第58話

ギルドに行きギルドマスターのアルルカンさんを呼ぶ。今凄く忙しいらしく時間がかかるらしい。

何かあってのか確認すると黒ずくめの集団の死体が発見されたらしくその処理に手間どっているらしい。


しばらくしてアルルカンさんが来た。執務室に呼ばれて移動する。


「大変ですね。黒ずくめの問題も」僕がそう話す。

「なんだ、リオン達も黒ずくめの連中とは何かあったのか?」


「はい、オーヂエンで遭遇したことがあります。その時は1人捕まえて兵士につきだしましたけど。今回は誰も生きていないのですね?」


「そうだ。何かの毒だと思う。全滅だよ」

「所で何かあったのか?」


「はい、リュックニーのダンジョンについて詳しい方がいたら教えて欲しくて伺いました」


「ダンジョン? 気になる事が有ったのか?」


「はい、先ず1階層です。草が広範囲で生えていました。部屋なんかはそのままです。今日は2階層にも行きました。2階に上がって直ぐに馬頭鬼がいました。部屋を向けるとジャングルでサーベルタイガーがオーガの死体を食べていました。その奥に向かうと、鎧ウルフ、ミノタウロス、サーベルタイガーの死骸が有りました。オーガロードはいなかったです。我々以外にダンジョンに入っている人はいないでしょうか?」


「すまないが、ギルドで確認しているは君達だけだ。もしかするとギルドを通さずダンジョンに入ってる者がいるのだろうか? モンスターの死骸は回収してきているか?」


「はい、馬頭鬼何かも回収しています、未だ卸していないですが」


「分かった。後で出してくれ。後はダンジョンだったな。何が知りたい? 私もかなり潜ったからある程度の事は分かるぞ」


「ダンジョンの階層の事が知りたいですね。基本的にリュックニー ダンジョンはジャングルだけなんでしょうか?」


「1階層から6階層までがジャングル。7階層から10階層までが洞窟。11階層からは迷宮型、確認されているのは30階層までかな、昔 剣聖のリース レインが80階層まで行ったと言われているが実際にはわからない」


「セイフテー ポイントは有りますか?」


「昔のままなら8階層にセイフテー部屋があった。割りと広くてな複数のパーティーが野営したりした場所がある。あと、5階ごとにゲートと言われる空間移動の魔法が整備されている。行った事の有る階層にはゲートを使うと行き来出来るようになっている」


「そうですか。一階にはそんなの無かったね」


「無いのか? おかしい。一階にもゲートが存在していて俺も一階から別の階層に行ったりしていたぞ。そうなると落ち着くの待って大捜索だな」

「それと2階層で見つかったモンスターを出してくれるか、ここでは問題だから処理場に行こう」


そう言われアルルカンさんと一緒に処理場に移動する。先ずは倒した馬頭鬼とサーベルタイガーを出す。そのまま買い取りをして貰う。

サーベルタイガーに食べられていたオーガを出して、残りの、鎧ウルフ、ミノタウロス、サーベルタイガーの死骸を出した。


鎧ウルフ、ミノタウロス、サーベルタイガーの死骸を見ると何か鋭利な物で攻撃された後が有る。アルルカンさんもそれに気づいたようだ。

「この傷あとだな、リオンが別の冒険者がいると思った理由は」


僕が頷くとより詳しく調べる。近くにおいてある包丁を取り出し傷口の深さや大きさ等丹念に調べている。


「リオン悪いが結果は後日だな。この傷跡だけでもかなりかかると思うぞ」


僕達はアルルカンに後を任せ受付に戻る。受付からお金をもらい外にでた。


ギルドの入り口近くに20才位の男が立っていた。見たことの無い鎧と刀を腰に下げていた。僕達を見ると近づいて来て「すまない。少し私の頼みを聞いてもらえるだろうか?」


そう頭を下げる。

「僕達に何か用でしょうか?」


「私は和議の国、終炎と言うパーティーの1人で名を工藤 桃の条と申す。よろしければ私も一緒にダンジョンに連れて言ってもらえぬだろうか?」

「私どものパーティーが中に入り既に1ヶ月が立つ、今だに誰も出てこずに入る。私はランクが低く1人では入る事が出来ない。何とかお願い出来ないだろうか?」


「申し訳無いですが、貴方を連れて行くことは出来ません。終炎と言うとSランクのパーティーとして有名ですよね。その方立ちが貴方を連れていかなったのにはそれなりの理由が有ると僕は考えます。他のパーティーメンバーを連れて入った後貴方に何かあっても責任も取れないです。僕達は無理です。他を当たって下さい」

冷たいようだがこの決断は揺るがない。と言うか変えようが無い。ギルドが決めた事を僕達が破ると同じ事をする人が増える。そは出来ない。


翌日、ギルドによらずにダンジョンに入る。

ダンジョンに入ると草が全体に生い茂っている。良く見ると草の生えていない場合をみつける。そこを手で押す、土の壁が崩れ落ちる。


良く見るとゲートを確認した。入り口からこんな近くにあるとは思わなかった。ゲートの部屋にモンスターの臭いはなくモンスターは来ることは無いようだ。


2階層に入る。馬頭鬼はいなかった。ジャングルに入る前にこの部屋を通る必要が有るらしいが、馬頭鬼がいないと少し物足りない気がする。

仕方無く奥のジャングルに入る。オークがうろうろとしながらいる。オークはDランクのモンスターだが多くいなければ初心者でも問題無いモンスターだ。今日はオークを無視して奥に進む。どうやら1度ダンジョンをクリアすると元に戻るらしい。


3階層に降りる階段をみつける。未だオーガロードに会っていないことから恐らくオーガロードが3階層にいると思われる。


3階層に出る。鬱蒼とした森林が前をふさぐ。最初に出会ったのがサーベルタイガー。何処かイライラした雰囲気を醸し出している。恐らく常に身の安全を脅かされているそんな反応だ。もしかするとサーベルタイガーを脅かすモンスターが入るかも知れない。


少し進んでいくと物凄く大きな魔力を感じる、その魔力は自らの形を隠す事なくあらわにしている。魔族の森で1度も勝つことがなかったシルバーバック、猿系のモンスターの頂点、Sランク以上の力を持ち様々な場所に君臨したモンスターだ、全長10mを優に超え、強力な腕はドラゴンおも一捻りに倒し、分厚い胸板と背中の筋肉から繰り出される腕の動きは大陸おも分断させると言われるモンスターだ。


まさかそのシルバーバックのなかで特に巨大なマウンテンバック、全長30mを超え、まさにSSにカウントされるモンスターがいる。

何故この低階層のそれも3階に入るのだろうか?


そのマウンテンバックを見つけた時に死を覚悟した。


前回はレベル50だったか、魔族のマルチーズに最後はたすけられ何とか生き延びだ苦い経験だ、実際そのマウンテンバックは倒せず引き返して来た位だ。

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