第133話
マキュリーが僕に近づき真剣な顔をする。
「リオン、虹色蛇を5匹私らに譲ってもらえないだろうか?」
「何かわけありだね。良いよ。リーンハル、マキュリーに虹色蛇を5匹分けてあげて」
リーンハルがこっちを見ると何も聞かずに虹色蛇を取り出しマキュリーに渡す。
「ありがとう。でも理由も聞かないのかい?」
「うん、リオンさんがいいって言うから。問題無いよ」
マキュリーが僕を見る。僕が食材に触れずに聞く。
「マキュリー、帰りはどうするの? 余裕があれば一緒に移動するかい?」
「じゃあ、同行しよう。あんたらと一緒の方が何かと安心出来そうだし」
「マキュリー、Aランク試験の後何かあったのかい?」マキュリーとエリアスの顔色が悪い。思わす聞いてしまった。
「うん、最近、領主がかわった。と言うか領主のところにお客さんが来て、そのお客さんが酷くて、でも侯爵家らしくて領主も逆らえないみたいで…」
「なら、僕に何か出来るかもしれない。そのお客さんの名前はわかるかい」僕の問に少し考えて名前を教えてくれた。
「そいつの名前、ダメル ナルミ ホォン ナーニ。あの戦慄のアルムの従兄弟らしくて、
私らじゃ何にもできない」
「ダメル、あのバカ。ここに来てたの」僕が天を仰ぐ。決して聞くことが無いと思った名前が出てきた。
「リオン知り合い」アルネの言葉にみんな振り向く。
「あ、うん。ごめんね。僕も姉さんもダメルは従兄弟だと思っていないんだよ。
実際は本当の従兄弟何だけど・・・・。
タイナーから爵位を廃爵されて現在貴族位も取り上げられた奴だ」
「何があったの?」アルネが心配そうに聞いてくる。
恥をさらすようで嫌だが言わないといけないだろう。
「モンナがタイナーと婚約した時にモンナに夜這いをかけてお家断絶になったんだよ」
「「「「「「「はぁ!!!!!!!!!!」」」」」」」
ここにいる女性全員が怒りを露にする。
「ごめん、みんなに言えなくて、正直、あまりに恥ずかしくて誰にも言えずにいた。ごめんね」
「いや、リオンは関係無い。寧ろ姉さんにそんな恥を欠かせた癖にこんな所で好き放題やってるとこがやるせない」
アルネが怒りを露にする。モンスターや動物が気配を消す。
「許せない、尊敬できない奴がのさばる、最高に嫌」
さらにカーリが怒る、怒髪天に立つと言うがこれがそうなのだろう。
僕の索敵出来る範囲で全ての生き物の気配が消えた。
この2人の怒りを感じたらガンス意外は興味を持たないだろう。おそらくあのマルチーズすら戦う事を避けるだろう。
「姉さん、姉さん苦しい」エリアスがカーリに助けを求める。
「あ、ごめん、アルネ。落ち着こう」
「わ、わかった」
取り合えず2人が落ち着く。
「エリアス、マキュリー。この件は私らに任せな、て言うか、私らが直接問題解決してあげる」
アルネが笑うが周りは皆恐怖の顔を浮かべる。
でも、僕じゃ無く、姉さんありき何だね。
何か、寂しい。
「マキュリー、エリアス聞いていいかい。君達がAランク試験の前からいたかい?」
「あ、ああ。この村に来たのはAランク前だ。けどあたしらが戻って来た時から幅を聞かせていて。
どうにもならなくてさ。あたしら確かに2人はAランクになったけど、ほかはFランクの子もいるし…
どしようも無いのよ。仕事くれる所との関係を壊されたく無くてさ」
「ギルドも影響を受けているのかい」
エリアスが顔を降る。
「ギルドは私らの見方だ。でもその金をダメルの野郎が、ダメルが…ウ、ウッウゥ~」
「わかった。マキュリー、エリアス。
ごめんな。僕と姉さんがいたらないばかりに…」
僕の怒りが頂点に達した。
ベリスより怒りを感じる事は無いと思っていた。あり得ない事をするダメルがムカつく。
「リオン、さん。おさ、えて…えて…さ……い」ルーニーの声が聞こえた。
一気に魔力を収め、周りを見る。
「ごめん、大丈夫?」
「リオン、やり過ぎ」アルネに怒られた。
「リオンさん、もっと私達を大事にして下さい」リーンハルに怒られてしまった。
「フ~。マキュリー、エリアス。今すぐダメルの所に案内してもらえるか。
僕はベリス意外にも、けりをつけないといけない奴がいた見たいだ」
タイナーがわざわざ最東の村を僕に進めた事の理由が分かった。タイナー、国外に出してもらった借りを帰えそう。タイナー後悔するなよ。
「ゴボ、ゴボ、リオンさん、私達も苦しいですぅ」ルーニーが文句を言う。
「ごめん、ルーニーは特に辛いね。ごめんね」シュンとしてルーニーに謝る。
「別れば、いいです。リオンさんについて行くだけでも辛いんですから少し優しくして下さい」
ルーニー? 僕、結構やさしくしてると思っていたけど、まだ足りないの?
ルーニーがいなくなるのは嫌何だけど…何か泣けてきた。
「ルーニー、ごめんね」
うなだれる僕にルーニーが優しく接する。
「リオンさん。普通の人はリオンさんのエネルギー自体がかなり厳しいんです。
もっと大事にして下さい」
「はい」
僕がうなだれるとカーリが来た。
「リオン、強すぎる力は苦しいだけだよ」
「カーリ、ありがとう。
僕はただ、皆を守りたいだけだなんだ。これから気を付けるよ」
よしよしと、カーリが頭を撫でてくれる。
カーリは僕が暴走する時、いつもなだめてくれる。
「落ち着いたかい、リオンさん、あんたがこんな調子じゃ私ら、一緒にはいけない。
私らはあんたのパーティーみたいに強くはない。勘弁してもらえるか?」
「マキュリー、ごめんね。今後気をつける。君達は僕が必ず守る。それは信用してもらっていい」
アルネとカーリが、マキュリーを観てうなずく。
「あたしら、とんでもない奴を見方につけたようだ」マキュリーが小声でごちる。
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