第12話

タイナーが騎士を見渡し「これより私はアメール村のギルドマスター、リオン、 ライズ シーナ マエン辺境伯と込み入った話しがある。モンナお前も来なさい」


その後、辺境伯の案内で村に入り、ギルドの建物に入り酒場に来るとタイナーがどっかりと椅子に座る。


ランバートが来るとエールをだす。

「お、ランバート、わかってるな」 タイナーが、かってしったる仲と言わんばかりにエールをあおる。


モンナが続きエールを頼む「ランバート、私も」

「やっぱり王妃は疲れるわ」 そう言うとテイブルに伏せた。


サンリューチュさんがエールを持って来て 「モンナ、だらしない。そんなんで王妃が勤まるなら私が代わろうか?」

そう言ってエールを渡す。


あまりの出来事に驚いてしまう。 みんな仲が良い。知り合い?

「すみません。皆さんはお知り合いですか?」おずおずと聞く。


ランバートが「ああ~、こいつら俺のクランメンバーだよ。ガキの頃からの付き合いだ」

そうめんどくさそうに言う。


「そ、そうですか・・・・え~!!」

驚き過ぎてよくわからない。皆さんはどういう関係?


「ランバートさん?オランさん説明をお願い出来ますか?」


オランさんが来ると

「ランバート、あんた無責任過ぎる」

と怒るがランバートはそっぽを向く


「リオン、ごめんね。私達、昔みんな冒険者だったの。私はクランメンバーじゃ無いけど。年も近いし仲は良かったのよ。


最初はタイナーとライズが貴族の出で、どうしようもなくへたれでさ、そのくせプライドばっかり高くて、めんどくさい位のお荷物だったの。

特にタイナーは剣の持ち方も分からない癖に『ライズに負けてられねー』何て言ってたんだよ」ギルドマスターのオランさんが懐かしそうに言う。


「オラン、その頃の話しはするな。格好つかないだろう」タイナーが慌てて言う。


「本当、今じゃいっぱしの国王気取ってるけどケツの青い餓鬼だよ」 モンナが追い討ちをかける。


「王妃、流石にそれは…」リオンがタイナーを見て不安になる。


モンナが謝る 「タイナー、ごめん。私、言い過ぎた」タイナーがおちこんで伏せてしまった。


タイナーがキリッとした顔で

「俺達な、ちょっと強くなったと思ってドラゴンに挑んだんだよ。みんな子供以下の扱いを受けてさ、正直死ぬって覚悟したよ。

その時に救ってくれてのが、リオン。お前のお爺さんだよ」

「我々に代わってドラゴンと話しをつけてくれて俺達を助けてくれた。

だからこの国ではテイマーが凄い事をみんなに知らしめたくてな。テイマーを大事にしている」タイナーが懐かしそうに笑う。


「陛下、ところで今日はどう言ったご要件でお越しでしたか?」僕は改めて聞く。


タイナーがはっとした顔をした。どうやら完全に忘れていたようだ。

「リオン、お前が良ければ、私の側で働かないか、出来ればお前に騎士団を任せたいと思っている」タイナーの爆弾発言にみな固まる。


「タイナー、ちょっと待て。リオンは私が預かる事になっている。お前等にこんな貴重な人材を渡せるか」ライズが物凄い勢いで反対する。


オランさんとランバートさんが「待った。ここはギルドに任せろ。国の枠を越えた冒険者に俺達がしてやる」そう言うとガヤガヤと騒ぎだす。


モンナが怒って「いい加減にしなさい。リオンの気持ちが一番大切です。お前達は黙っていろ」と大声でその場を制す。

普段のおしとやかな王妃と思えない覇気を醸し出し皆をだまらせる。


モンナが聞く「リオン、貴方はどうしたい?」


「はい、僕は先ず辺境都市で魔法が学びたいと思います。その後、我が始祖のテイムした幻のスライムを見つけてテイムしたいと考えいます」


モンナが優しい顔でリオンに語りかける

「リオン、私達は貴方の味方です。なので貴方の目標を達成したあかつきには我々の所に来て、成果を報告しなさい。それまでは私とライズが貴方の生活を保証します良いですか?」


「有り難うございます。でも何故ライズ辺境伯まで?」


「そりゃあ、タイナーを取り合った恋敵ですから。何考えているか分かるわよ」

モンナがライズにウインクをした。ライズが悔しそうにそっぽを向いた。


リオンが立ち上がり最上級の挨拶をした「皆様、私程度の者の為に有り難うございます。本日の事、このリオン、生涯忘れません。本当に有り難うございます」


何故かみんなしんみりとしてしまった。


リオンが気を取り直しタイナーに紹介したい人が入ると伝えるとギル マルスを連れてくる。

「陛下、こちらがギル マルス。ドラゴンの世界の王で真竜になります」


タイナーが平伏する 「ギル マルス様、お会い出来て嬉しく思います。貴方様の力を知らず戦いを挑んだあの若者が今またこのように貴方様とお会い出来た事を嬉しく思います」


ギル マルスが考え込んだ。

「すまない。人の国の王よ。私は少し物忘れが始まったようだ。

お前を良くは覚えておらぬがお前がリオンを大事にしていることは良くわかった私は住みかを離れるがリオンとランバートと言う友を得た、今後、私が生きている間はお前の国を荒らさぬようにドラゴンの一族には申し伝えよう」


ランバートさんが驚きで口をパクパクしている。 「ランバートさん、このギルは竜の王です。貴方は竜の王と友達になったのです。誇りに思いましょう」リオンがあっさりと言う


「処で人の王よ、何故このような面倒臭いことをした。かのスカルプまで連れて。

まあ我々は人の世界には興味がない。されどタイナーとライズがいなかったらこうしてリオンと再開も出来なかった。褒美に各々に一つ申せ。私が約束しよう」


タイナーが頭を下げ告げる

「私はリオンがこの国の宝と考えます。私は我が国でのみリオンを守る事が出来ますが、リオンは我が国でおさまる人物では有りません。竜の王よ、我が国以外でリオンを守って頂きたい」 ギルが静かにうなずく。


「竜の王にお願いいたします。私はリオンに我が領地で学びと経験を積ませたいと想っております。

その為、リオンに生活出切る場所等を与えたいと存じます。ただその場所は少し離れ、時折モンスターの出る場所です。

どうか落ち着くまでの間は我々に代わりリオンを見守っていただけないでしょうか?」そうライズが言う。


ギルが驚いていた。

「その様な欲の無いことで良いか。私の約束は、たとえ口約束と言えど契約とかわらぬ効果がある。本当にそれで良いか?」


タイナーとライズに対しギルが宣言した。「気に入った。流石はランバートの友だ。友とはかくありたいものだ。私が約束しよう。お前達が生きている間は何が起きようと私がお前達の味方だ。人の世界に興味は無いが心楽しい者が苦しむ姿はみたくはない。何があろうとこの私がお前達の盾となろう」


気を見ずに最強の味方を得てしまった。タイナーとライズは図らずも緊張のあまりの声が出なかった。


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この後から物語が動きます。新しい展開になります。よろしくお願いします。


何時も応援していただき有り難うございます。


物語の進行はやっぱりゆっくり進んで行きます。少し長い目で見て頂けるととありがたいです。

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