117話
翌日、大会の受付にくる。受付を負えて自分の番まで会場で対戦を観戦する事にした。
流石に予選を抜けたパーティーだ、強い。
中でも気になったのが戦士の男、剣士の男。魔法使いの女、タンクの男2名のパーティーだ。
実力を隠し、なにかを狙っているようなやり取り。会場の中の人達との目線を使ったやり取り。
恐らく、何処かの騎士団かホルスメン中央ギルドから派遣された冒険者だろう。順調に行けば明日当たる予定だ。
僕の番が近付き控え室に入る。入るとすぐにギルド職員から呼ばれ会場に出る。どうやら呼ばれてたらしい。
闘技場で対戦相手を待つ。
突然アナウスが流れる。
「さあ、本大会の優勝候補の一角を倒した、チーム リオン。そのチームリオンの対戦者がこれまた本大会の優勝候補の一角。
ナーラ国のSランク冒険者。今回唯一の個人出場。
ルミナスの登場だぁ~」
反対側の入り口から出て来たのは女の子だ。魔族の子だろう。立派な巻き角を持っている。
見た目と違いかなり強いと思う。
突然、対戦者から声をかけられた。
「おい、お前、俺のこと、女の子だと思ったな(怒)」
何でわかったんだ。
「すまない、見た目でそう思った」
「おれはこんな見た目だか男だ。ちなみにお前よりも年上だ、ちゃんと敬意を表していれば殺したりはしない」
「やっぱり魔族だね、何でナーラで冒険者を…」
審判が出て来て話を止める。
「これより、ルールを説明します。ルミナスさんは1人で登録をされている為、1対1の対戦とさせて頂きます」
「問題無いです。僕のパーティーは遅刻してますし、僕が負けたら僕のパーティーの敗けでお願いします」
「ルミナス選手もよろしいですか?」
「問題無い」
審判が闘技場を出た。
ルミナスが魔闘気を纏う、魔闘術は元々魔族の戦闘方法だった。
我々が行う魔闘術はそれを人属に適した使い方にアレンジしてるだけに過ぎない。
ルミナスが剣を抜いた。魔闘気を纏い剣を持つスタイルは初めて見た。
僕も練習用の刀を抜く。
ルミナスが間合を見ずに剣を降る。降ると同時に黒い剣が僕を襲う。
刀を合わせ、いなすように衝撃を後ろに流す。
シュ ダン!! 地面に切れ目が出来て黒い剣が消えた。
「オウ~」パチパチパチパチ。
観客席からため息と拍手が沸き上がる。
「初見でかわしたのはお前が初めてだ。お前名前は?」
「僕かい? 僕はリオンだ」
「そうかい、お前だな。リュックニーの英雄は」
「初めて聞いたな。リュックニーの英雄なんて」
「お前なら楽しめそうだ」ルミナスが嬉しそうに笑い出す。
刀をかまえると黒い刀が左右に3本出る。面白いスキルだ。僕も楽しめそうだ。
少し魔力を解放して構える。リラックスして刀をかまえ、無駄な力みを抜く。
ルミナスの動き合わせ僕が攻める。ルミナスが刀をあげてかまえるのに合わせ、左前に刀を振り抜く。
スパッ 刀が魔闘気を斬り、ルミナスの胸に傷をつける。
ルミナスが僕の残像を上段から斬る。
僕の残像を追うルミナスを後ろから斬る。ザッ ガパッ
音がしてルミナスの魔闘気を斬る。
ルミナスが後ろを振り向き「お前、化け物だな」
そう、言葉を残し前に倒れる。
審判がかけよって来て、両手を上で何度も交差させ、試合を止める。
立ち上がり試合終了を示した。
静に控え室に戻る。1時間程で再度呼ばれる。
闘技場に出ると審判と対戦相手のリーダーか出ている。
「運営より、お伝えします。チームリオンの対戦相手。チーム 輝きは、チームメンバーの負傷により対戦不可と判断示した。
よってこの闘いはチームリオンの勝利とします」
観客席からブーイング等が出るが僕は勝利を宣言して控え室に戻る。
職員から説明があった。
「今回はすみません。相手チームより、対戦不可能と話しがありました。実際、闘える人は現在1人だけのようです」
「僕はかまいません。むしろ怪我等はキチンと治す必要があります。対戦者にもお伝え下さい」
ギルド職員が頭を下げて僕の元を離れた。
僕がアメールに来る。明日最終日。流石にみんな揃ってもらわないと。
ギルドに入るとルーニーが受付に座っていた。
「あら、いらっしゃい」サンリューチュさんが向かい入れてくれる。
「ルーニーは、なにをやってるのですか?」
サンリューチュさんに聞く。
「何か、受付業務にはまったらしくて。やらなくても良いって言ってるのに座ってるの」
カウンターに近付きルーニーに声をかける「依頼の受付をお願いします」
「どういった依頼ですか?」受付らしくルーニーが返事をする。
「僕のパーティーメンバーを探している。僕の可愛い奥さんでもある。4人いるんだが何故かみんなそろわなくてね。呼び出し手もらえるかな?」
「かしこまりました。受付はルーニーが受付させて頂きます」にこやかに笑い、お辞儀する。
サンリューチュさんと食堂に座る。ランバートさんも食堂に出てくる。
「リオン、悪いな。2人共良くやってくれる。助かるよ」
「なら良かったです」
「はい、お待たせしました」リーンハルが料理を持って出てくる。
「そうだね、待ったよ。このところリーンハルの手料理食べれ無くてつらかった」
「本当にリオンさんって、私がいないと生活出来ないだから」ニコニコと言われてしまった。
ルーニーがアルネとカーリを連れて来る。
「さあ、依頼は完了で良いですか?」
「ありがとう」
ちょっとの期間会えなかっただけだけど、5人揃うと、ほっとする。やはり、気を遣わない相手は僕の救いなのだろう。昨日あんなに怒った事はすっかり忘れている。
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