113話
国王との謁見を終えてオルフィ殿下の私邸に戻る。部屋に戻ると何故かダリアさんがベットで寝ていた。この人、何故ここに?僕に何をしたいのだろう?
僕と一緒に来たオルフィ殿下が見つけ呆れた顔で怒る。「ダリア! あんた躾がなってない。今すぐでて来なさい」
「ヒ、オルフィ?」「無理、もう少し寝させて」
「何を言ってるの? 貴女、男性のベットに入って寝るなんて、はしたないにも程が有ります」オルフィ殿下が頭を抱えて怒る。
「いいじゃない。意地悪言わない。そんなに私がここにいるのが嫌なら自分の部屋に行ったら」
「そ。ならそうさせて頂きます」
「リオン様、少し汚れていますがこちらでございます。ここよりは良くお休み頂けるかと思いますので、行きましょう」
「り、り、リオン?」ダリアさんがガバッと起きてこっちを見る。
「だ、ダメダメダメ。オルフィ、あんた仮にも王女何だからそんな事したらダメだよ」
パタン。ドアが閉まる。カチャ!!
オルフィが部屋の外から鍵をかける。
ドンドンドン 部屋からドアを叩く音が聞こえる。オルフィ殿下の案内で中庭に来る。
メイドにお茶を持って来るように命じてテーブルに座る。
「オルフィ殿下。少しの間アルメニア王国にいてもよろしいですか?」
「私達は構いません。と言うか、ずっとこの国にいてもらいたい位です」オルフィ殿下がいたずらっ子のように笑う。
「勇者の盾と四聖獣教団の関わりを少し調べたいと思います、アルメニア王国とオーヂエン国と間の空白地帯にアジトがあるとオーヂエン側では考えています。
ですが元々オーヂエン国とアルメニア王国には休戦協定こそ有れど国交がありません。ですが、せっかくアルメニア王国に招かれてこちらにいます。
しばらく、オーヂエン国とアルメニア王国を往復しながら確認させてもらえませんか?」
「リオン様を信用していない訳ではありません。ですが私もロイヤルナイトを指揮する立場にございます。返答は待ってもらっても?」
「そうですか。オルフィ殿下も姉さんと一緒でネズミの餌やりも大変でしょう。それとも共同で飼ってらっしゃるのですかね?」
「ネズミ等、はしたない言葉止めて頂けますか?」
「では、言葉を変えましょう。オルフィ メンル イーヂエン殿下。僕が何も知らずにここに来たとお思いですか?」
「貴方、記憶がないのでは?」
「はい、殆んど有りません。姉さんもこの事は知りません。
ですが、僕のお母さんが全てを教えてくれました。
僕が拐われたあの時、みんなに何があったか。あの1~2ヶ月の間に、何故タイナー国王の妹であるオルフィ殿下が人質としてこの国に来たか。
それと同時に何故、姉さんが子供が産めなくなる出来事がおきた。何故、平民であるモンナを王妃にしたのか。そして何故、先代国王であるタイナーの父親が現在名前すら言ってはいけなくなっか。
僕と婚約をした人は何故か不幸になる。まあ、オルフィ殿下と婚約していた事には驚きましたけど。
お母さんとあってから少しそのように悩みました。姉さんしかり、オルフィ殿下しかり。でも、起きた事は覆りません。なのでその全てを飲み込む事にしました」
ティーカップの脇におかれた小さなフォークを持つと真後ろに投げる。
魔力を込めて投げたフォークは勢い良く飛びメイド服を刺しながら壁に刺さりメイドが動きを止める。
「昨日も言ったけど、余計な動きはしないでぐださい。貴女が誰のネズミだろうと動けば殺します」昨日、釘を刺したメイドだ。
「ヒィィィィ」メイドが膝から崩れ失禁する。
「オルフィ殿下、僕に強力して損は無いと思いますよ」
「ふん、あの可愛い坊やは何処に行ったのかね?本当、スカルプの息子は可愛げがない」オルフィ殿下が腹をくくった顔をしている。
「ベリスは本当にオルフィ殿下を襲ったのですか?」
「本当よ、この王都を出てすぐよ。沢山のモンスターに守られながらやって来たわ。
最初は顔合わせ程度ね。
その後は何度も狙ってやって来る内に私のベットに潜り込んで寝てやがったけどね」
「ブッ」「ダリアさんみたい」
「ダリアって、リオンの所であんな事を何時もしてるの?」
オルフィ殿下、一気に距離を縮めたな。
「普段はギルド職員なので、もう少し大人しいですよ」オルフィ殿下がフムフムと頷く。
「ベリスの奴は私の部屋だと知らずに入って、休んでたらしいよ。ロイヤルナイトに相当こっぴどくやられていてな。腕も複雑骨折していた。
まあ、可哀想だったから、ヒールをかけて怪我は治してやったけど、その後、部屋を抜けて脱出する時に家のメイド達にまた捕まって10時間位かな、拷問部屋にいたぞ、アルムのこがいの子たちから相当な拷問受けていたけど」
だろうね、そうだろな。アルムの部下だもんな。容赦無いよな。
「それからは2度と来なくなったわよ」少し残念そうに話す。
アルムとオルフィは基本的に性格がにてる。戦い方も好みも。ベリスはそれを悟ったんだろう。だってこの2人の解決方法は決闘だけだもん。それしか頭に無い戦闘狂だ。
恐らくその時に決闘を行えば確実に死に到るだろう。ベリス、良く逃げたぞ、そこだけはほめておく。
「おい、リオン?お前今よからぬ事を考えたな。何ならベリスではなくお前でも良いんだぞ。どうだ今夜でも?」
「だ、ダメ、ダメだよ。リオンさんには奥さんいるの。可愛い奥さんが。絶対駄目」何故かダリアさんが来て僕の前に立つ。
オルフィ殿下が立ち上がり
「ダリア、敬礼」
ザ、ダン。子気味良い音が聞こえダリアさんが敬礼する。
「やすめ!!」
「はっ」ザザ。足を少し開きダリアさんが前を見る。
「時にダリア。お前は私が貞操観念の無い女だと思っているか?」
「いえ、そのような事はございません」
「お前は、なくなった我が主人のご恩を私が忘れていると思っているのか?」
「いえ、思っておりません」
「なら、先程のお前の言った言葉の意味を答えよ」
「は、そのままの意味でごさいます。リオン君は異性として非常に魅力有る男性です。万が一、何か間違いがあってはと思い、提言致しました」
「ダリア!!」「お前は良い度胸をしている(笑)」
「今夜が楽しみだな。リオン、そなたも覚悟しておけ。何故わらわが夫を亡くしてもこうしてアルメニア王国にてロイヤルナイトを指揮するか。良く教えてやろう」
「オルフィ殿下、会場はどこですか?」そう僕が確認する。
「王宮の闘技場を準備しよう。ダリア、久しぶりにお前も鍛えてやるぞ」
ダリアさんの顔が青ざめている。やっと僕とオルフィ殿下の会話の意味を理解したらしい。
夜に闘技場に来る。ダリアさんが使い慣れた鎧と武器を持ち立っている。
僕が中に入る。
パチパチパチパチパチパチパチパチ
突然の拍手に少し驚く。国王、王妃、王女、王子達と、兵士やロイヤルナイト達が中にて始まるのを待っている。
国王が戦いを宣言する。
「我がアルメニア王国きってのロイヤルナイトと呼ばれる。オルフィ フォン アルメニアとオーヂエン国きっての強者と呼ばれる冒険者のリオン レイス レイン。
最強と言われる2人の戦いを見よう。審判は元ロイヤルナイト。ダリアを任命する。
この者を皆知っていよう。齢13で剣を持ち、圧倒的な強さを見せ王国騎士団に入り、数々の武功を立て、ロイヤルナイトに抜擢された天才だ」
国王が満を持したようにダリアさんを見る「ダリア、しっかりと頼むぞ」
「ハイ」
ダリアさんが闘技場の真ん中に立つ。
「ロイヤルナイト、オルフィ前に」
「ハイ」オルフィ殿下が前に出てくる。
「リオン様、前に」
僕はただうなずき前に出る。
「これより、対戦を始める。相手が戦闘不能、もしくは審判が止めた時、雌雄を決する。武器は好きなものを使用してかまわない。
テイムしたモンスターの使用も可能。魔法の使用も可能。王国魔法兵団が周りをおおっているため魔法も自由に使ってもらってかまわない」
ダリアさんが僕とオルフィ目覚める殿下見て言う。
「以上。これより後ろの線まで下がり2人とも下がったところで始める。開始の合図は無い。下がれ」
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