110話
空間移動でルッツの別荘にくる。目を開けたミリアン達が驚きの余りへたれこんでいた。
別荘に入りカンナに声をかけると抱きついて来た。
「リオンさん、私の顔を見たくて帰って来たのですか? カンナ幸せです」そう言ってデレデレしてしている。
カンナを連れて外に出るとミリアン達がカンナ見て驚いていた。
「カンナ姉さん。私達ただいま戻りました」
ミリアンが泣きながら報告するとカンナも驚いてミリアンを見た。
ミリアン達がカンナに抱きついて泣いている。
「カンナ、悪いけどこの子達お願いね」
「え、リオンさんもうお帰りになるのですか?」
「そうだよ。これからアルメニア王国に向かわないといけなくなったし、忙しいんだよ。でもカンナの元気な顔が見れて嬉しかったよ」
「また、いつでも来て下さい。ここはリオンさんの為の施設ですから」
挨拶を終えて1人でハマイルさんのお店に戻る。ルーニーはハマイルさんと話しをしていると言う事で僕も奥の部屋に入る。
ハマイルさんから様々な情報がもたらされた。その中には、勇者の盾、黒ずくめの集団、アルメニア王国のロイヤルナイトに至るまでと様々だった。
ハマイルさんとの一定の話しが終わった所でルーニーを戻す。アルネとカーリの2人でハマイルさんのお店に来て欲しいと伝言を頼む。
ついでにルーニーにお使いを頼んだ。最近出来た串焼きのお店で人数分の串焼きを買ってきてもらうように頼む。
10分位でアルネとカーリが来た。
ハマイルさんが席を外しましょうと言って部屋を出で、僕達だけにしてくれた。アルメニア王国の依頼と合わせルーニーとリーンハルの説明をする。
僕と姉さんで調べた事実と言える事かだけを伝える。「ルーニーとリーンハルについてだけど、あの2人はアルメニア王国の国王の親族だ、そこまでは掴めている。何故あの2人がラピスにいるのか、何故ロイヤルナイトがこのラピスであの2人を監視してるかはわからない。
それもあってアルメニア王国の依頼を受ける事にしたよ」
「リオン、もし2人が本当に王族だったしてこの後どうするの?」アルネが当然とも言える事を聞いて来た。
「どうもしない。あの2人は僕の家族だ、アルネやカーリと一緒。どんなことがあっても手放さない」
「わかった。私達は待ってる間、何をすればいい?」
「今後の事も有る、あの2人もソイルドラゴンを1人で倒せるまでになってもらう。アルメニア王国は人族の国の中では最強と歌われる国だ、それなりのレベルを持つ持つ兵士や冒険者が揃っている。
対抗するためには僕達も力を着けないといけない、ガレシオン公国みたいに甘くは無いと思う」
「わかった。任せて。明日はどうやって行アルメニア王国くの?」
「明日、ビルルマのギルドでアルメニア王国の元ロイヤルナイトだった人達と待ち合わせをしている。慎重な人達だから、僕1人で行くよ。下手すると会えずにお別れなんてとこも有りそうだしね」
「所で2人はソイルドラゴンは倒せた?」
「もう少し、今回危ない所をカーリに助けてもらった」
「私は何とか倒せたよ、でもかなりやられてルーニーに治してもらった」
「アルネ、カーリ危ない事させてごめんね」
「いいわよ。乗り掛かった船だもの、最後まで付き合うよ。でも終わったら今度もデートね」アルネが嬉しそうに言って来る。
「そうそう、今度は私達、一人一人ね」カーリが詰め寄ってくる。
「了解しました。必ずデートしようね」2人が満足そうに頷いている。
翌朝、ビルルマのギルドに来る。受付をせずに食堂の椅子に座り飲み物をもらっても朝の騒々しいギルドの中を眺めていた。するとダリアさんと見た事の無い男性が来た。
「リオン君、お待たせ」ダリアさんの楽しそうな声が聞こえる。
「おはようございます。こちらは?」
ダリアさんに挨拶して一緒にいた男性について訪ねる。
「はじめまして、アルメニア王国 ロイヤルナイトのザッツと言います」
「貴方はオーガロードを倒した人? ですよね」
「お恥ずかしい」ザッツは恥ずかしそうに顔を下に向けた。
「さ、では移動しましょう」そう言うとギルドのモンスター置き場に来る。基本的に倒したモンスターを解体する場所だ。置き場の奥の扉を開けるとワイバーンが2体待機していた。
「このワイバーンに乗って移動します。ダリアとリオンさんは同じワイバーンに乗って来て下さい」ザッツが当たり前のようにワイバーンに乗り込む。
ダリアさんは乗った事が無いのだろう? かなり悩んでいた。
僕がワイバーンに乗りダリアさんを引き上げるとザッツについて空に飛び出す。
「リオンさんはワイバーンの扱いも上手いのですね」ザッツ見ると飛びながら話しかけて来る。
下を見て楽しんでいるダリアさんを落ちないように支えながら答える。
「これでもテイマーいまですからね、それなりにモンスターの扱いは得意ですよ」
「リオンさんもテイマーですか? オーヂエン国にはテイマーの方は多いのですか?」
「他国と比べたら多いかもしれません」
「ザッツ、リオンさんは特別よ。恐らくこの世界で一番のテイマーよ」ダリアさんが何故か誇らしげに言う。
「そんなに凄いのですか?」
「そんな事は無いですよ。どちらかと言えば僕はテイマー失格なんです。何せスライムしかテイムできませんから」
「リオンさん、その噂本当なの?」ダリアさんが真剣に聞いて来た。
「本当ですよ。モンスターとは仲良くなれますが、テイムはスライムしかできません」
「何か不思議に思います。そのワイバーンは気にいらない人を乗せようとはしません。でもリオンは嫌がる素振りもなく、気に入ってるような気がします」
「ザッツぅ」ダリアさんがザッツをにらむ。
そんな会話をしながら約1時間程でアルメニア王国の王宮に着く。
僕達は謁見の間ではく、会談室のような場所に案内をされた。僕とダリアさんかソファーに座りザッツは入口付近で立っている。
少し時間を開けて1人の女性が入って来た。その女性と入れ替わりでザッツが出ていく。
「遠い所をわざわざお越し頂き有り難うございます。私はアルメニア王国、第3王女 オルフィ フォン アルメニアと申します。リオン様が滞在中のホストを勤めさせていただきます」
「初めまして、リオン レース レイン。オーヂエン国のAランク冒険者です」
「では、これより国王の元に向かいます。ダリア、貴女はここで待機です」
「ハイ」
ダリアさんがきちっとした挨拶をした。
オルフィ第3王女について案内された部屋に入る。どちらかと言うとサロン的な部屋だ。
中年の男女が中央に座りその横の席に一癖も二癖もありそうな男が座っている。
その奥に兵士だろう鎧を着込んだ者が2人いる。
オルフィ第3王女に連れられテイブルの前に来た。
「陛下、お連れ致しました。リオン レース レイン様です」
「リオン様、当国、国王 セバスチャン ルイル フォン アルメニア殿下と王妃ユミル マイエ フォン アルメニア殿下でございます」
「初めまして、リオンと言います。本日はどのような用で呼ばれたのでしょうか?」
僕は厚かましく要件を聞く。
横にいた男が立ち上がり指を指し文句を言って来る。
「おい、国王陛下の御前だ、平伏して挨拶が先であろう」
「そう、僕はこの国の人間じゃない。このおじさんを見て本当の国王かどうかなんてわからない。わからない奴に頭を下げる必要は無いだろう。ましてまだ依頼を受けるとも決めてもいない。決まっていない以上言う事を聞く必要もないでしょう」
横に入る男が顔を真っ赤にして今にも飛びかかろうとしている。それを国王と言われた男が止めている。
「私が国王だと自分で言っても信じられないかい」
「ハイ。私はこの国の人間ではありません。見たとこも無い人を目の前に連れてこられこの人が国王だ。そう言われてすぐに信じていては命がいくらあっても足りません。
まして、貴方は国王と言うより、兵士や騎士と言われた方がしっくりと来ます。その辺の若い騎士よりも格段に強いと感じます」
「では君と比べたらどうだ? 私は君より強いかな?」
「僕の方がつよいでしょう」国王を見て、ハッキリと言う。
「君は正直者だね、でも正直者は早く亡くなるよ」
ドアの後ろに人の集まる気配がある。横に座る男がふんぞり返る。
「ふ~。くだらない。こんな事も想定しないでここに来たと思っているのですか?
僕は1人でこの城から出て帰れると自信があるから1人で来たんですよ。但し、ここで事を構えるなら貴方達全員死んでもらいますがね」
そう言って辺りに威圧をかける。
最初に兵士2人と横に座る男が倒れて気を失う。
王女が次に気を失い、ドアにいた兵士達も倒れる。以外にも第3王女のオルフィが踏ん張っているのがおもしろかった。
「何が面白いだねリオン?」国王が聞いて来た。
ジロっとにらみさらに威圧を強める。ついに座っていられなくなった国王が地面に付しながら僕をにらむ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます