第120話 第2部です。よろしくお願いします。
ビルルマの大会を終えてガレシオン公国、ルッツ地方の別荘に5人そろって来ている。
あの後、姉さんの要求は酷さをまし、一緒に暮らそうっていいだすし、モンナにいたっては産まれた子の名付け親になって欲しいとか。
「みんな頼むよ。お願いだから少し休ませて」
そう願い出てタイナーと一緒にルッツ地方にやって来た。その後タイナーは直ぐに引っ張られて戻っていったけど。
それが、もう間も無く2ヶ月が立とうとしている。
色んな事が有りすぎる時期が過ぎて、何もやる気が起きずにだらけていた。
流石に2ヶ月もだらけていると、する事がなくなるようで、だらけて入るのも飽きて来てしまった。
リクライニングチェアーに横になり雲を眺めているとカンナの顔が出てきた。相変わらず嬉しそうな顔をしている。
「リオンさん。オーヂエン国、首都ギルドからお手紙が届いていますよ」
「面倒臭い、カンナ呼んで」このところ、何でもカンナに頼って生活している。カーリさん以外は少しおかんむりだ。
「良いですよ(笑)」
そんなカンナは僕達がずっと滞在してる事が嬉しいのか、ずっとご機嫌だ。僕のこんな我が儘も楽しそうに付き合ってくれる。
「リオンさん!! 大変です。ルーニーさんとリーンハルさんのAランクの昇級試験が正式に決まったようです。
ついては、試験官にリオンさんを抜擢?」
「リオンさんって、パーティーのリーダーですよね?
何故リオンさんを試験官に抜擢?」
「カンナありがとう。少し1人にしてもらえる?」
「はい?」不思議そうな顔で僕を見るカンナ。
昇級試験と聞いて緊張が高まる。ここ1ヶ月程ギルドと定期的に話し合いをしていた案件。ルーニーとリーンハルのAランク昇格試験。
その概要が決まった。今回、僕が試験官を勤める。
受験者は何と20人。アルムが試験官なら確実に0人になるはず。全員落としても問題無いけど、そうもいかない。
ルーニーとリーハルは合格してもらわないと、僕も困る。二人だけ合格にしたら身内びいきと揶揄される事は間違い無い。どうしたらそう言う不満を改善出来るか。その悩みがある。
ぶっちゃけ受験者が強ければみんな合格でもいい。それがそういかないのが最大の悩みだ。
いつも会場は首都だけど、あそこ狭いんだよね。受験者も実力を発揮しにくいじゃないかな?
趣向を変えて、ビルルマの闘技場はどうだろう。あら程度の広さがあり設備もいい。こっちから、提案してみるか!
その日の夜にルーニーとリーンハルにAランク昇格試験が決まった事を伝える。
2人共に喜んでいて、アルネとカーリが2人なら問題無いと太鼓判を押していた。
数日後、今回のAランク試験はビルルマで行う事になった。
受験者の数が多く王宮内では手狭と判断された為だ。
予選を行い、本戦を行う。その中でAランクにしても問題無いと判断されたものを最終日に表彰する事になった。当然、僕は大会期間中は別行動。
それとナーラ国から2人、アルメニア王国から1人の大会参戦の申し出があった。
僕が試験官。なおかつ手加減無しの要望を伝え、なおかつ今回の試験を希望してきた。其々の首都ギルドのギルドマスターが連れての参加となる。
大会の数日前、僕はルッツの別荘から出発する。「じゃあ、後よろしくね。リーンハル、ルーニーは自分を信じて頑張ってね」
「私達は、ルーニーとリーンハルの大会にあわせて向かうから、2日目の午後にはビルルマに入る」みんなの移動や警護はアルネが率先してやってくれる。
「わかった。悪いね。頼んで」
「いいよ」アルネが含みをもって返事をする。
実は僕が試験官だと言うのをアルネしか知らない、カーリは黙っていれないし、出場者に言うわけにもいかないし。
ビルルマのギルドに来るて受付に行く。
「モンドアルパさんいますか?」
受付嬢から白い目で見られて。小さい声で聞かれる。
「ひょっとして、リオンさんですか?」
「そうです」不思議そうに僕が答える。
「すみません、現在ナーラ国とアルメニア王国のギルドマスターが来てまして…」
「わかりました。今日、ギルドの宿空いてます?」
「はい、お一人ですか?」
「出来ればテイブル付きの部屋が良いです」
受付嬢が書類を探し持ってくる。
「この部屋で良ければ直ぐにお使い頂く事が可能です。朝は食事も可能です。
それと、マルイル辺境伯にも到着をお伝えして問題有りませんか?」
「お願いします」そう言って、書類を書き上げ、部屋の鍵をもらいギルドを出る。
闘技場の視察をしてビルルマを観光して歩く。流石は辺境都市良くは見なかったが領地を守る壁は堅牢そのもので、壁と民家の間を離てある程度の距離を取ってある。兵士も定期的に巡回しており規律の有る兵士達の動きが良く目につく。
商業地区の通路には露店も並び賑わっている。串焼きを勝って食べながら歩く。
ギルドの宿に戻るとモンドアルパさんが部屋に来た。
完全に疲れきっている。ナーラ国とアルメニア王国のギルドマスターと次々と話し合いが持たれ、すでにバテていた。
「どうだったリオン君。以前とはかなり街中の雰囲気が違うだろう?」
「ええ、まあ僕も隠れるようなことも無く街中を探索出来て今回はうれしいですよ」
「今回、ナーラ国 首都ギルドのナターシャさんからごり押しされてな、ナーラ国の受験者は必ず試験官をリオン君にするようにと言われてね」
「僕ならかまいませんよ、むしろ全員と対戦すると思っていましたけど」
モンドアルパの顔が明るくなる。
「いや~、リオン君にそう言ってもらえらるとうれしいよぉ~。じゃあ、リオン君その方向で話を進めるからよろしくね」
ギルドマスターって国の下級役人みたい。大変だよね。
Aランク昇格試験 当日。
朝から闘技場に入り誰もいない見られないように控え室で休む。
モンロー マリーさんが僕の担当として、色々ななお手伝いをしてくれている。
会場には、受験者が闘技場の中に呼ばれ、観客席には観客が入り試験開始を待っている。
マルイル辺境伯の挨拶が始まった。
「今回、試験官の要望もあり、この闘技場が試験会場となった、この試験にはタイナー陛下を初め国の要人も参加される。
良き対戦をすれば冒険者以外の道も見えるだろう。逆に下らない事をするとまともな生活も送れないような事にもなりかねん。
今回の試験官は1人、皆平等だ」
僕に合図があった。マルイル辺境伯の隣に立つ。受験者、観客席がざわつき出す。
「今回、アルム公爵以外が担当すると聞いて出場を決めた諸君。きみたちは正しい。何故ならアルム公爵より厳しい人物であり、アルム公爵すら闘う事を拒否した程の人物が今回の試験官だ。
後悔しても遅い、試験官を紹介しよう。リオン レース レイン」
「「おーおー」」
歓声と悲鳴じみた声、諦めのため息が入り交じりこだまする。
マルイル辺境伯の挨拶が終わるとモンドアルパさんが出てくる。
「今回、試験参加人数が多い為、このまま試験に入りたいと思います。前もって渡した番号1~5の番号をお持ち方は控え室に戻り準備をしてお戻り下さい。外の方は観客席の指定席にお座り下さい」
どよめきと同時に参加者が動き出す。ルーニーとリーンハルは来ていないようだ。
ちなみにナーラ国とアルメニア王国の受験者は今日の午後から試験となっていた。
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第2部スタートです。
これからも、楽しかった。面白かったと思って頂けるように頑張ります。
よろしくお願いします。
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