第163話
結婚式の当日。他国からお祝いの品が続々とどいた。そこには聞いた事も無い離島にある小国まで含まれていた。
その小国は過去にガンスとロンバートが旅行した旅行先だと知って驚いてしまった。
そんな中で僕達の結婚式が始まる。
最初にアルネとの式が始まる。壇上に上がり結婚の近いを立てる。
その時に渡されたのがシールズマウンテンの卵とオリハルコンの宝珠で出来た腕輪であった。これは、エルフ族の結婚の証として使われる物らしく、永遠の愛を誓う物だそうだ。
元々エルフの一族は海等ない森の奥深くで暮らしている。そこで結婚に際し、海の物と山の鉱物を繋げた腕輪を共同で作成し、お互いに持つ事で愛を確かめ合う。
すでに行う者もいなくなった、そう言う習わしがあるらしい。
通常はただの腕輪だが、この腕輪はマジックアイテムになっていて、相手が亡くなった時に、教えて暮れくれる物だと言う。僕達は冒険者として時に離れることもある。だからこそアルネが作りたかった物らしい。
当然これは、5個あり、結婚式の度に僕がみんなに付ける必要がある。
現在では、伝承になっていたその風習をもした腕輪に、回りにいたエルフ族の女の子達の羨望の眼差しがこの腕輪に集中する。
式の為に、中心に立ったって僕とアルネの挨拶が終る。
それから宴会が始まる。僕達の回りにはカーリ、リーンハル、ルーニーを中心にランバートさん、ダリアさん、ヒューズが集まり。その回りにダンサール国とマンチェッタ国の主だった者が集まり大騒ぎとなる。
それも困った事に主役を代えてこれが後4日も続くのだ。
初日の式を終えて、僕達は大宮に入る。しきたりに準じてみんな各々の外宮に戻る。
僕とアルネはアルネに与えられた外宮に2人きりでいた。
「初めてかも知れないね。パーティーを組んでから、2人きりで夜を過ごすなんて」僕が感慨深く呟く。
「そうね。いつも誰かと一緒だったね。何かそれが当たり前で、こうして2人きりなるとドキドキしてくるね。
いつもみんなと一緒だったから、やっぱり1人のベットは寂しかったな」
アルネが複雑な笑顔で笑う。
それから僕達は出会ってすでに数年たつにもかかわらず、初めて2人きりの夜を過ごす。
朝目を覚ますとアルネがお茶を入れてくれた。
「リオン、先に大宮に行ってて。私は少し準備をしてから向かうから」
アルネにそう言われる。アルネをハグしてから、大宮に戻る。
式2日目はカーリとの式だ。朝食を食べていると、カーリと、ルーニーが来た。
3人で朝食を食べる。「リーンハルはどうしたの?」
僕が聞くとルーニーが教えてくれた。
「昨日、ヒューちゃんとダリアさんと飲み過ぎ、二日酔いです」
「ブッ」思わず吹き出しそうになる。
「リーンハル、お酒弱いのにそんなに飲んだの?」
「ダリアさんが飲ませたの」ルーニーが迷惑そうに言う。その態度を見ると、ダリアさんはルーニーとリーンハルにとっては母親なんだと思う。
けど、ダリアさんって凄く若く見えるけど何歳何だ。少なくても僕より一回りら上なはずだ、もしかしたらもっと上かも知れない。
僕達がご飯を食べ終る頃に、アルネとリーンハルが来た。アルネはみんなの顔を見ると真っ赤になり、ちょこんと僕のとなりに座りご飯を食べ始める。
この後、みんなの好奇の目がアルネに集中したのは間違い無い。
僕は式の打合せの為、大宮をでる。打合せを終えて姉さんと会う。
「リオン、奥さんほっといて良いの?」姉さんは相変わらず素っ気ない。
「大丈夫じゃない。僕も今日らここにいるし。
それより相談があるんだけど」
「なに?面倒事ならお断りよ」
「タイナーとモンナに会った。その事」
絶対に面倒事だと決め込んでいるよね。大体この件自体、姉さんとスベルト男爵の担当なのに。
「やっぱり面倒事ね。で、なに?」
「僕達、来月から少しの間、オーヂエンに滞在する。まだ、みんなに伝えていないけど」
「そう、なにを協力したら良い?」
何かあるのだろう。含みを持たせた言い方をしている。
「姉さんの屋敷に滞在させてもらえないかなと思って」
「あら、残念ね。私、来月からちょっと用があって屋敷に居ないの。私からタイナーに言っておくから、タイナーの屋敷に居なさい」
何か有るな。国の要を国外に出すことは決してない。ここでは話せないと言うことだろう。
「そう、ありがとう。大宮にくる。みんな揃っているよ」
「そうね、ガンスの世話も飽きたし顔をだすわ」そう言うと1人で大宮に行ってしまった。
夜はカーリとの式だ。マンチェッタ国の騒ぎ方が凄くかなり疲れてしまった。
そしてつつがなく日程が進みルーニーとの式の日になる。
リーンハルとルーニーに対しダリアさんが式用のドレスを準備してくれていた。それにはリーンハルとルーニーの感激の仕方が凄く。僕の準備したドレスを着た後にお色直しで、ダリアさんの準備した、ドレスを着て盛り上がった程だった。
ルーニーとの式も終わりルーニーの外宮に来ていた。
「リオンさん、お疲れ様でした。4人もいると疲れませんでしたか?」
ルーニーが優しく声をかけてくれる。
「大丈夫だよ。それより最後になってごめんね」ルーニーも気持ち的には最初が良かっただろう、そう思うと思わず謝ってしまった。
「大丈夫ですよ。それにダリアさんにも言われたんですが、私達の故郷では、"最後まで残った者には特別な幸福が訪れる"と言う言い伝えがあります」
ルーニーがそういってにっこりと笑う。
「そう、じゃあルーニーに特別な幸福が有ることを。僕も信じて祈ろう」そういってルーニーの手を両手で包む。
そんなこんなで怒涛の4日間が終る。
式が終った翌日にマンチェッタ国の人達が帰って行き、ダンサール国にも落ち着きが戻った。そして、ガンスと姉さんが帰って行った。
僕と一緒に来たランバートさん、ダリアさん、ヒューズを僕が連れて送って行く。
残ったアルネ達は闘姫のメンバーとアルネ付きのメイドとの対戦をしていた。
僕がランバートさん達を送り届け戻ってくると、まだ闘姫のメンバーとアルネ付きのメイドの対戦が行われていた。その中に気になる子がいる。
確かEランクと言われていた子だ。でもその子はメンバーに隠れ逃げてばかり、攻める訳でもなく、守る事もしない。
感じる魔力や、動き、回りを把握する能力、メイドがどう動くを観察するよ能力から確信した。実力的にBランクだ。
何故、実力を隠す必要がある? 攻める時も1人一呼吸置いて仲間を誘導して自分が攻められないように隠す。
気になって投擲ナイフを飛ばす。
回りのメンバーは気付いていないがその子はしっかりとかわした。かわした上で転ぶという言う演技までした。
対戦を止めて、メイドの子におやつを渡しお礼を伝える。
「ありがとう、仕事以外にこんな事を頼んで。今日はゆっくりと休んでね」
「ハイ!」メイドが元気の良い返事をして帰ってくる行く。
僕がマキュリーとエリアスに近付き声をかける。
「違和感は無かったかい?」
エリアスが下を向く。マキュリーが僕に訴える。
「私の責任だ。勘弁してもらえるか」
「2人の責任だね。村に偽ダメルを呼び込んだのも2人の問題だね。それと同じ事をしている。
仲良くするのは問題無い。でも騙す人間を側に置くのはリーダーとして失格だ。
あの子はレベル30は越えてるよ。
気が付かないのか、わかってて放置したのかは聞かない。
でも、今の君達2人は最低だ。僕に言えることはそれだけかな」
それだけ言って1人の闘姫のメンバーに居合い斬りを放つ。レベルに差が有りすぎるので十分に手加減をする。
ガキ、闘姫のメンバーが僕の攻撃をすんでの所で防ぐ。
「貴様いつから気付いていたぁ!!」僕に向かってメンバーの女が叫ぶ。
「あんな子芝居、恥ずかしく無いの?
それと動くなよ、死ぬことも許さない、貴女が誰で、何のためにここに来たか、全て話してもらおうかな。
大丈夫。僕は姉さん程残酷じゃ無いから、そこは安心してもらって良いけど」
マキュリーとエリアスが怒りをあらわにして、メンバーを見る。
「リオンさん、後は私らでやる。渡してもらえるか?」マキュリーが言う。
「やだ」僕が端的に答える。
マキュリーとエリアスが黙る。
「2人ははこの子を殺せないだろ。だから駄目だ。
2人も良く覚えておきなさい。自分達が強くなればなる程に、回りは変わるものだ。
残念だけどね」
そう言うと、つばぜり合いをしてた刀を横に滑らせる。女の剣が根元から切れ、女の首が体から、離れる。
その後、僕はあえてマキュリーとエリアスをなぐる。殴られた2人は起き上がるとその場に座ってしまった。
「良いかい、仲間を死なせたく無ければもっと良く知ることだ。自分達に近づく者は必ずしも良い奴だけじゃない。かといって悪い奴だけでもない。
闘姫のメンバーは優秀な子が多い。だからこそ、隠れ蓑にもなる。
もっと自分を鍛えなさい。こんな事で泣いていると、仲間をもっと悲惨な亡くしかたをするよ」
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