109話
翌日、ふた手に別れる。僕はオランさんに会いにマリエラのギルドに。みんなはビルルマのダンジョンに向かった。
受付でオランさんをお願いする。待っている間に冒険者に絡まれた。ここ最近絡まれる事がなかったので少し嬉しさを覚える。
「お兄さん、見ない顔だね。何処で活動してるの?」まだ成人したばかりの女の子に見える。
「あちこちだよ。最近は1ヶ所に定着していないよ」何気に答える。
「なんだボッチなのか?」なんか失礼な言い方の子だね。
「いや、パーティーはいるよ。今日は別行動だよ」
話しをしてると女の子2人と男の子1人が近づいてきた。
「ミリアン、何油売ってるの行くよ」リーダーだろう女の子が僕に声をかけてきたミリアンと言う子に声をかける。
その後少しごちゃごちゃと仲間内で何やら話しをした後、ミリアンがこっちに来た。
「あんた、おそらくだけど強いだろう。私、そう言う感は鋭いの」
「多少はね、流石に君たちよりは強いけど大したことは無いよ」
「そう、私達これでもCランクなのね。それでも私達には敵わないと思わさせる」真剣な表情で僕を見る。
「お願いが有る。私達を鍛えてもらえない?」
「は?」何を言ってんのこの子?
「駄目かな、あんたみたいな強い奴なかなかお目にかかれないし」
「リオン、待たせた。部屋まで来てくれ」不意にオランさんの声が聞こえる。
ミリアン達にお別れを伝えギルドマスターの部屋に移動する。ミリアンは諦めていない顔をしていた。
「オランさんも忙しいですね、あちこちのギルドを掛け持ちするなんて」
「まったくだよ。それよりまた絡まれたのか?」
「う~ん。強くして欲しいって、お願いされましたよ」
「ははは、リオンに頼む何て面白い子達だな」
「それで、要件は?」ギルド職員がお茶をおいて部屋出た、そのタイミングで話しをきく。
「四聖獣教団を覚えているな? あの黒づくめの集団だ」
「はい」
「新しい動きがあった。まだ極秘だがアルメニア王国の王宮に入り問題を起こしたらしい。そこでアルメニア王国の国王より直々に依頼が入った。今の所あの集団を撃破したのはリオンしかいないからな」
「状況は分かりました。タイナー達は大丈夫なの?」
「アルム公爵が張り付いている。だか、見えない相手に苦労しているようだ。捕縛しようと試みたが殺してしまったようだ。それからは来ていない」
「ライズは問題無いの?」
「心配無い、現在工藤 桃の条が来ている。彼も少しは対応出来るみたいだね。何とか捕えたが自害されたよ。それ以降は現れていない」
「ならしょうがない、アルメニア王国に行くよ。大会も有るから長いはしないけど。行っても1週間だね。うまく行かなくても文句は無しね」
「問題無い、明日ビルルマのギルドでラピスギルドの職員。ダリアと合流してくれ。後はダリアが段取りを付けているはずだ」
「じゃ、おりようかな。ダリアさん面倒なんだよね」
「いやいや!! それは許されない。アルム公爵が連盟でリオンを推薦している」
「姉さんが?推薦……」「オランさん。この案件僕に隠し事有るでしょう?」
「隠し事は無いぞ、まだ言っていない事が有るだけで」
それを隠し事と言うと思うが・・・・。
「これはアルム公爵からの特別依頼だ。どういうわけかアルム公爵から直接依頼があった。リオンには言わないようにとは言われたが…」
「姉さんが? 僕に?」「わかった。理由はどうでもいい。姉さんが僕に行けと行ったのなら行くしか無いよ」
アルメニア王国に関する事で僕に行けと言ったのなら、確実にルーニーとリーンハルに関する事だ。本当にあの2人は王族の人間なのだろうか?
でも、ダリアさんも元ロイヤルナイトだ、可能性は否定出来ない。
「オランさん。勇者の盾と黒ずくめは連携していないのかな?」
「我々もそれを考えているが今の所のつながりは無い。ただ、我々が気付いていないだけの可能性は否定出来ない。
何せ勇者の盾の勢力が落ちたとたんにアルメニア王国に黒ずくめが出た。連携してると思っても問題無いだろう」
その後、オランさんと別れラピスの拠点に戻る。部屋に入る階段を上っていると上からルーニーが出てきた。
「ルーニー、先に戻っていたの?」
「リオンさん、お帰りなさい。丁度良かった。一緒にハマイルさんのお店に行きましょう」
「はっ、はい」腕を引っ張られながら階段を下り、ハマイルさんのお店に入る。
冒険者とおぼしき3人の女の子と1人の男の子ら店の中で休んでいた。ルーニーを見つけるとと1人が立ち上がり挨拶をした。
「ルーニー、この子達は?」
「拠点の裏の空き地で野営の準備をしていたようなんですが、モンスターに襲われていて、助けたんです」
「モンスターは?」
「巨大蛇のモンスターです」
「あら、お帰りなさいませ。ルーニーさん」お店の店員さんから声をかけられた。
「あ、ただいま戻りました。蛇は買い取ってもらってもいいですか?」
「問題ありません。サンダースネークの10m物です。魔石は鍛造に欠かせない物です、私どもで引き取らせて頂きます」僕がルーニーを見て、頭をよしよしする。ルーニーが照れながら喜んでいたいた。
そんな話しをしていると見た事の有る女の子が、近づいて来た。
「あんた、ギルドにいた人だよね」
「あ、Cランクのパーティーの人」
「ちょっと、私はミリアンって名前があるの(怒)」
「そう、で、僕になにか用?」
「なあ、ルーニーはあんたのパーティーのメンバーか?」
「そうだけど」
「ルーニーはあんたと同じ強さか?」
ルーニーが割って入って来た。
「ちょっと待って下さい。リオンさんを呼んだのはミリアン達に合わせる為では無いですよ。このお店のご主人さんから、呼んで欲しいと言われたから連れて来ただけです」
「なあ、ルーニーでもいい、私達を強くして欲しい。お願いします」ミリアンが深々と頭を下げる。
ルーニーがほとほと参っている言った顔でミリアンを見る。
「僕にも同じ事を言っていたね」仕方なく話しかける。
パーティーリーダーの子が立ち上がり話しを始める。
「私達、ガレシオン公国のルッツ地方で、冒険者をしていました。今回の騒ぎで実はガレシオン公国に帰れなくなってしまったんです」
「どういう事?」
「私達は有る依頼を受けてオーヂエン国の首都まで護衛を兼ねてある人を送り届けました。でも、首都に到着した時、今回の騒動が起きてしまいました。
現在の北ビルルマ領よりオーヂエン国からの出国と入国が厳しく制限されてしまい、我々も帰れなくなってしまっています」
「それと強さと何の関係があるの?」
「来月、ビルルマ都市で行われる冒険者の大会に北ビルルマ領の偉い人が来る。Bランク以上有ればその護衛としてガレシオン公国に帰れるかも知れない。
そう思ったの。私達、ルッツの領主の方に育ててもらったです。お願いします。せめて私達が生きてることだけでも教えてあげたくて…」
「1つ聞いてもいいか?ルッツの領主というのはトルネール ルッツとカンナ ルッツの事か?」
「??? なぜその名前を貴方が知ってるのですか」
「トルネールは無理だか、カンナのいるところまでなら案内出来るけどどうする?」
「どうするって?国境越えれないもの、どうもこうもないでしょう」ミリアンが怒った。怒り過ぎて地団駄を踏んでいる。
「お前達は悪そうな奴に見えないから、カンナの所まで連れて行ってやるよ」
「「「「へ!!!!!!!!」」」」
4人が一斉にこっちを見る。
「行くか行かないか今決めてほしい」
真剣な顔見ると、ミリアンが立ち上がり頭を下げた。
「お願いします。カンナ姉さんの所まで連れて行って下さい」
「わかった。全員で手をつないで」そう言ってミリアンの手をとる。全員で輪を作る。
「ルーニー、ちょっと待ってて」
「もう。相変わらずお人好し何だから」ルーニーが少し怒った顔をする。
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