第32話
「わかった。では私もそろそろいこう。リオン黒服達の件、すまなかったな」 ガンスがドラゴンの姿に戻る。
その巨体に似付かない程静かに飛び上がる。上空にもぼると体が光、姿が消える。
「ガンスも行ったし、僕達も帰ろうか?」
「待って下さい。まだ私動けないです」
リーンハルがガタガタと震えながらしゃがみ込む。 ルーニーを見るとルーニーはボーとして意識があるかわからない状態になっていた。
「カーリ、リーンハルをおんぶしてくれる。僕はルーニーをおんぶするから。流石に暗くなるとこの辺もモンスターが出るから2人をおぶって帰ろう」
カーリがしゃがみ込んだリーンハルをおぶさり、僕がルーニーをおんぶする、カーリとアルネは最近僕と行動を共にするようになりドラゴンのような強いモンスターにあっても動じなくなってきた。
ギルドに戻るとランバートさんに結果報告を行う。
国に黒服の対策を取るように首都ギルドから通達が入ることになった。
マシューさんから言われた3週間が過ぎラピスに戻る日が来た。
ハマイルさんの馬車が来ているのでこの馬車に乗って戻る事になる。
ランバートさんがルーニーとリーンハルを呼んで防具をプレゼントプレゼントすると言って選ばせていた。
「ランバートさんいいんですか?」僕が心配になり聞く。
「いいさ、リーンハルとルーニーにはちょくちょく来てもらい依頼をこなしてもらおうと思っているし。
それよりリオン、防具は見方を教えてやってくれ、どうも見た目だけに囚われ過ぎだぞ」
僕がルーニーとリーンハルに近づき選んでいる防具を見る。黒蜥蜴の革で作られた防具だ。他にも黒ウルフの革の防具等を見ている。
「2人ともこっち来て」僕がリーンハルとルーニーを呼ぶ。
2人にマウンテンドラゴンの甲羅で作られた防具を渡す。茶褐色で光沢を押さえた見た目、機能的で軽く甲羅の一番硬い所を加工しているため、ミノタウロスの攻撃も耐えると言われる強度を持つ防具を渡す。
他にも良い防具が有るがこの辺が今の2人には丁度いいだろう。
2人は防具を手に取り不思議そうな顔をしている。2人にはこの防具がどういう物とかわからないらしい。
「これは、マウンテンドラゴンの甲羅を使った防具だよ。他にも良い防具はあるけどまだ体力的な事を考えると2人にはいいと思うよ」
「「マウンテンドラゴン!?」」2人が驚いている。
「最近、超巨体のマウンテンドラゴンが倒されてな、おかけで格安で手に入るようになったんだよ」ランバートさんが2人に説明した。
「所でマウンテンドラゴンを倒したのってリオン達か?」
「私達じゃ無いよ、倒したのはリオン1人で倒したの」 アルネが当たり前のように話す。
ランバートさんとルーニー、リーンハルが呆れた者を見るようにこっちを見る。
「リオン、お前は規格外だと思っていたがここまでとは。お前ら当然Aランク狙ってんだろう? 俺からリオン、アルネ、カーリの3人を推薦しておく。
ついでにリーンハルとルーニーはDランクの推薦もしておく」
「特にリーンハルとルーニー、リオン達がAランクになると別行動が増えるだろうから、その時はアメールに来て色々やってもらえるか?」
「はい、私達で出来る事ならやらせて頂きます。ね、リーンハル?」
「もちろんです」
その後、ハマイルさんの馬車に乗りラピスに戻る。行きと違いモンスターに出会うことなくラピスまで戻る事が出来た。
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