第65話
翌日、ルーニーとリーンハルに一次のお別れを告げてマリエラのギルドにくる。オランさんと会い、ギルド職員のエンリール ルイルさん宛の手紙をた受け取る。
「何で行く?必要なら馬車を準備するが?」
「要らないですよ。カーリが不機嫌になりますから」
オランさんの提案を断る。
空間移動魔法を使いナーラ国の国境を少し越えた辺りにでる。そこからナーラ国の国境に向かって歩く。
「知らない場所でもこうやって行けたら良いのに」カーリがぼやく。
「良いじゃんカーリ、リオンが送ってくれてるんだから」
「うむ、本当に不思議なスキルです。こんな便利なスキルは和議にはありません」
皆各々に話し合っているけど、緊張感の無いパーティーだよね。いつもの事だから良いけど。
国境の詰所に来た。警備兵にエンリール ルイルさんに会いたいと伝えると不振に思われたが、すみれが前に出て話す。
「私はリュックニーのギルド職員のすみれと申します。この方達は冒険者で私の護衛をお願いしております。リュックニーからの至急の要件があって参りました。エンリール ルイルさんはいらっしゃいますか?」
「わかった付いてこい。今、リュックニーも大変だと聞いた、大丈夫だったか?」
「はい、私は何とか。今のギルドは職員が少なく大変ですが」
兵士は頷きながら案内してくれる。
「ここがギルドの部屋だ、帰り声をかけてくれると助かる」
「はい、わざわざ有り難うございます」すみれが礼儀正しく挨拶した。
ノックをすると。「はーい!」と気の抜けた声がした。
ガチャと音がしてドアが空く。すみれが挨拶する。
「エンリール ルイルさんですね。リュックニーのギルドで受付をしています。三名(サンミョウ) すみれと言います。初めてお目にかかります。
こちらはリオンさん。先週リュックニーに来るためここを通ったと思います」
「リオンさん? そうね先週受付したわ、リュックニー行きの馬車に乗ってもらったから覚えてる。最近は冒険者の数も少ないからね」
「エンリール ルイルさん。リュックニーのギルドについて少し教えて頂けますか?私は最近配属されましたが、少しわかならい事も多くて」すみれが何気無いことから話しを始める。
「リュックニーのギルド?あそこは人数も多いし働き安いでしょう?」
「今は職員が私1人です。ギルドマスターは私が採用された後にアルルカン ソーニャさんが来ましたが、採用制限があって他のかたはいません。
それと来る方の大半が冒険者ではなく、山賊やならず者ばかりです。たまにまともな冒険者の方が来られてもほとんどが追い出されます。
リュックニーは元々そう言うギルドなのでしょうか?」
「そんなことは無いです。私の元に届いたギルド明細書には職員5名、常勤冒険者3名と記載が有ります。当然、貴女の名前ものっていますよ三名さん」
僕が割っては入り「すみません。僕はリュックニーのギルドで三名(サンミョウ)さんとアルルカン ソーニャさん以外の職員の方とはお会いしたことが無いです。また、常勤冒険者の方ともお会いしたことは無いです」
「そんなはずは。昨日も来られていましたよ。商人の方の護衛で常勤冒険者の方が!」エンリール ルイルさんが驚いたいように言った。
「そうですか。やはり1度調べる必要がありますね。
エンリール ルイルさん。お伺いします。マラリエのギルドマスター オラン マーサさんはご存知ですか?」
「ええ、知っているわ。私の仲間(パーティーメンバー)だっから」
「良かった。オランさんからの手紙を預かっています」
エンリール ルイルさんの顔が恐くなる。手紙をしまい僕を見る。
「リオンって貴方?」
僕がそうだと返事をする。
「そう!! どうやってオランの手紙を偽造したの?」
偽造? 何か試されているのは確かだな。
「手紙は僕が今朝、直接オランさんから預かった物です。偽造はしていません」
アルネとカーリが近付いて来て「囲まれた」
と小さい声で教えてくれる。
「ちなみにエンリール ルイルさんも元 Aランク冒険者ですか?」
「そうだ」立て掛けてある。レイピアを手に持つ。
後ろを振り向き、誰もいない所に話しかける「工藤さん、すみれの警護を頼みます」
「いつからわかっていたんですか?」工藤 桃の条が姿を表す。
エンリール ルイルさんが心底驚いた顔で言葉を失っている。工藤 桃の条を指差し完全に固まった。
アルネが詠唱を始める「深き森より出でた聖水が 清き姿もまま氷 清き姿を残す 全ての精霊に命ずる 我が命を聞き永遠の安らぎを与えよ 永久凍土の呪鎖」建物の上。天から氷の結晶が降ってくる。触れる物全てを凍り尽かせる。
建物の外から叫び声と怒号が入り交じった声が聞こえたがものの1分もせずに静かになる。
「完全に気配が消えた」
エンリール ルイルさんが呟いてアルネを見る。
「リオン、お前達はAランクだよな。どっからどう見てもSSSランクの冒険者と遜色無い気がするが、私の気のせいか?」
「エンリール ルイルさん。それ以上は何も言わないで下さい。僕達は最近Aに昇級したばかりです。リュックニーがAランク以上でないと入れなくなったから仕方なく昇級しただけですよ」
「は! Aランク指定? リュックニーが?」
エンリール ルイルさんが驚き過ぎて顔が引きつっている。
「はい、そうです。アルルカン ソーニャさんが上からの指示だからと言って各ギルドにAランク以上の指定をだしております」すみれが代わりに答える。
「すみれさん。それは本当?」「いや本当だからこんな化け物じみた奴らが集まったのか」
「ちょっと? 化け物って私の事?」
アルネがエンリール ルイルさんを睨む。
「違うわよ、こっちの男2人よ」「完全に姿と気配を消してこの部屋にずっと潜んでいる奴と、そいつをいとも簡単に発見する奴何て化け物以外何だって言うの?」
僕と桃の条が2人で顔を見合せる。
「それよりリュックニーのギルドに急ごう」エンリール ルイルさんが何かを思いだしたかのように焦りだす。
「ギルドに何が有るんです?」僕が確認する
「有るのでなく、無いのだ。ギルドが乗っ取られて別組織の者がギルドを運営している。その事が判明した、ホルスメン大陸中央ギルドから報告が上がった。リュックニーギルドは和議の国 四聖獣教団と言う新興団体に乗っ取られた。オランの手紙と共にホルスメン大陸中央ギルドからの報告書もついて来た」
「ホルスメン大陸 中央ギルドってなに?」
「リオン、君って以外と世間知らずだね」エンリール ルイルさんに笑われる。
「今私達がいるホルスメン大陸は分かるだろう。そこにいくつもの国が存在する。君達の出身でもあるオーヂエン国。今いるナーラ国、少し離れるがエルフの国のダンサール国、獣人の国のマンチャタ国等が存在いる大陸だ。
そしてこの全ての国にギルドが有る。そのギルドを監視監督するのがホルスメン大陸 中央ギルド。
要は各国のギルドが不正に冒険者を集めて悪さしていなか、各国と手をつなぎ不正を行っていなかを監視してる場所だよ。オランが2年位前からリュックニーギルドに対し探りを入れていたらしい、今回その不正の証拠を大陸中央ギルドが手入れた」
「これから奪われたギルドを奪還しに行く。その為に一緒に来てくれ」
僕がわかったと伝えて手をだす。そしてエンリール ルイルさんと握手した。
アルネに声をかけ空間移動魔法を使い、隠れ家に移動する事した。2人とも最大4人が移動する限度だ。僕がカーリ、すみれ、工藤 桃の条を連れて、アルネがエンリール ルイルさんを連れて移動となった。
「所でリオン?何処に向かう?宿やダンジョンの中は不味いでしょう」
「宿の裏の秘密基地にしよう。あそこならかなりの空間を確保出来てるよ」アルネがしらっとした顔をしている。
「そう、秘密基地ね。男の子って好きだよねそう言うの」さらに冷めたい目でこっちを見る。
「エンリール ルイルさん、先に行こう」そう声をかけると僕達より先に空間移動魔法を使い行ってしまった。
「リオン、しょげないの」カーリが慰めてくれる。
「でも私も秘密基地って呼び方は嫌いかな」
「そんなぁ やめます、秘密基地」完全に落ち込んでしまう。
カーリにはっぱをかけれて何とか空間移動魔法を唱え、秘密基地に移動する。
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