第158話
リーンハルと鳥人族の対戦が終る。動かなければルーニーが助ける事も出来た可能性があったが、流石のルーニーも鳥人族の姿を見て首を横に降るだけだった。
「ちょっといいか?」タイタンが近付いて来た。
「どうしたの?」僕が話を聞く。
タイタンが頭をかきながらはなす。
「うん。俺、対戦を辞退した。カーリには悪いが、俺はおりる。んで代わりと言っちゃ悪いが内の大将、三兄弟なんだわ。そいつらの出場を認めてもらい得ないだろうか」
カーリがタイタンを睨む。
「あんた、わざとおりたな」
「カーリ、そんな怖い顔すんな。みんな負けたら、マンチャッタが揺らぐ。それを防ぐだけだ」タイタンが真面目な顔をする。
「わかった。なら、僕は国王達、3兄弟と対戦するって事だね。了解した」
タイタンが自分達の所に戻り話を始める。タイタンに代わり白虎族の2人が闘技場に来た。
「リオン、タイタンがすまんな。俺以外の兄弟もタイタンに負けない位に強い」
メルニが僕に話す。
「良いですよ、最終的に、カーリとの結婚が認められれば、僕は問題ないです」
メルニが僕を驚きを持って見る。
「ふむ、人族の考えは我々と違うな。我らは勝った者が全てを持つ。だかリオンの欲しいのはカーリだけか?」
「僕は国の運営等は性に合わない。ただ自分達の住みかを探して、ガンスみたいに好きな仲間と、仲良く暮らしたいだけです、自分らしく生きたいだけですよ」
「へ? それだけなの?」メルニが呆れた顔をする。
「はい。ロンバートとカーリが。結婚の大切な儀式だって言ってるから、頑張っています」
「ガハハハハハ。お前さん騙されたな。ガハハハハハ」メルニが腹を抱えて笑っている。
「何か、違っているの?」
「あー。カーリの結婚なら直ぐに認めるよ。国を出た奴に何の未練もない!!」
「ハッ!!」
「いや、本当だぞ」「お前さん、2人に騙されたな。ガハハハハハ」
ショックだ。こんなに頑張ったのに。カーリを見ると、頭を隠してアルネの後ろに隠れる。
ガックリと項垂れる。メルニが僕を見て肩をガンガンと叩きなぐされめる。
「リオン、女って奴は自分の目的なら男だって使う。気を付けろよ」
カーリに近付いてハグする。
カーリは何かにつけて密着する。それは僕だけでなく。僕達のパーティーメンバー全員にだ。
楽しい時、嬉しい時、怒る時。だから僕もカーリに関しては同じようにする。
そして話を聞く。
「どうして何も言ってくれないの?」
「ん、ごめんなさい。こんな大事になると思わなかった」
珍しくカーリが落ち込んでいる。
「カーリは何がしたかっの?」
「ん、みんなにリオンが強いって知ってもらいたかった。獣人族にとって強い男は憧れなの。だからリオンが全ての獣人族の憧れになって欲しいの。
それに強い男が、何人妻を持っても問題ないの。それがその人の価値だから」
「そう。わかった」「ちゃんと僕が強い事を証明するよ。カーリの旦那にふさわしいって思ってもらわないとね」
カーリが、コクコクと頭をふる。尻尾が珍しく、ブンブンと回っている。初めて見た、これ何のサインだ?
その様子見ていたアルネがひと事。
「リオン。甘いよね、やっぱり」
それをアルネが言うかな、適当なことを言って人に無茶さて、結構聴危険な目にあってるのに。それをアルネが言う。
う~ん。て言うか僕がそれをなにも聞かずにうなずくから言われるのか。
1度、メルニの元に行き僕達の対戦を続けるかを聞く。
「メルニ国王。どうします?」
「カハハ。当然やるに決まってるだろう。マンチャッタの住人は強い奴の下に付く。それが伝統だ。我々獣人族、唯一の決定方法だ」
そんなこと言われても何を決めるの?
「で、何を決めるの?」
「お前が勝てば好きな所に住め。俺達が勝ったらマンチャッタ国の中に住め。それだけだ」
「マンチャッタに住む? どっか言い場所とか有るの?」
「ああ、元々マンチャッタは自然が豊かな国だ。自然を満喫出きるぞ」
「何かいいな。どちらしろ1度見て回っていい?」
「ああ、問題無い。けど1部ドラゴンと共有している場所がある。そこはドラゴンに聞かないと駄目だけどな」
「ドラゴンもいるんだ?」
「おお、食い付いたな。今はエバー ヤルトと言うドラゴンがしきっている。知り合いなら今度会ってくれ。中々楽しい奴だぞ」
「エバーがいるの?」久しぶりに聞いた名前だ。何か嬉しくなる。
そっか、エバーがいるのか?まあ、でもエバーのいる村は無しだな。エバーは戦闘民だからな。ガンスやギル陰に隠れてはいるけど、ドラゴン族の中で3番目に強い生粋の戦士だ。
◇◇◇◇◇◇
僕とメルニ国王兄弟の戦いが始まった。始まった時こそ僕に対するブーイングがあったが、始まって30分もたつと誰1人、文句を言うものがいなくなった。
「兄じゃ、なんだあのリオンってやつは。わしらより、断然強くないか?」
メルニの兄弟が肩で息をしながら僕を睨んでいる。
「ガハハ、リオンは強いな。カーリが自慢したくなるのも頷ける。これは自慢もしたくなる。女どもを見ろ。みんなリオンに釘付けだぞ。
ガハハハハハハハ」
「だからって兄じゃ。何を楽しんでいる。このままじゃ」
「良いって、お前らさがって…」
メルニの話しを遮るように僕がメルニ国王の兄弟2人を蹴り倒す。
「メルニ国王、いい加減に本気になって下さい。ご兄弟がいると貴方は力を出し切れない」
「ガハハハ、気を使わせたな。リオン」
メルニが立ち止まる。
「リオン、俺の本当の姿を見せよう。獣人族の中で俺達兄弟の一族だけが持つ最高の力だ」
メルニの体が人の形から虎に変わる。
「待たせたな、これが俺を魔王と言わせしめた本当の姿だ」
僕が静にメルニを見る。メルニと目が合う、はっきりと言ってドラゴンより強い。
これだ。メルニは地上最強の獣として魔王登録された。やはりその力は健在だ。
「メルニ国王」僕が声をかける。
「なんだ?」虎の姿で言葉を発するその姿かやはり凄味がある。
「メルニ国王の後ろにいるあの大柄な男の人を参戦させてもらえませんか?」
メルニが後ろを向く。そして罰の悪そうな顔をする。
「リオン、お前の言いたい事はわかった。だかあいつはだめんなんだよ。
あいつは熊族のダンメ。能力だけなら俺を越える物が有ると俺達もわかっている。だか優しずきて、未だに誰1人殺せない。そんな奴だ」
「ひょっとしてモンスターも?」
「ああ、察しの通りだ」僕の問いかけにメルニが答える。
会話が切れると、メルニから強烈な殺気を感じる。メルニが僕に狙いを定め低い姿勢を取る。
おそらくこれで決めるのつもりだろう。ネコ科のしなやかな体の動きにビリビリと背中がしびれる。
メルニが本気になった証拠だろう。例えネズミであろうと、仕留める時に手加減はしない。狩猟本能を全開に僕との距離を積める。
僕は刀を持たず、魔闘気すら、出さずメルニに対する。別にばかにしているわけ出はない。
カーリから圧倒的な力を見せろ。そう指示があるだけだ。
メルニが右の前足。そろりと出す。油断なく、自分の打撃範囲に入った事を確信して左のフックが飛んで来る。
メルニが虎に変身するとその大きさは凄い。全長は3mを越え、全高は2mを越える。巨大なその前足で振り抜くその攻撃は空気を切り裂き、前足が通り過ぎてから音が聞こえる位に激しい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます