第171話

ルーニーに前田 流言の両腕を治してもらった。世界樹の実を食べてからのルーニーの神聖魔法は物凄く、死者以外なら全て蘇生出来るのではと思わせる程だ。


前田 流言がルーニーを見る。

「ルーニーと言ったね。ありがとう。君は神聖魔法の使い手なんだね。それも恐らく歴代の神聖魔法の使い手のなかでも5本の指に入りそうだ」


ルーニーがにっこりと笑い他の人を見て回る。


前田 流言がぼそっと声をかける。

「風雷の王子、久しいな」


リーンハルが許可を出した。風斬丸が話し始める。

「久しいな。斑目は終わった。前田は問題無いか?」


前田 流言が驚いた顔で風斬丸を見た。

「斑目が終わった? 本間 勇幸殿はすでに亡くなられたのか?」


「ああ、最後に弟子を残してな。それと座部座の者がガンスって奴の所にいる。今頃、頑張っていると思うぞ」


「そうか、ようやく俺達の時が終わるんだな。なんかほっとするよ」


「ふん、前田 流言。まだ小僧のくせしてなに言ってやがる。しっかり下を育てろ。前田の血 も未々捨てたもんでも無いだろう。言い奴がちらほらと見えるぞ」


「そうか、なら、おれも頑張ろう。風雷の王子、会えて嬉しい。2度と再会出来ないと思っていた」


会話が終ると風斬丸が大人しくなる。


「リオンさん。皆さん無事でしたよ」

ルーニーの声が聞こえる。

「ルーニー、リーンハルありがとう。今日はもう帰ろうか」


「は~い」ルーニーの返事が聞こえた。リーンハルはデルタントを睨んでいた。


リーンハルに声をかけて3人で空間移動して、ラピスに拠点に戻る。


拠点の部屋に大きな変化があった。元々大きな1部屋の間取りだった部屋にマリアの部屋と僕の部屋が出来ていた。


マリアの部屋は入り口に近く、キッチンからも近い場所にある。それから共同スペースがあり、ベットも昔と同じように4個繋げてある。


部屋の奥に僕の個室が出来た。防音もかねた厚い壁とKINGサイズのベットがある。

帰るとアルネとカーリが寝ており、昨日一緒だったリーンハルはアルネ達と同じベットに入った。


翌日いい匂いで目を覚ます。マリアが皆の食事を準備してくれていた。マリアも揃って6人で朝食を取る。


アルネから、今日はマリアも一緒にマリエラの辺境伯のライズの所にいく予定だと聞いた。全員で顔を出す予定らしい。


僕はもう一度ナーラ国の北の村に行くことを伝える。


朝の内に北の村にくる。前田 流言に会って戦える者がいるか訪ねる。


「どうした、戦える者って。少し物騒な事が起きたのか?」

前田 流言が聞いてきた。


「僕達はどうも四聖獣教団と因縁があるらしくてね。少し、奴らのねじろを押さえて置きたい。その為に前田 流言に道案内を頼みたいと考えいる。


もしかすると昨日のような事もあるかも知れない。僕が行ってる間に何か起きても目覚めが悪い」


「そう言う事か。なら問題ない」そう言うと

前田 流言が立ち上がる。


「春、松、雪、こっちに」前田 流言が声をかけると鬼人族の若者が来た。


「私は少しリオン殿と出かける。お前達は私が帰るまで村を守っていろ。良いな」


「「「は、仰せのままに」」」


「子奴らは、鬼人族の血を色濃く受け継ぐ者でな。皆、私跡取りだ」

前田 流言が跡取りとまで言うこの3人は他の鬼人族とは違う強さ感じる。恐らく前田 流言を越える存在になるだろう。そう思わされる。


前田 流言の空間移動でドラゴンニュートの村にの近くにくる。

村の入り口から、幻覚草の臭いが漂ってくる。前田 流言に帰るように伝える。昨日の今日で戦える状態の体ではない。


前田 流言は村に空間移動した。


村の回りから見て回り、見張りらしきも者から次々と倒していく。村から海に抜ける街道を発見。村の反対側の入り口から攻め、海に至るまで全てを破壊することにした。


反対側の入り口までくる。白狐が出て村に突進していく。鳳凰も飛び出し海に向かい飛んで行った。僕も村に入る。


一つ一つの家屋を見回り、隠し部屋、隠し通路がないか調べていく。

村の中心にある井戸まで来ると井戸から異臭を感じる。どうやら幻覚草をここに入れて使っていたようだ。


村の中にいるものをほとんど白狐が倒し。僕の元に奴隷と見られるエルフ族の男と、獣人族熊族の女を連れて来た。


直感的にエルフ族の男の首を練習用の刀で跳ねる、この男は黒だ。本能がそう僕に告げた。


「僕はリオン。君は?」熊族の女に声をかける。


「ダンサール国。レットです」


「そうか、帰れるなら帰っていいよ。これは僕が勝手にやってる事だ。四聖獣教団は僕と因縁がある。それだけだ」


「感謝します」平伏して挨拶した女が消える。

その後も村と回りをくまなく探し殲滅した後に海岸まで歩いて行く。歩いて行く間も、四聖獣教団とおぼしき者に会うと白狐が全て倒していく。


海岸には鳳凰が到着しており、足元に1人の男を捕まえていた。


「鳳凰、ありがとう。その男はどうしたの?」


「主か。海で溺れていたので助けた」


鳳凰に捕まった男の元に行くと声をかける。

「ひぇー、私は美味しくありません。許して下さい」

そう言って騒いでいる。


「貴方は何処からこられたのですか?」

僕が聞く。


男が怯えながら僕を見る。

「私はナーラ国、リュックニーの雑貨店にお世話になっている行商人です。

ポーションを買いに向かっている途中で嵐に会って投げ出されてしまいました」


「リュックニーのポーション? 聞いた事が有ります。凄く良く効く物だと伺いました」


「はい、あのポーションは沢山の方に届くべき物です。なので店主のジョーさんも決して高値では販売しません。必ず困っている人の所に運ぶ我々にしか、まとめて卸してもらえないです。

ですが、船ごと、嵐にやられてしまい、この数日海に漂って降りました」


僕が話を聞いてる間に船屋に隠れた者や、海に逃げた者等を白狐と鳳凰が全てたおしてしまった。

さらに鳳凰が海に向かい鳳凰のブレスを出す。初めて見た技だか、威力が凄く。海が二に割れる位の衝撃で海の彼方に飛んで行った。


本当に白狐と鳳凰は僕より強いと思う事が有る。まさにこれがそうだ。良くこんな強さの2人が僕の見方をしてくれる。それだけは本当に助かる。


行商人を連れて北の村に1度戻る。前田 流言に終わった事を伝えると、僕のお婆さんが向かった場所を教えてくれた。時間があったら行って見るといい、そう言って教えてくれた。


その後、行商人をリュックニーに連れていき、ジョーに合わせる。ジョーと2人泣きながら喜んでいるのみてから、マリエラのギルドまで空間移動する。


ギルドでギルドマスターをお願いする。

受け付けのお姉さんが僕を覚えていたようで、ご機嫌で話しかけてきた。

「お帰りなさい。何時戻られたのですか?」


「今です。それで挨拶をと思いまして来ました」


「そうですか、あ、今、ギルドマスターのエンリールさんとオランさんもいますよ」


「オランさん? オランさんはギルドマスター辞めたのですか?」


「いえ、統括マスターとしてロンリーヌ地方に統括本部ギルドを作ってそちらにいます。今呼んできますね、お待ち下さい」


数分後「リオン来たのか?部屋に入れ」

エンリールさんの元気な声が聞こえた。

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