第144話
五人揃い、幸せな数日を過ごす。ロンバートが僕を訪ねて来た。
「リオン、体大丈夫か?」
「ロンバートさん、せめて聖霊の事は教えて欲しかったですよ」
「リオン、世界樹の実を食べたんだね?」
「お陰でこの様です。聖霊からのおみあげです。それと会いに来いと言ってましたよ。来なければ呪ってやる。そう伝える様に伝言を預かっています」
ロンバートが怯えいる。構わず証を出す。
「聖霊から預かった証です。聖霊は大事に持っていたみたいですよ」
ロンバートが一気に老けた。見たことも無いくらいにおじいさんになった。
「リオン、私はアルネ、カーリ、リーンハル、ルーニーの結婚を認める。後はマンチャタ国とかは自分でなんとかしてくれ。お前は凄い奴だ」
「なあ、ロンバートさん、俺はこの国をつがない。それで問題は無いだろう」
「ああ、ダンサールは元々私の寝床だ。リオンの寝床は海沿いにでも作れ。私はほとんどタッチしていない」
ロンバートが帰って行った後にふと何かを感じて後ろを見る。
「聖霊さん? 世界樹の外にも出れるのですか?」
「リオン、体は戻ったな。しかしロンバートの奴老けたな」
聖霊と話していると警戒したアルネとルーニーが部屋に来た。
「リオン、そちらの女性は誰?」
そうアルネが聞き、ルーニーは杖を構え警戒している。
「この人は世界樹の聖霊だよ。僕に世界樹の実をくれて、証をくれた人。今はロンバートに会いに来たみたい」
話しているとカーリとリーンハルも来る。
皆、聖霊の存在に興味津々の用だ。
聖霊から話しかけられる。
「なあ、リオン。結婚の為に証を取りに来たと言っていたが誰と結婚するのだ?」
僕が4人を見て言う「こちらの女性4人です」
「英雄色を好むと言うが、なる程な。お前達4人にも世界樹の実をあげよう。1階の部屋まで連れておいで」
「聖霊さん? 皆いいんですか?」
「ああ、この4人なら良い、特にこの人族は中々だな」そう言ってルーニーを見る。
5人揃いぞろぞろとダンジョンに入り真っ直ぐに隠し部屋に向かう。
隠し部屋に入るとアルネが何かを探す。
アルネ曰く、ロンバートは自分の居場所に色々物を隠す癖が有るらしい。だか隅々まで探すが出てこない。
聖霊が出てきてアルネに声をかける。
「何か探し物か?」
突然と声をかけられたアルネが驚いていたが、ロンバートの話を聖霊にする。
聖霊が何処からか様々な物を出す。本、日記、単刀、絵画等々。
「ここは世界樹の一部だ。このような物を置かれると世界樹が困る。だから私が都度回収してるのだ。ロンバートに取りに来いと伝えてもらえるか?あやつ、私の言葉が聞こえ無いのか、一向に取りに来ない」
聖霊が世界樹の実を4つ取り出しそれぞれに渡す。
「簡単に説明しよう。それは世界樹の実だ。食べても死なないから心配不要だ。
この世に生きている者が食べると己の潜在能力を全て引き出す。ただし、食べて直ぐ眠くなり、寝てしまう。
目覚めてから1週間程度で能力が開花を始める、だか、この話しは私が認めた者以外には伝えてはならない。良いな」
みんなうなずく。
世界樹の実を食べると「うっま!」「言葉に出来ない」等、驚きの声をあげる。
そして食べ終ると次々の倒れる様に寝始める。ベットに1人づつ乗せて休ませる。
聖霊が僕見て「皆こんな感じだ。お前さんみたいに意識の力で起きていた奴は初めてだよ
」
「そうなんですか?」そんな事言われてもね。こっちも初めての体験だし。
「普通は1日で目覚める。起きたら動けんだろうから2.3日は休ませてやれ」
そう言って聖霊が姿を消す。
聖霊の言葉通りにリーンハル、アルネ、カーリの順で目覚めた。
3人も起き上がれ無い位に体に力が入らず、起きて直ぐに寝てしまった。
翌日になり、ルーニーが目覚める。アルネ達はベットに座りながらルーニーが目覚めるのを待っていた。ルーニーに声をかける。
ルーニーも意識は有るが体がきついらしく少し返事をして寝てしまう。
それから4日立ち、みんなでダンジョンを出る。ルーニーはまだ起きるだけで精一杯の用で僕がおんぶして屋敷に戻る。
ダンジョンを出てから見た目の変化がおきてきた、アルネは髪の色が少し明るくなり、元々の黒髪から少しピンクがかった金色の明るい色に変わり、目も金色に変化した。
カーリは髪の毛質が柔らかくなり、手触りが物凄くよくなった。モフモフすると止められない位に気持ち良い。筋肉質の体が優しさの有る曲線が出て、さらに女性らしくなってきた。
リーンハルは金髪からさらに色が抜け銀色に近い髪色になり、体型が少しふっくらとして来た。元々かなり細身だっただけに、丁度良い感じなった気がする。
見た目の変化がほぼ無かったのがルーニーだ。でも少し背が高くなった気がする。それと目の色だ、元々ブルーの淡い色をしていたが、色が少し強くなり、ハッキリとブルーがわかる様になった。
潜在能力が開花すると何かしら体にも影響があるのだろう。
翌朝、いつもの練習に出ると珍しくカーリがくっついてきた。体が暖まった所でカーリと対戦する。
カーリは軽く動いているらしいがその動きはは凄すぎやた。目ので追うのも、大変な状態。さらにその打撃力だ、軽く出しているにも関わらずその威力は段強い、受ける腕が悲鳴をあげる程だ。
練習が終ると何か納得が行ったのか、1人で頷いている。
「リオン有難う、何とかつかめた」そう言って屋敷に戻る。
カーリと入れ違いでリーンハルが来る。
「リオンさん、私にも稽古付けて下さい」
続けて、リーンハルと対戦する。
お互いに白狐、風斬り丸を持って構える。
風斬り丸を持つリーンハルにとって多少離れた相手も自分の間合いだ。風斬り丸はその名の通り、空気をきる。
その斬られた空気が相手を襲う。本当、恐ろしい物を手懐けてしまったものだと思う。
小一時間程リーンハルと手合わせして練習が終る。リーンハルは身体強化を使わずにいたが普段身体強化をした時と変わらない強さがあった。今のリーンハルは純粋な人族では最強なのでは無いか?
そう思わせる強さを持っていた。
この2人の強さを見ると魔法が得意なアルネとルーニーは練習場所を変えないと駄目そうだ、この豊かな森が簡単に焼け野原になりそうで怖い。
◇
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