第168話

北の村にいか途中の借り拠点に朝一で空間移動する。

拠点をでてお昼頃まで歩いていると道端に男が倒れていた。

「大丈夫ですか?」

返事がない。獣傷だろうな。いくつも引っ掛かれたような後がある。


それも深い。呼吸を確認するがすでに事切れていた。


索敵をすると前方に、弱い反応がある、さらに進んで行くと一台の馬車が横倒しになり人が倒れている。

おそらく護衛だろう。鎧を着ている、鎧に大きな穴がある。


少し奥に向かうと戦っている連中がいる。相手はオークの群れだ。オークが10体と言う所だろう。


オークの群れの間を通りやられてい人に声をかける。

「どうされました?」


「ひぃ!!」

僕をみてかなり驚いて震えている。少し落ち着きを取り戻してから再度聞いてみた。


「どうされました?」


「何、余裕かましてんの! 今モンスターに襲われているでしょう。やっつけなさいよ」

「ブモー!!」両方から怒られたようだ。


「っ!」僕が何かを言う前に鳳凰が動いた。オークの前に立つと羽を広げると、全てが終わる。オークも何がされたかわからないと言った顔で倒れてしまう。


「主、最近暇!! 何かやらせて」

鳳凰が僕に懇願してくる。


「そう、ならこの周辺を見てもらえるか、4足獣がいるはず、もしかしたらテイマーもいるかもしれない。もし、テイマーがいたら生きて僕の所に連れてきてもらえるか」


「ふ~ん、まあわかった」鳳凰がつまらなそうに言う。


「鳳凰。ありがとう」


「い、いや…。暇潰しだっただけだから」何故か恥ずかしそうだ。鳳凰が飛び出してしまった。


改めて倒れていた人を見る。ん? 女の子?

あれ、男の子だと思ってた。だって髪短くてフルプレート着込んで、大剣待ってるし、意外。


「大丈夫ですか?」

そう言って手を出して女の子を起こす。


「ありがとう。私はデルタント フォン ナー。 ナーラ国第3王女です。

どなかたわかりませんが助けて頂きありがとうございます」


「僕は、リオンと言います。普段はオーヂエンで冒険者をしています。ちょっと予定がありナーラ国の北の村に向かう予定でいます。


所で王女の護衛にしては人がいなすぎませんか?奥で倒れていた方は、従者の方でしょう。その他の方がいない気がしますが?」


王女がうつ向いてしまった。

「裏切りに会いました。私の母は北の村の出身で、優秀な成績を納め騎士伯位を持った元、冒険者です。

おそらく私の出身を良く思わない者に金で買われたのでしょう」


バサバサ。上から鳳凰が降りてきた。

「主、この女だけしか生き残っていなかった、こいつら仲間割れしてしてたぞ」


メイド風の女をつれて鳳凰が戻る。

「鳳凰、ありがとう。助かったかよ」


「本当か! 私やっぱり役に立つよなぁ」満足したのか、そう言うと姿を消す。


「デルタント王女。この方は?」


うつ向いて何も話せなくなった。

よっぽど信頼を置いていた人なんだろう、そう感じた。


「貴女がこの惨劇を準備したのですか?」

僕が女に聞く。女から幻覚を及ぼす野草の匂いがする。


女は何も言わずこっちを睨む。


「質問を変えましょう。貴女は四聖獣教団の関係者ですか?」


女顔から血の気が引く。僕を睨んでいたが顔を背けしまう。


白狐を抜いて女の首をはねる。


デルタント王女が僕をみて震えている。


「すみません、生かして置くと危険だと感じて、処罰しました。

それより、デルタント王女はこれからどうされますか?」


「私も北の村に行く予定です。ですがこの先の集落に別部隊がおりますそこで部隊に合流してから移動します」

デルタント王女が顔を青ざめながら話す。


「なら、途中まで一緒に行きましょう」


僕の話に仕方ないと言わんばかりの顔をしつつ付いてきた。


そのまま歩き、夕方前に集落に到着する。

集落に付いた時、衛兵に何故か捕まってしまう。


牢屋代わりの納屋に入れられて、衛兵の質問に答えている。


「貴様は何故、王女と共に来た。他の兵士はどうした」

衛兵が何度も同じ事を聞いてくる。


ガチャ、ドアが開く音がして、衛兵が立ち上がり敬礼する。

入ってきたのは衛兵の上官らしき男と、デルタント王女、王女の母親らしき女だ。


「貴方達は外に出なさい」デルタント王女が衛兵に言う。


衛兵がそのまま外に出る。


王女の母親らしき女が近くに来た。何かを上官の男に伝えると僕の縄を解いて僕に立つように言ってきた。


「私はデルタントの母親のリューメルと申します。娘から話を聞きました。

貴方が噂に聞くリュックニーの英雄ですね」


あのデルタント フォン ナーラ。 ナーラ国第3王女の母親で元ナーラ国 Sランク冒険者。

娘と違い結構な長身で僕より背が高く、髪を短く借り上げ槍を持ち対峙している。


どう見ても、冒険者だろうなこの見た目。

「リュックニーの英雄が何か知りませんが、たまにそう言ってくる人がいます」


母親がクスリと笑う。

「貴方も第一魔王と呼ばれる私の親に会いに行くの?」


「第一魔王? 親? 何の事ですか?」僕の驚いた顔を見てさらに笑っている。


母親がさらに僕に言う。

「貴方がリオン レース レインさんですね。ここ数百年と、現れなかった新しい魔王。

その新しい魔王認定された物が向かうのが私の父のところ。

当然娘としては看過出来ませんわ」


「僕には良くわからない事ばかりですね。僕がその村に行くのは伯父に当たる人がいるかも知れないと聞いたからです。

まあ、名前も知りませんから、どういう所かだけでもみたいと思っただけです」


「あら、なら貴方は私の親戚かもしれない。そう言う事かしら」


「さあ、僕にはその意味もわかりませんけど」


「だけど紹介するは、私父、第一魔王と呼ばれる男。鬼人族。前田 流言こと、マンチェスター ルーム サーチです」


「鬼人族? 鬼人族はすでに滅んだ種族では無いのですか?」


空気がピーンと張る。母親のリューメルが怒気をはらむ。


このリューメルは強い。良くわかる、流石Sランクだ。おそらく、結婚を最後にギルドの登録をやめてのだろう。けど、SSSランクよりははるかに強い。


だが、誰かがこっちに誰か来ている。強いな。

僕がリューメルを無視して、強い気配を見る。リューメルがイラつきながら僕に槍を向けて来る。


横から、来たリューメルの槍を右手で掴むとリューメルを押さえる。

「少し、静かにしてもらえますか?今怖い人かきてますからから」


その言葉にリューメルが気配に気が付く。

リューメルが狂喜の顔になる。

「お父さんよ。お前何かイチコロだわ」


リューメルの持つ槍を奪うと、向かってくる方向に向けて魔力を込めた槍を放つ。


巨大な矢のような槍が真っ直ぐに向かう。

ドン ダン!! 鈍い音が辺りに響く。


「リューメル。いくらなんでも酷く無いか?

お父さんにたいして、お前にしては良く魔力を込めた。おそらく今までの10倍は威力があったと思うぞ」

若い男が来た。額に3本の角をだし、赤い髪を短髪でまとめる少し背の低い男だ。


僕がリューメルを押さえているのを見て笑いながら来た。

「お前が俺に槍を投げたのか?」


「そうです」

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