第67話

「リオンはテイマーなんだな。しかし凄いモンスターをテイムしているな。九尻の白狐とは恐れ入ったよ。だからそんな魔獣を可愛い何て言うんだね」ハルルは魔道具が壊された事に気付いていない様子だ。


「ハルル。さっき忠告したはずだよ。僕の仲間を馬鹿にするな!!」怒りがこみ上げる。

刀を抜きハルルの剣を切り落とし、返す刀でエフルの男の杖を切り捨てる。


ハルル達3人には見えていないのか動く事すら出来ずにいる。ハルルの左に立つ女の首に刀を当て数秒待つとハルル達が反応した。


「リオン、仲間を馬鹿にするなとはどういう事だね……!!!!」やっと女の前にいる僕の事を認識したらしく手にした剣を取って僕に向ける。剣が切られていることに気づいていないようだ。

エフルの男が剣をみるように伝えると、始めて不振な顔をしながら、自らの手元をみるハルル。剣が手元から切られていることに気がついてかなり混乱していた。


「ハルル。言って置く! 僕は仲間が馬鹿にされる事を極端に嫌う。それとアルネとカーリに何かしたら命をもらう。

しかしSSランクがこの程度で務まる事も疑問だね。僕の女が欲しければ命がけでこい」


ハルルが笑いながら余裕の顔でエフルの男を見る。エルフの男が何かを操作する。操作するが何の反応も無いことに驚きと疑問を感じたようで極端に慌てている。そして魔道具を確認す始める。


僕はそんな様子を横目にエルフの男の服を切り落とし下半身があらはになる。服が落ちると同時に切られた魔道具がボトンと音を出して落ちる。


「リオンってほんと過保護だよね。私もアルネもこんな小道具に引っ掛かる事なんて無いのに」

カーリがそう言うとまとまった糸を手にのせて前に付きだす。

エルフの男が青ざめた顔で塞ぎこんだ。


「あんた達よかったねこれがリオンで、私達なら自分の身を守る為を口実にあなた達を殺している。甘く見ないでね」カーリが怒りをぶつける。ハルル達がその威圧感でうなだれてしまった。


「ほんと、これだからリオン以外の男って嫌い。ましてリオンの動きを全く見えていない奴に私達を捕まえる何て出来ないでしょう。こんなんでSSランク何て信じられない。Bランクからやり直したら?」

アルネが呆れたように言い放つ。


ハルルが虚勢を張る「お前達、俺達SSランクのメンバーを馬鹿にするなよ。いずれ痛い目に合わせてやるからな」


「そうか、なら殺して置くか」そう言うと刀をゆっくり横に動かし女の首の皮を切る。


女が震えだし「助けて下さい」と懇願する。

ハルルが卑怯だと叫ぶ。女を楯に録るなんて卑怯者がすることだ叫ぶ。


アルネが僕の横に来て耳打ちする「まかせて」

カーリがエルフの男を殴り倒し気絶させる。女は腰を抜かし動けずにいる。


アルネがハルルを杖で殴り気絶させて騒動が終わる。その後カーリはハルルとエルフの男を引きずりだしギルドの入り口の柱にくくりつけ男2人の服を全て脱がして晒し者にする。アルネがウォーターを唱え水をかけて2人の目を覚ます。


「何を見ている」「もう勘弁してくれ」等男たちが騒いでより周りの注目を集める中、残りの女をカーリがサンドバックのように叩いている。と言っても軽く紐をぶつける位だが。

「貴様、何をしている」ペシ、ピシ。紐を叩きつける。

「はぁはぁ、何をして! ふっ はぁ~」ピシ、ピシ。「ハァ~ン。お姉様もっと。お姉様ぁ~♡」

と何故かやられていた女が喜びだす。


「こいつキモ」カーリがお仕置きを止めてそのまま簀巻きにして外に放りだす。


エンリールにこれが本当にSSランク冒険者か聞くと、間違い無いらしい。アルメニア王国始まって以来、初のSSランクパーティーだと言う。エンリールも現役時代何度か一緒になった事があるらしく自分達とはかなりの実力さがあると感じたパーティーらしい。どう差を感じたか少し気になる所では有るがそこは置いておこう。


エンリールは、自分達より格上と言ったものの少し自信無さげだ。

ひとしきりお仕置きが終わったパーティー3人が目の前で跪き宣言した。相変わらず男2人は裸のままだ。

「我々 アルメニア王国 SSランクパーティー 真実の光は、今後リオン率いる全ての者を保護すると誓う。特にアルネとカーリについて一切の偏見を無くし忠誠を誓う事を宣言する」

裸で何を言っても耳に入らないのはなぜだろうか?


そう言って立ち上がり捉えた者を連れていった。途中女が来てアルネとカーリに何かを言ってまた叩かれていた。おそらく何か怒らせる事を言ったのだろう。


騒動が終わった。なんか大事な事を忘れている気がするが、取り合えず置いておこう。


すみれと桃の条がこっちを冷たい目で見ている。

「何だ。すみれ何か言いたげだな」すみれがそっぽを向く。


ふん。こっちだってやりたくてやってる訳じゃ無い。それに変な感じになるったのはあいつらでぼくでは無い、それだけは譲れない。


落ち着きは取り戻しエンリールに聞く。

「所でアルルカン ソーニャさんいたっけ?」


エンリールの顔がひきつる。肝心のアルルカン ソーニャさんがいない。

エンリールが少し考えから魔道具を掴む。この魔道具がどういう物かは知らないがしばらく待って欲しいと言われた。


しばらくして宿屋のサシテ ワンダールさんがギルドにくる。そしてエンリールと何かを話すとまたギルドを出て言った。


「みんな集まってくれ」エンリールが呼ぶ。


「アルルカン ソーニャが今朝早くリュックニーに入って行った。それも黒ずくめの連中と複数人で入ったらしい。だがその後は、リュックニーを出てはいない。私はギルドの3階から上の捜索を行う。すまないがリオン達はリュックニーに入ってもらえるか?」


まあ、もとからリュックニーに入る事が目的だからねそれは問題無いけど。


まっすぐ7階層に向かう。空間移動魔法を使い7階層の入り口に来る。

ブラックドラゴン達が荒れていた。

通路を塞ぐように佇むドラゴンに声をかける。「アルメン リュートに会いたい」


「すまんが少し待ってくれ」ドラゴンが少し疲れたように話す。


「何か起きたのか?」


「アルルカン ソーニャと言う男がバンパイアを連れて来た。バンパイアは全滅したがアルルカン ソーニャと言う男をおっている」


「僕達もアルルカン ソーニャを追ってここまで来た。経緯を知りたい」


「朝だ、突然アルルカン ソーニャと名乗る男が黒ずくめの連中と共にバンパイアを連れてやって来た。

アルルカン ソーニャが同胞を差し出すように言っていたので戦いが起こったが、黒ずくめは全滅、バンパイアは1名を残し全滅した。現在、アルルカン ソーニャを捜索中だ」


「生き残ったバンパイアと話しは出来るかい?」


「アルメンに聞いて見よう、少し待て」話しかけたドラゴンが念話で連絡を取っていると、仲間の確認があった。


僕、カーリ、アルネ、すみれ、桃の条の5人と伝えると中に通された。奥まで歩いて進む。バンパイアの遺体やら黒ずくめの遺体等が転がっている。


アルメン リュートのところまで来ると、唯一生き残ったバンパイアがアルメン リュートの足で抑えつけられている。コウモリに変身することも出来ずにもがいていた。

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