108話

マルイル辺境伯爵と奥様、ヒューズ、僕達とゲストは少ないが簡易的なパーティーは夜遅くまで盛り上がった。僕は何故かマルイル婦人、ヒューズ、アルネ、ルーニーと連続で踊ることになった。リーンハルとカーリはダンスは苦手と言う理由で食事やスイーツ、お酒を堪能していた。


翌日、余韻さめやらぬ状態のようで今日は何もしないと言ってみんな上質な洋服を着ている。

「分かったよ。今日までお休みにしよう。明日は用事があるから僕は出かけるけど」


「どこにいくのですか?」ルーニーが心配なそうに聞いてきた。


「オランさんの所、何か大切な情報らしいよ」

「それと、みんな大会までに1人でソイルドラゴン倒せるようになっておいてね。特にルーニーとリーンハルはまだレベルが低いから明日から頑張るように」


「アルネ、アルネは悪いけど、ダンジョンの行き来をお願い。いまダンジョン出入り禁止になってるから」


「出入り禁止でどうやって入るの?」カーリが聞いてきた。


「直接10階層まで転移するのさ、出入り禁止なら誰も見つからないでしょう」


「しょうがないね。いいよ。で、今日はどうするの?」アルネがしょうがないと言った顔で僕を見る。


「ヒューズが仕事で自領に戻るらしいから、ヒューズを送ったらのんびりとデートしますか?」

「「「賛成」」」

「リオンから誘う何て珍しい」


「ヒューズに聞いたんだけどルッツ(ガレシオン公国に有る海に囲まれた地区)の海開きがあったらしい」


「海開きって、何ですか?」ルーニーが聞いてきた。


「海に入れるようになったんだよ。海は1年間入れるわけでは無くて、危険の少ない時期に一般公開しているらしい。それ以外はモンスターが増えて危険らしい」


「海で泳げるし、屋台も有るから海に入れない人も楽しめるらしい」


「「「いくー」」」アルネ、ルーニー、リーンハルはノリノリだ。

「カーリは海苦手?」そう聞くと獣人属の中には得意な種族もいるらしいが、カーリ達虎属は体に塩分が付くのが苦手らしい。


「じゃあ、僕とカーリは屋台巡りだね」

「いいの? みんなと海入らなくても?」


「カーリを1人にしておくわけにはいかないでしょう」


その後ヒューズと合流して空間移動で、北ビルルマ領に移動、僕達だけルッツに有る別荘に来た。


カンナが少し驚いていたがすぐに向かい入れてくれた。

「カンナ、元気そうで良かったよ」


「皆様、お待ちしておりました」


「今日は海に行きたくてね」


「海ですか、丁度良かった。海のお祭りを行っております。屋台や楽しい催しも沢山ございます。楽しんで頂ければと思います」


「有り難う。トルネールさんは元気にしてる?」


「はい、兄もお会いしたがっていました。また、こられる日を教えて頂ければ嬉しく思います」


「分かったよ。それよりカンナ僕達は海に入るようの服が無い、どうすれば良い?」


「分かりました。ご案内致します」


ルッツは元々海に囲まれた地域で、海産物が豊富で観光都市でもある。様々なお店が軒をつらね、この時期は特に人の為ならず出入りが多い時期だ。


みんな揃って水着と言うものを試着している。海に入らないと言ったカーリも水着は着たいらしくみんなと一緒にはしゃいでいた。


水着は海の中で過ごすのに最適な服らしく、洋服のような物ではなく割りと体のラインがハッキリ出るらしい。体を覆う布の面積も少なく見ていて嬉しくなる。


カンナの話しでは、普通の洋服ですか海に入るとうまく動けず、溺れたりする原因にもなるらしい。知らない事だらけだ。


水着に着替えてカンナに付いていく。策があり入口に兵士がいる。


カンナが何かを伝えると中に通された。


「ここは、私たちルッツ家のビーチです。遠浅の海で泳ぎやすい上に滅多にモンスターが来ない場所です。屋台からも近い場所ですので皆さん存分に楽しんでください」


「「「「は~い」」」」アルネ、ルーニー、リーンハルが海に飛び込む。カーリは足だけ海に浸かり楽しんでいた。


「カンナ、有り難う。みんないい息抜きができて嬉しいよ」


「喜んでもらえて嬉しいです。私も海に入ってもよろしいですか?」


「勿論、楽しんでおいで」


カンナが走って行き、カーリとじゃれて遊んでいる。


お昼過ぎまで海を堪能して、別荘に戻ると風呂に浸かる。嬉しい事に別荘には天然の温泉が有る。温泉に浸かり遊んだ疲れを癒し休みを満喫した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る