第137話

「リオンと言ったか?お前、アルネとやったか?」

ロンバートの言葉に思わず、むせてしまった。

「おじいちゃん、何を急に言い出すの」アルネも顔を赤らめ文句を言う。


「いや、アルネ、そこは大切な事でしょう。大切なアルネを勝手に寝とってた。何て事になると国としても問題だし。

おじいちゃんはその事が心配で心配で」アルネに聞こえる位の小さい声で話す。


「おじいちゃんと一緒にしないで、誰かさんみたいに節操無しの人は私は嫌いです」

アルネが怒ってロンバートを見る。


「よし、リオン。お前の入国を私が許可しよう。次いでだ、私と一緒に移動して王宮までおいで、リオンとアルネの結婚式を挙げよう。

リオン、お前が呼ぶのはガンスとアルムの2人だけだ。良いか?」


「ロンバートさんは姉さんを知ってるのですか?」


「当然だ。ちなみに小さい頃のリオンも知ってるぞ。まあ、お前さんは記憶が無いらしいがな」


「マキュリー、お母さん!!」エリアスの驚く声が村に響いた。


マキュリーに付き添われお母さんが来た。

ガンスって・・・・・・何者?


そう言えばギルに聞いた事が合った。ドラゴン族の1部の者は転生術と言われる死者蘇生術を扱える者がいると。


ガンスって何処まで規格外なの?


ガンスが疲れたような歩き方で2人の後ろを付いてくる。


マキュリーが僕の所に来た。

「リオンさん、ありがとう。あんたじゃなければガンスさんは動かなかった。村だけじゃなくて、お母さんまで救ってくれて」


「マキュリー、君は良くやってる。その事が皆の心を動かしたんだよ。

結局僕は何も出来なかった」


「ガンス、ありがとう。僕のわがままに付き合ってくれて」


「心配不要だ。それよりお前さん、国を追い出されたらしいな。何処に行くつもりしてたんだ」


「「追い出された!!」」マキュリーとエリアスがその言葉に反応した。


「なんだお前ら知らなかったのか?

こいつは上手くやってオーヂエンから抜ける事にしたんだよ。そのお祝いをしようと思って俺とロンバートがここに来たのさ」


「待って、姉さんを連れていくの?」エリアスが寂しそうに聞いてくる。


「アルネとの結婚が認められたら、カーリとの結婚をするつもりだよ。だからマンチャタ 国王にも顔を出す予定だ。その後は何処に行くかは決まっていない。リーンハルとルーニーとの結婚もしたいし、もしかしたら戻って来るかも知れないけどね」


「ならこの村で結婚したら。アルネさんも結婚出来るし」エリアスはどうしてもこの村にいてほしいみたいだ。


「悪いね、僕はタイナーに近い存在だ。この国の法律を破って結婚を行う訳には行かないんだよ。これ以上、タイナーとアルムに迷惑をかける訳には行かないしね」


エリアスがカーリに抱きつき泣いてしまった。


「おい、リオン!! マンチャタに行かなくても良い。国王メルニ ナンク マンチャタと先代国王のハーマル ムーク マンチャタをダンサール国に呼んでやる。カーリも一緒に式を上げたら良い。

次いでにそっちのお嬢ちゃんたちも式を上げろ。

我々の法律では1人づつしか式は挙げれ無いがどうだ。お前達の結婚の立会人をこのロンバート、ガンス、メルニ ナンク マンチャタ、それからアルム。この4人で立会人をしよう。悪い話しじゃ無いだろう」


「ありがとうございます。でも良いのですか?」


「心配無い、お前さん達5人と敵対する方がよっぽど面倒だ。それに孫が出来た暁には俺が名付け親になるからな」


「国王」宰相とアルネのお兄さんが声を張り上げる。


「私の決定は不服か?」ロンバートが怒りを露にする。

「貴様らは、このリオンを見方に付けたいと思わんか?

この国の王はわざわざ国外に出すことを容認した。だからリオンは未だにこの国の王に忠誠を誓っている。

それに我が国の娘がリオンの妻になる。

最高ではないか。私は喜びを感じえない。貴様らのような愚息がこれより先をいきるにはリオンの存在は不可欠だ」


「しかし…」


「不服か? アルネがダンサール国を嫌いにならない限り、この5人はダンサール国を守るぞ。

実際にオーヂエンに対し、ナーラ、アルメニアは友好条約を結び更なる人族の発展で合意した。

リオンの存在が、魔族とドワーフ達の防波堤になっている。そう言う事だ。


リオンって奴は見方にいるとこれ程ありがたいものは無いが、一旦敵にすると最悪だぞ」


ガンスが来て僕に声をかける。

「リオン、お前さん達は一足先にロンバートと共にダンサールに行きな。俺はアルムを連れてダンサールに行く。

何せアルムはダンサールに入国出来ない奴だからな」


「姉さん、何かやらかしたの?」


「ああ、酒によってなダンサール国の第2王子を半殺しにした。

あれは傑作だったな、ロンバート」


「ガンス、人の国の恥をそうやって簡単にさらすな」


「しかし、ガンスが関わる奴は何故そんな強くなるのに、私が育てる奴は中々芽が出ないのかね。ガンス少し不公平だと思わないか?」


「カカ、知らんよ」


マキュリーとエリアスが来る。

「ロンバートさん、私らも出席しても良いかな」

「良いぞ。式の前に迎えを寄越す。そいつらと一緒に来い。お前達もダンサールでは結構人気者だからな、皆喜ぶぞ」


「皆さん、色々ありましが問題は全て解決出来ました。

ささやかですが、少しお祝いしましょう。今日、この時、我が村は絶対的に安全地帯ですから」

ガンナムさんが不思議なまとめ方をする。


「ガンナムさん、あの盗賊もどきはどうされますか?」思わず聞いてみた。


「心配要りません、2週間程で飛行隊が引き取りに来ます。

リオンさん、私は村から中々出れません、式に参加出来ずに申し訳なく思っています。

後、お時間があればダンサール国には海にダンジョンがあります。一度覗いて見ても良いかもしれません」


「貴重な情報です。ありがとうございます」

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