第78話
お母さんの優しい笑顔に少し救われた気持ちがした。
恐れず怖がらすまずは呪いを解く。
「聖なる光の精霊達よ。我が王の名の元に集り光の癒しを与えよ。我が力がなりて、弱る者の助けとなれヒールローブ(癒しの衣)」
お母さんの体から黒い煙出る。その煙は人の形となり僕に襲いかかる。
「ハイ・ヒール」
黒い煙にヒールをかけると、煙がゴゴゴゴゴゴと音を立て消えて行った。
「お母さん大丈夫?」
「まだ平気よ。それより呪いはまだ残ってるわ」
お母さんの胸に黒い塊を見つける。
僕が知るもっとも強い解呪文魔法をかける。
「光か輝く精霊達よ、多いなる聖域の守護者よ、その姿を現せ。今傷付き苦しむ者に加護の領域より出でて癒しと解放を与えよ。スピリチュアルヒール(大精霊の癒し)」
光がお母さんの体全体を覆いつくす。その後ゆっくりの胸の前に集まり大きな光の塊が出来る。黒い呪いの塊と合わさると、呪いの全てが消えた。そしてお母さんが気を失い倒れる。
お母さんの体をゆっくりとお越し、上半身を支えるように抱き抱えながら座る。
心なしかお母さんの体が少しづつ軽くなっていく。そしてお母さんの体が少しづつ透明になる。
僕は目に涙をたたえながら、お母さんの変化を目撃し、体験していく。
お母さんが目を覚ました。
「お母さん。ごめん、上手く行かなかった」
「リオン。有り難う。
それと駄目なお母さんでごめんね。
リオンに教えたい事が有るの。貴方のステイタスを見せて」
お母さんがそう言うと僕のギルドランクの指輪からステイタス画面を出す。
レベルの一番下に何かのレベルが表示されている。
称号 神龍 8/C (全ての龍属の王)
HP補正 +20000
MP補正 +20000
耐性9/A +補正 1/SSS
俊敏9/A +補正 1/SSS
胆力7/A +補正 1/SSS
筋力9/A +補正 1/SSS
知力3/A +補正 1/SSS
幸運2/A +補正 1/SSS
「この称号は私のお父さんの称号と一緒ね。私のお父さん、強かったんだよ。元々、和議の国の将軍だったけど。あまりの強さから第1魔王って、呼ばれた位の強さなんだから」
「リオン貴方もお父さんと一緒ね。頑張るだぞ」
「うん、うん」僕は声を出すことが出来ずただうなずくだけだった。
「それと、スカルプとアンバールの事は許してやってね」
「お父さんの事も?」
「うん」お母さんは優しく笑う。
「お母さん幸せだな。ずっと会いたかった息子に抱かれながら死ねる何て。本当はもう……すこ…し…」
お母さんの体が光、完全に姿が消える。今まであったその重さも感じ無くなった。
「うそだー」「嘘だ、嘘だ、嘘だ」「もっと一緒に…もっと色んな事…」
オオオオオオー
僕は自分の両手を見ながら言葉を失い、混乱したままその場にうずくまってしまう。
どの位、時間がたったかわからない。
ふと人の気配を感じる。
メリーが何かを持って来た。
「リオンさん。姫様から何かあった時リオンさんに渡すように言われていたものです」
メリーから両手で持てる位の箱をもらう。蓋を開けると沢山の手紙が入っていた。手紙の一番上に最初とかかれた手紙が置いてあった。
『リオン。リオンがこの手紙を見ているって事は全てが上手く行った、そういうことね。リオン、有り難う。お母さんとカルメンを救ってくれて。
リオン、ごめん。お母さんらしい事を何もしてあげられなくて。
アルネとカーリにもこの手紙見せてね。2人を見てお母さんピンと来たの。あの2人はどうやっても幸せにしてあげなさい。泣かしたらお母さん化けて出るからね。
リオンには何でお母さんがここでしか暮らせなくなったかを全て教えます。でも、スカルプとアンバールの事は許してあげてね。
お母さん、スカルプが盛った毒で一回死んだの。ただ幼いリオンを1人残すのが嫌で、気が着いたらアンデットドラゴンになって今まで待ってこれたけど。
正直、スカルプが毒を盛ったのは知っていたの。それを知っていてその毒を飲むって決めたの。お母さんはリオンをどうしても手放したく無くて、貴方を自分の手で育てたかった………』
その手紙には、今まで知らなかった過去が全てかかれていた。
お祖父さんの事、スカルプ ダシャナの事。馴れ初めや何故お母さんに毒を盛ったのかを含め。
おおよそ書かなくても良いような男性遍歴まで、お母さんが僕と話し伝えたかった全てがこの手紙に詰まっていた。
「リオンさん。姫様は良くリオンさん宛の手紙を書いてはこの箱の中に入れていました。同じ箱が後6個程ありますが全てお持ちしますか?」メリーが僕見て優しく話しかける。
「有り難うメリー、全部もらうよ。それとカルメンの部屋も見ていいかな?」
「ハイ、ご案内します」
僕がカルメンの部屋に案内され中に入る。僕の部屋と変わらない位何も無い。もっと女の子の部屋だと思ったがやっぱり僕だな、部屋が味気無い。
テーブルに手紙が置かれていた。
『リオンへ』
『有り難う。1つになると消えてしまいそうだから、手紙で残しておきます。クローゼットに、アルネ、カーリ、リーンハル、ルーニー用のメイド服と私からのプレゼントが入ってる。みんな良く似合うから心配しないで。
リオン、また1人になったって、落ち込まないようにね。貴方の家族は私達だけじゃ無いからね。
貴方の家族に私からのプレゼント。本当は毎回こんな事が出来ればよかったけど』
クローゼットにには4人分のメイド服とダンスドレス。お母さんとカルメンが一緒に書かれた肖像画があった。
カルメンが自分で書いた事がわかった。僕にはない才能がカルメンにはある。
カルメンの部屋を探索しているとメリーが手紙の入った箱を持って来てくれた。
メリーに頼みここで働く人全員を庭に集めてもらった。
「お母さん、ルカリオ サンム サーチとカルメンはこの世からいなくなった。
僕はこのダンジョンから出ていかないといけない。
僕と一緒に出て行きたい者はいるか?いれば麓の町まで一緒に移動する事は出来る」
ジョーが出てきた「リオンさん。色々と有り難うございます。
私とメリーはここに残ります。私達は姫よりここの管理を任されております。この場所が今後リオンさんの帰る1つの場所として私達は守って行きます」
1人のメイドが前に出た。
「我々の多くは魔族だ。我々はここに残る。みんな姫様が好きでここにいたのだから、姫様の思い出を大切に生きて行く。
数名、人属の者がいる、その者達は姫様に守られて無いとこのダンジョンでは生きれない。希望が有ればその者達を外の世界に連れて行ってもらえないか?
我々はこれ以上家族を失いたくは無い」
「わかった、外に出る人は準備をしてもらえるか? 外に出た後、ギルド等で働けるか少し働きかけてみよう」
僕の元に2人女性と1人の男性が来た。
「君達が人属だね。ダンジョンの外に出て問題無いかな?」
男性が 前に出て返事をする「かまわない。それと私は元々和議に国の冒険者で終炎のリーダーをしていた」
「名前を聞いてもいいか?」
「おれは 須藤 炎州(エンシュウ)。こっちの髪の短いのが、三名 茜。もう1人が 終 静(オワリ シズカ)」
「終が副リーダーだ。2人の名前を合わせ終炎と名をつけた。三名は白魔術師しだ」
「聞いてもいいか? 三名 すみれは知り合いか」
「妹だ」三名 茜が答える。
「工藤 桃の条は知り合いか?」
「すみれの婚約者で護衛だ。お前2人を知っているのか?」三名 茜が驚いたように聞いて来た。
「リュックニーで活動を共にしていた。今2人はリュックニーのギルドに要ると思う」
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