第38話

10階層の探索を終えダンジョンを出る。


その足でギルドに向かいオランさんに合う。ギルドにはマスターのタンザさんとオランさんがいて帰りを待っていた。ギルドの解体場所に行きミノタウロス2匹をマジックバックから出す。

ギルドマスターのタンザさんに10階層にミノタウロスが2匹いたことを説明。10階層には注意が必要だと説明した。


オランさんからAランクの推薦をもらう。試験日が来月、場所が王宮にて行われ、試験官が、飛行隊2名とアルム隊長が試験官として出る事が決まったと報告を受ける。


どうやらAランクに挑戦する冒険者はマリエラからは初めてらしくオランさんも少し興奮ぎみだった。

試験官がアルム公爵じゃなければAランク確定なのにとオランさんとタンザさんが嘆いている

「オランさん、タンザさん僕達は誰が試験官でも必ず昇格します。大丈夫ですよ」


タンザさんが「でもアルム公爵だよ。僕も彼女には勝った事が無いよ。君達を疑っているわけじゃ無くて、アルム公爵と対戦して冒険者をやめる奴も多いから何か心配でさ」


「何かなりますよ。まあ、僕も一度もアルムに勝ったことが無いけど」


「そうでしょ」「「はー、えー」」

オランさんとタンザさんが驚いてこっちを見る。


「リオン君 、アルム公爵の事知ってるの?」

オランさんと、タンザさんが固まってしまっている。


「はい、僕の従姉で実の姉のように可愛がってもらってます、アルネとカーリもこの間アルムに会いましたよ」


オランさんがアルネとカーリを見る

「この間あったよ。大丈夫、私達の実力なら負けないから」

カーリが力こぶを作りアピールしている。


オランさんが、呆れたようにもう心配しないと言い出し、手続きは進めるから貴方達はハマイルさんのお店に行ってこの後どうするか確認するのようにと言われた。


ハマイルさんのお店に来ると昨日の黒鎧トカゲのお金をもらう。5階層の黒鎧トカゲはおそらく、5階層に入る人がいなく増えるだけ増えた結果だと思われる。その為今日は少ない数しかいなかった。


今後の首都に向かう段取りをハマイルさんと話す。明日1度ババヤさんとワイバーンがやってくる。その後、首都とラピスを往復する練習をして来月頭にはワイバーンを使った荷物の運行を行う事になる。


僕達は今月末にテスト飛行で首都に行き来月におこなられる昇格試験に備える事になる。今回試験応募が1組しかいなく首都ギルドが僕達の部屋をギルドの中に用意する事になったらしいとハマイルさんから話しを聞く。


ハマイルさんが試験日に王都に用事が有るらしくリーンハルとルーニーを一緒に連れて来てくれる事になった。

ハマイルさんは本格的に首都での商売を本格化させるつもりらしくこの黒鎧トカゲもその時に使う予定らしい。


ギルドに戻りオランさんに受付手続きについて確認を行う。首都ギルドに付いたらそのまま受け付けに行って申し込みをするだけらしいルーニーとリーンハルも当日オランさん同行で会場に来る予定らしい。


マリエラは今、Aランク昇格試験でお祭り騒ぎになっている。


翌日、ババヤさんとワイバーンとあった。ババヤさんから定期的な収入の目処が付いたとワイバーンをテイムしたことのお礼を言われた。


その日ババヤさんと2人でワイバーンに乗り首都の入り口まで行くことになった。首都ギルドに荷物運搬の手続きとワイバーンの練習をかねて飛ぶ事になる。


ワイバーンの飛行速度が思ったより早く大体1時間程で首都の入り口につく。


入り口の兵士に書類を見せ首都の中に入る。たった1年足らずだかすごく懐かしく感じた。ハマイルさんのお店に着くとハマイルさんから預かった物を渡しお店からハマイルさん宛の荷物を受けとる。ハマイルさんの首都のお店はギルドに近く2階が食堂、3階から宿を兼ねた造りになっている。


首都の出入り口を出てワイバーンに乗りラピスに戻る。なんとも快適な空の旅だ。


昇格試験の3日前に首都に来た。3人でギルドに入り試験の受付をする。

周りからジロジロと見られている。なれてはいるが流石にめんどくさい。今日はハマイルさんも首都に来ている事も有りハマイルのお店に顔を出す。1階の雑貨店はハマイルさんが各地で集めた珍しい品が並びオープン当日と言う事も有り混雑していた。


雑貨店を冷やかした後に食堂に入る。ギルドに近い事も有り冒険者とおぼしき人達が多い。

食事をしながら話しをしていると冒険者風の男達に絡まれた。アルネもカーリも綺麗だからしょうがない。しょうがないにしてもこのイベントはいらない。

絡んで来た冒険者はBランクだと言って絡んで来る。アルネが面倒と言わんばかりの塩対応をしているが相手がしつこく言い寄ってくる。

イライラしてきて立ち上がると同時に声が聞こえた。

「おい、兄ちゃん達、俺の子供に何か用でもあるのか?」


どっかで聞いた声だ。ガンスの声だ。


「ああ、俺様に何のようだ」絡んでいた男がガンスの方を向くと急に静かになった。

「す、す、すみませんでした」

そそくさと逃げ出す男達に

「何だ、ようがねぇならちょっかい出してくるじゃねぇよ」

そう、野太い声で脅しをかける。男達が一目散に消えて行った。


「ガンス有り難う、良く来たね?」


「気にすんな」そういって空いてる席に座る。ガンスが座ると周りがそっぽを向いた。誰もガンスを見ようとしない。気にせずガンスがエールを頼む。


「お前達の試験を見たくなってな、来てみた。リオン、相談だか試験後俺の村来て少し修行しないか?」


「ガンス?いいのかい?」


「ああ構わんよ」


アルネとカーリにガンスの村について説明すると2人も行ってみたいと言ってくれた。


ガンスからリーンハルとカルーニーもつれてこいと言われた。


ガンスの村は魔族の森の最深部に有る。村の住人は皆ガンスが好きで集まった者達だ。種族も多様でドワーフ、エルフ、人族、獣人族、魔族など様々。村の近くにはSSSランクもモンスターも沢山いるデンジャラスな所だ。そしてこの村のルール、モンスターに負けない強さがあること。自分を自分で守る。それだけ。

いたってシンプルで平和な村だ。


昔は絶対に呼んでもらえなかったのに、すごく嬉しい。


「ガンス、明日にはリーンハルとルーニーがこっちに来る。2人にも聞いて良ければみんなで行くよ」


「わかった。その時は俺が連れていく」

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