第134話
その後、マキュリーの案内で最東の村の入り口に来た。
兵士がマキュリーを見つけ手を降る。
「マキュリー、大丈夫だったか?何かとんでもない魔力を2回も感じたぞ。
お前らドラゴンより恐ろしいモンスターと会わなかったか?」
「問題無いよ、代わりにドラゴンよりヤバい人達をみかたにしたよ、彼らだ。
私らのAランク試験の時の教官だ。あのアルム公爵の弟君だ。
ダメルの対応を約束してくれた」
「本当か? ならここから先は何も言わない事だ、ネズミが放たれた」
「おい、門兵!! いつまでやっている」門の内側から蛇のような目の男がこっちを観ている。
「良いだろう、仲間の帰還だ。喜ばない奴はいない」そう兵士が大きな声を上げる。
兵士が蛇目の男を睨む。
「それでその奥にいる奴らは何者だ?」
蛇目の男が僕達に目を向ける。
「僕は国王タイナー陛下より、最東の村の視察を任された、全権大使、リオン レース レイン、後ろ4人は僕の妻だ、公務執行官でもある。領主、ガンナム ランジ殿にお会いしたい」
兵士が驚きこっち近づく。
「失礼しました。書状を見せて頂けますか?
確かに確認しました。しかし恐れいりますが、視察はまだ先の事では?」
「陛下より、ガンナム様宛の伝言を預かっております」
「かしこまりました。俺はこの村の常駐騎士、リオン アルバルトと申しますよろしく」
「丁寧にありがとう。では行きましょうか」
「所で貴方もリオンと言うんですね。何か親近感が湧きます」
リオン アルバルトが大柄な体を豪快に動かし、恐縮しながら領主の屋敷を目指し歩き出す。
僕らが蛇目の男の前を通る。男から殺気を感じた矢先、僕を見ている蛇目の男をカーリが殴る。
蛇目の男の首が、その場で1回転して、そのまま座り込込むように崩れる。
あまりに早く気づいた人は僕達以外にはいなかったようだ。リオン アルバルトすら気付かずそのまま領主の屋敷に来ていた。
もっともあの蛇目の男も嫌われているのだろう、誰も近付くこと無く、誰も気付かずにいる。
「つきました。こちらがガンナム ランジ様の屋敷です」
リオン アルバルトがドアを叩き、声をかける。
何の反応がなく、リオン アルバルトとマキュリー、エリアスが不安がる。
「マキュリー、エリアス屋敷に入るぞ」
リオン アルバルトがドアを壊し中に入る、入って直ぐにメイド姿の女がペタンと座ってボーっとしている。
「おい、どうした? 何があった?」
リオン アルバルトがメイドの前に来て声をかける。
メイドはぼやっとした表情のまま向かいの部屋にむけて指を指す。
その部屋はだらしなくドアが空き廊下から中が丸見えになっていた。だかそれは見てはいけない光景だった。見た者は皆言葉を失なってしまった。
部屋で中年女性が槍に胸を突き抜かれ亡くなっていた。槍は壁に固定され明らかに誰かが、殺ったことだろう。
「お母さん?」マキュリーが中年女性に近付く。
「お母さん? 痛くない? 今おろしてあげるね」マキュリーが震えながら女性を抱え床におろす。
「お母さん、何でこの屋敷に来たの?足悪いのに」
マキュリーが女性を抱きかかえ屋敷を出て行く、エリアスがその後ろをトコトコを付いていく。
「リオン アルバルトさん、マキュリーのお母さんはこの屋敷で働いているのですか?」
僕の問いにリオン アルバルトが無言で否定する。
その後、リオン アルバルトが領主の部屋に走る。ガタン!! ドンドン! バタン!!
屋敷の部屋と言う部屋を調べているのだろう、いたる所からドアを勢い良く開ける音だけがする。
リオン アルバルトがメイドの所に戻ってきた。「ガンナム ランジ様はどうした」
メイドの肩を掴み、真っ直ぐ見て再度聞く。
「ガンナム ランジ様はどうした」
メイドがはっとして、話出すが声が出ないのか、口をパクパクとしている。
「ルーニー」
ルーニーがメイドに近づき異常状態を回復させる。
「あ、声が出る」余りの出来事にメイド自身が驚いている。
「何があったのですか?」優しく声をかける。
「はい、朝早くご主人様がお出かけになりました。
その後不思議な事が起きてしまい、私は先程目を覚ましたようです」
「それでその部屋のなかで女性が亡くなっていた。そう言う事ですか?」
「はい、でも夢を見ているような気分でした。私はご主人様を殺した記憶があります」
「おい、詳しく教えてくれないか」リオン アルバルトがメイドを掴む。
「夢だと思います。朝出かけたご主人様が突如、私達を殺しに来たのです。それで私達はご主人様を殺してしまったのです」
「それは屋敷の中か?」
「いいえ、見たことの無い水場でした。その夢が覚めた時に何故か屋敷の中にいて、女性があのような状態で亡くなっていたのです」
リオン アルバルトを押さえ、メイドに話を聞く。「他にこの屋敷で働いている人は何処にいますか?」
「屋敷奥に我々の休憩室がございます。恐らくそこの部屋だと思います」
メイドを連れ休憩室に向かう。休憩室の中には倒れた状態のメイドが3人もいた。
ルーニーが皆の異常状態を戻す。各々に話を聞くと1人、領主と共に朝出かけた者がいた。
向かった先はギルド。領主はギルドマスターをかねていると言うことだった。
リオン アルバルトに聞くとギルドマスターも兼ねているが主に屋敷にいることが多いらしい。それはメイド達も同じように言っていた。
リオン アルバルトの案内でギルドに来た。
ギルドにエリアスが1人でいる。
「エリアス」カーリが声をかけるとエリアスがカーリに抱きつき泣き出してしまう。
エリアスをカーリとリーンハルに任せ、カウンターに行きマスターを呼び出してもらう。
「ガンナム ランジ様、ご無事でしたか」
リオン アルバルトがガンナムの肩を叩き喜んでいる。
ガンナムは要領をえない顔でリオン アルバルトを見ていた。
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