第61話
翌朝 ゲートを使い5階層からスタートする。5階層は木が少くなく背の低い草が多く草原みたいな場所。
遠くからモンスターを確認出来る位の場所だ。遠くに見たことの無い巨体のモンスターがいる。ふさふさの毛に覆われ、鼻が長く口から鼻のように長く大きな牙が出ている。四つ足で後足が前足より少し短く正面から見ると少しいかつく見える。
集団で行動しており、一番大きな個体が群れを率いているように見えた。
ざっと見た感じだがBランク位では無いかと思われる。僕達が近づいても逃げる様子もなく、襲って来る様子も無い。恐らく大人しいモンスターなのだろう。刺激を与えずに先に進む。
1つ目の集団を超えて100m位進むと別集団がいる。別の集団も大人しく草を食べているだけで襲って来ない。
有りがたく横を通らせてもらい奥に来た。5階層は何もなく終わり6階層に降りる。
6階層でジャングル系のダンジョンと聞いていたが燃え残った木が所々に点在しているだけの場所に成ってる。
5階層と違い穏やかな雰囲気はなく。殺気に満ちた空気で満たされていた。
少し様子を伺う。奥にゴブリンジェネラルがゴブリンを率いてこっちに向かって走しってくる。その奥にレッサードラゴンのレットドラゴンとブルードラゴンが見える。どちらも炎を吐き敵を攻撃するドラゴンだ。
少し後ろを見て声をかける。
「工藤さん、いつまでそんなところに隠れているのですか?」
「はは、ばれてましたか。私は隠匿魔法が得意何ですがいつから気づいてましたか?」
「ダンジョンに入って直ぐですね。でも僕達、工藤さんを守ったりはしませんがいいですね」
「はい、何とか自分で頑張ります」
ゴブリンの群れがだいぶ押されて中程まで来た。これ以上は厳しい気がする。
「誰が行く?」アルネとカーリに聞く。
「私が行こうかな。最近運動不足だしね」アルネが珍しく自分から行くと言って来た。
「そんな、1人で相手ができる数では有りません。自殺行為ですよ」工藤さんが慌てて詰め寄ってくる。
「心配入りません。アルネは強いです」
「いやいくら強いと言ってもこの数こゴブリンとドラゴンですよ」
「大丈夫です。そんなに近づくと巻き沿いを食いますよ。僕のパーティーはみんな強いので問題ありませんよ」
アルネがかなり離れた所から詠唱を始める。
水の精霊魔法のようだ。
「ウオータースピリッツ」
水で出来た妖精が現れる。アルネより大きな体だ
恐らく170cm近く有る体から4枚の翼が生えている。その妖精が6体も出現した。
アルネが水の妖精に攻撃させ、ゴブリンとドラゴンと同時に攻撃していく。
ゴブリンの群は巨大な水の塊が捕える。多くのゴブリンが水の中で溺れる。
レットドラゴン2体とブルードラゴン3体に対して水の妖精3体が取囲みドラゴンの周りを水の壁をつくり覆う。徐々に水の壁越を狭くしドラゴンが水の塊に飲まれる。元々レットドラゴンとブルードラゴンは極端に水に弱い、ゴブリン達よりもドラゴンが先に全滅した。
生き残ったゴブリンがアルネ目掛けて来る。アルネが出した水の妖精はゴブリンに襲いかかり捕えたゴブリンを捕えるとそのまま凍り付き全てのゴブリンを倒す。
「終わったわね。何か使いやすい魔法だったな」アルネが何の問題なかったように戻って来た。
「じゃ7階層に向かいますか」アルネを見て話していると工藤さんが近づいてくる。
「貴方達はどういう方なのでしょうか?私は田舎者で良く分かりませんが過去、見たパーティーの仲でこんな強い人達は見たことが有りません。もしかして高名なパーティーの方々なのでしょうか?」
「僕達は最近Aランクになったばかりのパーティーですよ、僕達より強い人達は沢山いると思いますよ」
驚いている工藤さんを後に奥に進む。ドラゴンとゴブリンが同じ階層にいるなんて、考えられない事が起きている。やはり深い階層で何か起きている事を示していると思われる。
7階層に降りてきた。
レッサードラゴンとブラックドラゴン巣が有る。どうにもおかしいこんな低階層にブラックドラゴンの巣なんて有り得ない、ブラックドラゴンは警戒心が人一倍強い。それなのにこの階層に巣が有るのか。
それと洞窟系のダンジョンと聞いていたが洞窟ではなく、岩場ダンジョンだ。
ブラックドラゴンはレットドラゴンより体が大きくレッサードラゴンの中では上位に該当する。ドラゴンフレアーを出し統率も取れた動きを取るドラゴンだ。恐らく奥にドラゴンの群をまとめる親がいるはず。見つけれれば話しが出来るかも知れない。
ゴロゴロと大きな石が落ちている所を通る。何とか道が有る。ブラックドラゴンが両側に鎮座している。
デコボコの道を歩いていると周りよりでかいブラックドラゴンが道を塞ぐようによこになっている。
ドラゴンって、行動パターンって一緒なのかな? ガード ハバルの時もそうだったけと、そうまでして縄張りを主張しないといけないものかね。
「悪いね、僕達は穏便にここを通りたいと思っている。通してもらえるかな?」
ブラックドラゴンが何も聞こえないと言わんばかりに反応を示さない。
「レッサードラゴンって知能が低いから言葉もわからないんだね。無理やりどけてもらおうかね」
顔を僕に向ける「何のようだ?」
「少し道を空けてもらえるか? 代わりに僕達はきみたちを襲わない。悪い条件じゃ無いだろう?」
「保証がない、出直せ」
「そうもいかない、このダンジョンで何があったかを確認したい」
そこに一際大きな個体のドラゴンが奥から来た。
「お前、これ以上は我々の縄張りだ、これ以上入る事は許さない」
≪リオンか?≫
ドラゴンの声と同時に頭に直接話しかける声が聞こえた。
≪これは念話と言う。声に出せない話だ≫大きなドラゴンだろう、僕の名前まで知っているのはギルに近いドラゴンだけだ。
≪僕は自分の頭の中に思えばいいのか?≫
≪それでいい。すまないが今、バンパイア共と交戦中だ皆気が立っている。どんな要件だ≫
≪僕の母親に会いに来た≫
≪そうか、なら1度奥に行こう。仲間は誰だ。リオンの仲間以外は連れてはいけない≫
≪わかった。仲間はダークエルフのアルネ、獣人の虎族 カーリの2名、他は帰ってもらうよ≫
「工藤さん、ここからは僕達だけで行きます。今日はお帰り下さい」
隠匿魔法で姿を消してついてきている工藤さんに声をかける、けど帰る気持ちは無いみたいだ。仕方無い。
振り向くと工藤さんに近づき居合いの要領で刀を抜く。
ギン!! と鈍い音がなり僕の刀を工藤さんが止める。
「リオンさん、貴方は何故 居合い術を?」
工藤さんが驚きプルプルと震えながら僕の刀を押さえている。
「工藤さん、今日はお帰り下さい。こここら先は僕達だけで行きます。それがドラゴンの条件です。もし工藤さんが引いて頂けなければ僕は無理やりにでも帰ってもらいます」
「ここで2人がぶつかるとどうなるかは、工藤さんもお分かりでしょう。仲間を助ける処かダンジョン自体が存在しなくなります」
「リオンさん、貴方はどれだけ強いのですか? 身体強化した私が刀を両手でもっているのに、片手の貴方におされる何て」工藤 桃の条の顔から汗が流れる。
そのまま刀を振り抜き工藤さんが後ろに飛んで刀を避ける。僕の刀を押さえていた工藤さんの刀は切られしまい根元から落ちていた。
工藤さんが驚きの声を上げる。
「信じられない? あの三代目 神谷 一文字の業物がこんなに簡単に切られるとは」
「分かりました。私は帰りましょう。しかしこれ程の実力差か有るとは、少しやりきれませんね」
そう言うとダンジョンを下りて行く。
工藤さんが下りたのを見て、ダンジョンの端に向かい歩き刀を前に出し止める。
「君はどこの誰だい?僕達がダンジョンに入ると工藤さん後をこっそりついてきているよね。今出て来れば痛い思いはしないよ」
透明な何かが動き立ち上がる、身長にして150cm位だろうか、小柄な感じだ。
大体顔だと思われる所に刀を合わせる。
「君はだれた? 僕達の敵か見方か知りたいね」
「・・・・・・・・」
「そう、返事と受け取って問題無いね」
刀を返し峯で頭を打ち付ける。
急に人の姿が見えた。小柄な女がそこにいた、隠匿魔法が解け姿が見える。ギルドの受付の物静かな受付嬢だ。捕縛用のロープを取り出すと手足を縛りも猿ぐつわをして担ぐ。
≪悪かった遅くなった≫ドラゴンに念話で伝える
≪その女はどうするつもりだ?≫
≪どうもしない、いらないならその辺に捨てるし必要なら拷問にでもかけるさ、それとも、食料として置いて行くかい?≫念のために聞いてみた。
≪不味そうだからいい≫
捕まえた女を担ぎそのまま奥に進む。老いたドラゴンがいた。
「初めまして、リオンと言います。僕は母親に会いに来ました」
そう老いたドラゴンに挨拶した。
「お前さんがリオンか? ワシはアルメン リュートじゃ」
「何故このような低階層にこられたのですか?」
「話し方を変えよう。エルフと獣人の娘は問題無いのだな」
「はい」
≪バンパイアの事は聞いたな≫いきなり頭の中に聞こえた声にアルネとカーリが驚いていた。
事の発端は約2年前、突然バンパイアがアルメン達がいた場所に来たことらしい。
アルメン達は僕の母親を守り静かに暮らしていた。そこにバンパイアが現れた。最初こそ大人しくしていたバンパイアだったが半年もすると僕の母親を第5魔王と呼び、ドラゴン達を攻撃するようになった。
母親の周りには特に強いドラゴンが5体いて守っているが、その他の弱いドラゴン達が餌食になった。母親の意向によってドラゴン達は巣から離れいくつかの階層に別れて住むようになったらしい。
ブラックドラゴンは元々巣を護衛する役目が有り一番低階層に陣取っている。
そのお目付け役としてアルメンがここにいると言う事だった。
終炎のパーティーに付いて聞くと工藤さんと似た格好の者達は25階層にいた記憶は有るらしい唯、すでに全滅しているようだ。その他に付いてはわからないと言われた。
アルメンに今日は帰ると説明した。後日また来るからその時は通して欲しいとお願いすると笑いながらわかったと言ってもらう。
捕まえた女を担ぎそのまま空間移動魔法を使い移動する。
「アルネ、カーリ空間移動する。どこまでいけると思う?」
「私ならここら国境付近かな」アルネの答えに乗っかる
「アルネ悪いけどみんなそこまでお願い、その後は僕がみんなを連れて行く」
アルネにつかまり移動すると国境の柵が直ぐのところまで来た。直ぐ僕が空間移動魔法をかけアメール村の外にくる。再度空間移動魔法を使いアルムの屋敷の前に来た。
護衛の兵士が僕達に気付きやってきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます