第13話

気を見ずに最強の味方を得てしまった。タイナーとライズは図らずも緊張のあまりの声が出なかった。


モンナがタイナーに近づきせかす。

「ちょっと、いつまでも呆けてるの。みんなに事の次第を伝えないと部下が苛立っているわよ」


タイナーが平静を取り戻す。

「リオン、一緒に来てくれ。すまないがギル様も御願い出来ますか? あとギル様これから行う私の無礼を先にお詫びします」


そう言うとタイナーが平伏しギルドを出て村の門に来る。タイナーが騎士団を前に大声で叫ぶ。


「皆の者良く聞け! このタイナー サバス イーヂエンは、リオンの力を借りドラゴンの王、ギル マイル殿と友好を結ぶ事が出来た。

私が生きている間は、全てのドラゴンが我々の味方であり、友でり、師である。皆に紹介する」


ギルが前に出た「私がドラゴンの王たる真竜、ギル マイルだ。私は人の王たるタイナーが気に入った。

タイナー、リオン、ライズ、そしてモンナ。この4名が生きている間はこの私がこの者達の盾となろう。

但し、人の世界の者よ、そなた達がこの4名を裏切るならこの世の終わりが来ると理解しろ」

ギルが魔力を解放した。意思の弱いモノからどんどんと倒れ気を失う


「これは私からのほんの挨拶だ、この世界には我が手下が10万と下らずにいる。その事を忘れるな」ギルの余りの強い魔力に殆どの者が倒れ込んだ。


リオン、ランバート、モンナ、タイナー、サンリューチュ、オラン、ライズと数名の正騎士だけだった。


倒れた者が起こされスカルプに対し最後の通告かだされた。

「スカルプと妻リーナ ダシャナ、息子ベリス ダシャナを国外追放処分とする。スカルプ、自らの力に自信が有れば我が脅威となってみよ」その言葉にスカルプがうなだれたまま正騎士に連れられて行った。


タイナーがリオンを見た。

「さてリオン、今回の対応、見事で会った。私からの褒美をとらせる。

かつて、我が国で剣聖の名を欲しいままにしたレース レインの名をお前に与えよう。本日よりお前はリオン レース レインと名乗れ。そして新しいテイマーの始祖となって私達を支えて欲しい」リオンが平伏して受ける。


タイナーが勝ちどきをあげる。

「本日、これより、我々はドラゴンと共に歩み研鑽する。皆の者。声を上げよ。今日と言う日の勝利を忘れでないぞ」


「「「「おーーーーーー!!」」」」


辺りが揺れるほどの声が響き渡り、正騎士と私兵が肩を組んで勝ちどきをあげる姿が見えた。


ライズが冷静に何でこいつら肩くんでんだ?そう冷めた目で周りを見ていた。


国王達一行が首都に戻っていく。 雨が降って地固まると良く言ったもの。実際にそれが行える人とはどれ程恵まれているのだろう。


◇◇◇◇◇◇◇◇


国王一行と別れた後。


ライズがリオンとギルを案内したいと言って辺境都市に向かった。


ギルと共にいる古のドラゴン。エバー ヤルトが「ギル様、我々は馬車に乗らなくとも良いのでは?」そう話しかける。


「せっかちだな、時を楽しむことは大切だぞ。特に我々のような一族にはな」そうたしなめる。


リオンが心配して「エバー。馬車旅は苦手かい?」


「いえ、決してそんなことはございません」エバーが何故か恥ずかしげに答える。


「そうか、良かった。ギルやエバーと少しでも話がしたかったんだよ。僕達、君たちと比べると時間が足りないからね」


ギルがニヤリとエバーを見る。エバーは外の景色を見てごまかしている。


アメール村を出て数週間が過ぎ、辺境都市の近くに有る小さな村に到着する


ライズが話しかける。

「お待たせいたしました。ここは我々人族がドラゴンをまつる村です。ここは宿屋や武器屋、薬屋など、何んでも有ります。

ギル様、私はリオンにここの管理を任せたいと考えています。ただ、魔法の勉強の為、村にいる時間が剰り有りません。

ギル様これからお力をお借り出来ませんでしょうか?」


ギルが笑った。

「ここか? ここは元より漆黒の金竜と言われたエバー ヤルトの縄張りですぞ。これでは私が約束を守った事にはなりませんな。エバー、ここはお前に任せて良いな?」


エバーが膝をつき、頭を下げ

「はい、真竜。若輩者ですがおまかせください」


「ライズ殿。この辺は元々私の縄張りです。ギル様に代わり私がリオンを守ります」


「ライズ、そなたの願いはまた後できこう。ゆっくり考えなさい」


ギルがそう言うとドラゴンの姿に戻り、唸り声を上げる。 辺りがビリビリと衝撃を受ける。


少し時間を起き、20匹位のドラゴンが集まった。そしてその姿に驚く。真竜と並び称させる名だたるドラゴン達だ。そのドラゴン達がギルの前にかしずいている。


「これより私はこの場所でやすむ。何か用の有るものはエバー ヤルトに申し伝えよ。良いな」


「「「はい、仰せのままに」」」


ドラゴン達がギルの言葉に従い翼おり、頭を下げる。その後各々の縄張りに戻っていく。


その後、辺境伯より紹介を受けたのが宿の女将さん。蛙しっぽ亭 女将 イイナであった。


「イイナ。すまんが、このリオンは私の客人だ。宿に住まわせて欲しい。リオンの宿代と、食事代は私に請求しておくれ」イイナが頭を下げ喜んでいた。


「リオン、魔法学校はここから遠い。よってこっちに家庭教師を送ろう、魔法と武術の教師、2人を準備する。追って連絡しるからしっかりと励め」


「ライズ辺境伯、有り難うございます。後、私にダンジョンに入る許可を頂けると助かります。お願いできますでしょうか?」


「ふむ、条件付きで許可する。私を呼ぶときは今後もライズと呼び捨てしろ。わかったか?」


「辺境伯? それは?」出来るわけ無いでしょ。どど、どうしろっていうのですか?


「リオン、これは命令だぞ。もし敬語等使った場合、分かっているな」


「ライズわかったよ」ヤッベー、呼びすてしたよ大丈夫だよな。恐る恐るライズ辺境伯を見る。なんか満足げな顔をしている。


「うん。じゃ、ダンジョンも許可する」ライズ辺境伯が嬉しそうな笑顔で笑う。


その姿をエバー ヤルトがイライラしながら見ていたが、その事はリオンはしらなかった。


イイナの案内で6畳程度の部屋に入る。この辺の宿には珍しく鍵付きの部屋だ。何故かエバーが一緒に来る。


「エバー、君はこれからどうするの?」


エバーがしっかりと「リオンと一緒ににいます。私の縄張りはギル マイル様が使用中です。私はどこにもいけないのでリオンにくっついて行きます」


「そ、そうなの?」なんか調子狂うな。


でもしょうがないね。

どうしよう?エバーに言うと嫌がられるかな?    

でも悩んでも…しょうがないし。

「あのさ、エバー。(ヤバイ、緊張してきた)ぼ、僕とパーティー組まにゃいか?」


ヤバイ、噛んだ エバーが?って顔している。パーティーの意味がわからないのかな?


「リオン、パーティーって何ですか?」


「パーティーは、僕達みたいな冒険者がグループを作って活動する事だよ、要するに仲間になって欲しいって言うことかな」(言っちゃった)恐る恐るエバーの顔を見る


「そんな事でいいんですか?元より私はそのつもりですしが、もしかして邪魔でしか?」エバーが心配そうにこっちを見る。


「邪魔なんて事は無いよ。むしろエバーが居てくれるだけで心強いよ」


エバーが嬉しそうに「良かった」と呟く


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