンテンが何かに脅かされない為の守り神だよ」
「“暴食神 ノビア”って、あれ?」アルネが震えている。
「そうだよあれ」キュートビッヒの言葉にアルネが感激しだす。
「リオン、お願いノビアを捕えて持ち帰って。生きてなくても良いから。ね、お願い」
アルネの表情に恐怖を覚える。が断れない雰囲気の為取りあえず了解する。
その夜、キュートビッヒを加え宴会が催させる。キュートビッヒが店を休み沢山の料理を持ってきてくれてばか騒ぎとなる。
しかし、キュートビッヒがアルネのおばちゃんだなんて、先に教えて欲しかったよ。
翌日、カーリとルーニーの2人を連れてダンジョンの10階層のセイフティポイントに来る。そのセイフティポイントの奥に転移石があった。
転移石を使い、別のダンジョンに来る。辺りを見ると回りは海、その真ん中にポツンと島が浮いているような状態だ。
本当にシールズマウンテンの甲羅の山に来てしまったみたいだ。早速ダンジョンに入る。階段があり、階段を上がる。
何も出ないまま頂上に来る。今度は下に降りていく、その階段を降りてる途中で島が動いていることに気づいた。
シールズマウンテンが歩き出したらしい。ゆっくりと揺れながら動く階段を何とか降りるすると以上に広い空間に出た。
およそ50m位先に卵が何個も見える。あれがシールズマウンテンの卵だろう。
だとすると暴食神 ノビアが何処かにいるはずだろう。シールズマウンテンの中に要るためか、索敵も上手くいかない。
仕方なく、ダンジョンの中に入る。その中には殺気が漂っていた。
ノビアより先に攻撃をしてきたのはシードラゴンの群れだ。だかその行動は何かがおかしい。
あきらかに卵を守るような動きをしている。襲いかかるシードラゴンを白狐を使い斬り倒す。
カーリは先程から何かを見つけ動かない。シードラゴンより危険なモンスターを見つけたのか一点を見つめ構えを崩さない。
僕が倒したシードラゴンの体がいつの間にか消えてしまっている。ノビアだろう。
暴食と言われるのはその食欲だ、自分の体の10倍近い食糧を1日で食べる海の掃除屋だ。
だか、目の前に現れたのは、海の猛獣シーバトラーだ。
ワームような体に鱗、口は八方向に開き船からモンスター、動く物全てを食べる悪食だ。
このモンスターに目は無い。センサーに反応した物を全てにかじりつき、何でも食べ、食べれない物はそのまま吐き出す。
まあ、それによっておこぼれをもらうモンスターも多く、 海のモンスターの中では重要な役割をしているのは確かだ。
取りあえず炎系の魔法で攻める。
シーバトラーの鱗が剥がれダメージを与える。鱗の隙間からカーリが単刀を使い切り裂く。僕の魔法とカーリの攻撃で何とかシーバトラーを倒す。
シーバトラーとは船上で出会わない事を本当に願った。
シーバトラーを倒し、少し休憩しているとシーバトラーの体が下に引きずられて落ちていく。ノビアだろう。あんなの食べるのって、ノビア位な気がする。
休憩を終えてダンジョンに戻る。30分位 時間を置くがモンスターが出てこない為、進む事にした。
シールズマウンテンの卵まで来る。だかみんな破壊され1個もまともな物はなかった。不思議に思い、さらに奥を見るとシールズマウンテンの卵を見つける。大きさは1mをゆうに越える大きさだ。
卵は全部で3つ。僕達は1つ有れば十分。後はノビア対策だ。
辺りを良く見ると何かが動いた後が残っている。おそらくそれがノビアだ。
だか、不思議なことに一定方向を向いて動いている。もしかするとノビアの巣があるのか?そう思ってしまった。
真っ直ぐ進もうとしていたがカーリがノビアの巣の方向に進むと言ってきた。カーリの野生の感が働いたらしい。
ノビアの巣に向かい歩き始める。20m位進んで後ろを見ると大きな穴が出来ていた。知らずに真っ直ぐ進むと僕達は帰れない可能性も有ったようだ。
「ありがとうカーリ。おかげで助かったよ」カーリにお礼を伝えるがカーリは未だ何かを警戒しているようで表情が固い。先頭をカーリにまかせて僕達が進むと大きな窪地を見つける。
巨大なワニが寝ている。そのワニの背中で大蛇が見張りを兼ねて鎌首を持ち上げて辺りを見ている。恐怖こそ、感じないが対戦はしたくはない存在だ。
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