116話
「なお、翌日の最初の対戦は朝10時を予定しております。出場される選手の方は遅刻等無いようにお願いします」
会場に最後のアナウスが流れる。
会場を後にして、首都ラアドの外に空間移動して首都に入る。ハマイルさんのお店にきて1人で食事を取りながら今後の事を思う。
辺境都市の盛り上がりと比べると静な環境にほっとしてた。
ベリスとの組が最後まで合わないように工夫をされていた。明日2回戦い、勝てば明後日。準決勝を勝てばベリスと対戦の予定だ。流石に最終日はみんな呼ばないと駄目だろうな。
今日はカーリの様子を見に帰るか。お店を出て、空間移動をして拠点に戻る。
家に入るとカーリが僕のベットでゴロゴロとしている。「カーリ、ただいま」
「リオン!!」カーリが抱きついて来た。
「みんな帰って来ないけど何処に行ってるの?」珍しくカーリが寂しそうに聞いてくる。
「アルネは姉さんの所。ルーニーとリーンハルはアメールのランバートさんの所にいるよ。カーリも姉さんの所に行くかい?」
「うん」
だいぶ落ち着きを取り戻したカーリを連れて姉さんの屋敷まで空間移動する。
部屋に案内されるとアルネと姉さんが談笑していた。
「姉さん、お邪魔するよ」
「お邪魔します」珍しくカーリも挨拶した。
「カーリ、収まったみたいね。よかった」アルネがカーリに抱きついて喜んでいる。
「リオン、聞いたぞ。ビルルマで遊んでるんだって」
「姉さん、遊びじゃ無くて依頼こなしてるの」
「どっちにしろ遊びみたいなもんだろう?」
「まあ、否定しないけど」
「アルメニアはどうだった?」アルムがいたずらっ子のように笑い聞いてくる。
「そうだね、揃ったし報告するよ」
「先ず、ルーニーとリーンハルについて
メルシャン ルビー フォン アルメニア。
メルシャンはリーンハルの双子の妹。
オリオン ルビー フォン アルメニアはルーニーの双子の妹。
共にアルメニア王国の王位継承可能な地位にいる。
アルメニア王国には、言い伝えがあって双子が生まれたら先に生まれた子を外の国に出す、後から生まれた子を国内に残す。王家では、未だにそう言った事が繰り返されている
リーンハルとルーニーは正真正銘アルメニア王家の子供だった」
「次に勇者の盾は殆んど潰れていると思われる。1部の残党がまだ勇者の盾を名乗っていると考えている。正直に放置しても問題無いだろう、そう考えた。
最後にスカルプとリーナはすでに死んでいた。2人の遺体を確認したよ、現在捕まっているスカルプとリーナは恐らくベリスが準備した別人。ベリスの関係者だと思う。簡素に話したけど以上が報告」
「あらかた分かって来たね。明後日の最終日は私も招待されているから、ビルルマに行くよ。アルネとカーリは私の護衛を兼ねて一緒に行動してもらうからね。
それとアルメニア王国との国境の村には、オーヂエンとアルメニアで共同で掃討作戦を行う事になった。
リオンがアルメニアで暴れてくれたおかげで助かったよ。タイナーが喜んでいたよ、アルメニア王国とかなり有利な国交正常化交渉ができるって」
「姉さん、こんな無茶振りばかりだと、すぐにでもオーヂエンから逃げ出すよ。面倒な事ばかりだし。美味しい思いしてるのも姉さん達だし」
「リオン。そんなことい・わ・な・い」
何だろう。この背筋をゾっとさせる言い回し。誰かを連想させる行動。
駄目だ、わからない。分からないけど嫌だ。本能が拒否をする感覚。
「姉さん、誰の物真似か知らないけど2度とやらないでね」
アルムが?を出し考える。そして僕を見て楽しそうにまたやりだす。
「リオン。そんなことい・わ・な・い」
またやったよ(怒)。本当に嫌なのにまたやったよ(怒)。
「そ、それが姉さんの考えなんだね。良くわかった。当分姉さんには会わない、依頼もうけない」
僕がアルムを冷めた目で見る。アルムは嬉々として楽しんでいる。
反応が余計にイライラとさせる。
「わかった、僕はもう帰る。アルネ悪いけど後をお願い。落ち着いたら1度戻ってきて、今後の確認がしたい」
「姉さん。それをやめないと2度と会わない(怒)」すねたように良い放つ。
1人で拠点に空間移動する。でもアルネもカーリも来なかった。1時間待っても来なかった。
そ、そうですか?2人と出会って喧嘩何かしたこと無いけど、もお~怒った。
ガレシオン公国のルッツ地方の海岸に来た。海を相手に暴れるなら誰も文句は無いだろう。
海魚人が海辺をのさばり。ワームが砂地から顔を出す。魔力を解放させ海魚人とワームを固まらせる。威圧する必要も無い。
シーバトラーのような海の怪獣、海兵に恐れられるような巨大モンスター出もない、憂さ晴らしにもってこいだろう。
海魚人とワームを倒しつつ、シードラゴンやマーメイドソルジャー等が時々沸いてくる。こいつらは常に海から沸いてくる。普段は鬱陶しいがこんな時は最高に倒しがいがあって楽しい。
小一時間魔力を解放したことで少しスッキリしてきた。
でも帰るのが面倒くさい。別荘はカンナがうるさそうだし、アメール村はルーニーとリーンハルがいるし、ビルルマは大会で面倒だし。
そうだ、ガレシオン公国のビルルマ領なら僕を知らないし誰も来ないだろう、そう思い空間移動。ビルルマ領に来る。
一軒の宿屋に入る。何とか1部屋空いているらしい。宿の食堂でエールを頼む。見知らぬ冒険者か話しかけられた。
「おめえさん、みねぇな。何処から来たんだ?」
「オーヂエン国のビルルマ領からですよ」
「何だ、あんたも大会に出場するってはなしかい?」
「そんな所です」
「兄ちゃん、悪いことは言わねぇ。生きてる間に棄権しな。あの大会には魔王より怖い奴が出てるんだよ」
「ま、魔王より怖い奴?」「もっと詳しく教えてもらえますか?」
「なんでぇ、食いつくね。お、いけねぇ、おらっちのエールが空だぜ」
「姉さん。エール2つ」
「若いのに気が聞くじゃねえか。兄ちゃん」
店員の女性が震えて冒険者をたしなめる。
「あんた、酔っぱらい過ぎだよ」「おい、あんたら、こいつを宿に連れていっておくれ」
呼ばれた他の冒険者が僕を見る。
「女将、確かにこの依頼受けた。命に変えても連れてくぜ」
「おい、何わからねぇ事言ってんだ」屈強な男達が4人程で冒険者を連れていく。
「お兄さん、悪かったね。あいつ酔うと見境無くてね。この間、領主様にもちょっかい出してね。正騎士に八つ裂きにされたばかりなんだよ」
「そうですか。所で宿は空いてますか?」
「家かい?あるよ。私のベットだけどどうする?」
「遠慮します」
「そうかい、あんた良い男だからサービスしてあげたのに」唇をなめるような仕草、妖艶な表情で上目遣いに言われた。
エールを飲んでルッツにある別荘にくる。カンナがいなく他のメイドだけだった。
部屋に泊まると伝えるとてきぱきと準備をしてくれる。明日の朝、朝ご飯を食べて出かける事を伝え、今日来たことはカンナに言わないようにと念をおしておく。
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