第88話
アメールに向かう中、マルイル宰相から声をかけられる。
「想像以上にモンスターに会わないものだね。リオン、君が原因か?」
「白狐、鳳凰出ておいで」
僕の言葉に呼応して白狐が僕の真横に、鳳凰は僕の前に静かに降り立つ。
金色の毛に覆われた九尾の白狐と赤を基調に彩り鮮やかな鳳凰が姿をだす。その姿にマルイル宰相がため息をつく。
「マルイル宰相。この白狐と鳳凰はSSSオーバーのモンスターです。和議の国では神と崇められる存在です。
この二体の魔力と存在を感じたモンスターは基本的には近づきません。むしろこの二体に見つからないように息を殺していなくなるのを待っていのです」
マルイル宰相が白狐と鳳凰を見てうなずきながら「これ程のモンスターを自在に操るとは、リオン、君の規格外はききしに勝るものだな。確かにこれ程の能力があれば護衛2人はかえって足手纏いかも知れんな」
「誉めて頂き有り難うございます。それより少し休みましょう。護衛の方が魔力に当てられ気を失っているようです」
マルイル宰相が護衛を確認してため息をつく。マルイル宰相はアルムの前の聖騎士団 飛行隊の隊長だった人物。
その為、自らの希望もあり辺境都市を自領して他国を牽制した来た。オーヂエン国はこの40年、大きな戦争をしていない。おかげで国は大きく発展し、国民の暮らしは豊かになった。
その代わり冒険者や兵士の質が落ちたのは否めない。
その為だろう。ガレシオン公国と言う弱国などからなめられている。そうマルイル宰相は考えていた。
40年前、ガレシオン公国との戦争の際に剣聖リース レインを初め、ドラゴンテイマーのアンバール スカルプ。アルムのお祖父さんで当時の聖騎士長てあったドントルト ファン リウム公爵。当時飛行隊次席であった、マルイル宰相達が戦い勝利を納めた。
その際に不可侵条約を結びなおかつ、毎年の貢ぎ物を持たせる事でガレシオン公国を存続させる事でまとまったのだ。
その戦争から40年、当時を知る者が表舞台からほぼいなくなった。もう一度オーヂエン国の力を知らしめる必要が有る、それが国王及び宰相、国の中枢にいる貴族達の考えだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇
その後何事もなくアメールの村に到着する。マルイル宰相の到着を聞きヒューズが飛び出して来た。
「お祖父様、ご無事で何よりです。最早お会い出来ないかと思っておりました」
「ヒューズ、良く生き延びた。お前に会えたこと。このマルイル、神に感謝申し上げる」
マルイル宰相とヒューズ。護衛を連れ立ってギルドに入る。
食堂に集まりみんなお互いの無事を喜んだ。
「マルイル宰相、今回旅に同行する僕のパーティーを紹介します。アルネ リカリオです」
アルネが頭を下げ挨拶する。
「こちらが カーリ ベルトルト、王都から同行してまりいました。もう1人がリーンハル エレン、馬車での護衛役です」
「ああ、2人は分かるよ」マルイル宰相が穏やかに言う。
「これからの工程でもう1人馬車に同行するのが、ルーニー ダリスです」
「ルーニー ダリスと言います。よろしくお願いします」
「ああ、よろしくな」
ヒューズがひょこっと現れるとこっちを見る。自分も紹介しろと言わんばかりだ。
「マルイル宰相、訳あってヒューズ嬢を一次的に僕達のパーティーで見習いをさせています」
「お祖父様、このヒューズ ホォン ビルルマ。自らの志願してリオン様のパーティーで見習いをさせてもらっています。この旅のなかでは孫ではなく、1人の騎士としてヒューズを扱って下さい」
「おお…ヒューズからそのような言葉を聞けるとは思わなかった。何がお前を強くしたのかはわからないが良く言った。我々は民を守る盾でなくてはならない。
ヒューズ、お前の気持ちは受け止めた。しっかりと全うせよ」
「はい」
「マルイル宰相。本日はここで1泊します。ヒューズ嬢の護衛の2人は本日中に我々が連れて来ます。出発は明日の朝になります。それまではゆっくりなさって下さい」
「うむ、わかった」マルイル宰相が食堂に行くとランバートさんに声をかけ2人で座る。元々国王、タイナーのクランメンバーだったランバートさんとは旧知のなかのようで2人で昼前からエールをあおり始めた。
ルーニーとリーンハルはヒューズを連れてギルドの依頼を受ける。
アルネにライズの元に向かってもらい護衛2人を引き取り向かってもらう。カーリはギルドの護衛の為待機。と言っても何時もどうり、僕のベットでゴロゴロとしている。
この行為はカーリ曰く、マーキングらしい。これをしている時が一番落ち着くらしい。獣人属以外にはわからない謎の行動だ。
僕はハマイルさんの元に向かい情報収集をした後、ラピスギルドに来た。
受付でダリアさんの予定を聞く。
「あら、こんなお姉さんでも誘ってくれるの?」
・・・・・? ダリアさんて、何歳だ?そんな歳離れていないと思うげど。
て、事じゃ無くて「少し話しがしたくてお昼休めます?」
「いいわよ。リオンさんからのデートのお誘い何て素敵ね。休み取っちゃう!」
お昼を待ってダリアさんを連れて何時ものリンゴの卵亭に来た。
個室に入り話しをする。ダリアさんが嬉しそうに「個室何て初めて、ここなら何をしてもばれないわね」と妖艶に笑ってくる。
「ダリアさん、からかわないで下さい。それと今、クエストの最中です。どうしてもダリアさんに聞きたい事があって来ました。
ダリアさんはベリス ダシャナの事は聞いたことはありますか?」
「知ってるよ。各国Aランク以上のパーティーに討伐命令が出てる」ダリアさんが真面目な顔で答える。その真面目な顔とは裏腹にだされた料理にがっ付いている。
「アルメニア王国にいる、協力者の情報は入っていますか?」
少しムッとした顔で言う
「私は今ラピスギルドの職員よ、そんな都合良く情報あるわけ無いでしょう」
「そうですか。僕達はこれからガレシオン公国に踏み込みます。なので必要情報がわかればと思ったのですが」
「本当にリオンさんって女の敵だよね。それも天然なんてやってられないわ。
今度、こっそりとおごりなさいわかった(怒)
アルメニアのSランクパーティーで物凄く評判の悪いクランがある。名前は勇者の盾。おそらくその中にいる何人かが、ガレシオン公国と繋がっていると聞いてる。私も分かる情報はそれだけよ。この勇者の盾は元々盗賊崩れが作ったクランで何でもありの最悪な連中よ」
「あ、この海老、和議の国でしか取れ無い貴重なものですよ。伊勢海老と言うようです。ダリアさんのために頼みました」
「本当~。食べる!!」ダリアさんが勢い良く海老を頬張る。
食事を終えてアメールに戻る。何故かライズが来ていて宰相と共にエールを飲んでいる。
宰相あれからずっと飲んでるの? ザル?
「リオンお帰り」
「アルネ、お帰り。何でライズがいるの?」
「何か、用事があるみたい。ついでに持って来た」
「そうなのね」「護衛の2人は?」
「部屋で休んでる。ここに来た時、宰相に相当絞られてたよ」
「はは」大変なんだね。まあ、あの宰相の護衛だもんな。
アルネを連れて部屋に戻り今後の対応について話しをした。おおむね1時間位だろうか、話し合いが終わりギルドにおりるとライズから声をかけられる。
「リオン、丁度いいところに来た。宰相との話しも終わったし少し私に付き合え」
また、めんどくさい事だろうか?
「ここでは話せ無いこと?」
「そうだ、それと現在お前にしか頼め無い。私の屋敷に行くぞ」
「これから?」
「そうだ」
仕方無くライズの屋敷まで空間移動する。
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