第71話

15階層の降り口まで空間移動魔法を使い移動する。降りて直ぐにゲートを発見。魔力登録をしておく。

周りを見ると部屋だと思うかやたらと広い。その広さの中に部屋がある、部屋にいくつか区分けされた場所が有る。通路は区分けされた所を通るように作られていた。


柵のような物で区分けされた場所に来るとブラックウルフが3頭いた。この柵から出なのだろう中に入るまでブラックウルフは動かない。

「悪いけど、僕が行っても良いかな?」

4人にそうな伝えると柵の中に入る。白狐を抜いて構える。ブラックウルフの内1頭か頭を低く下げ唸りながら向かってかる。


下段に構えブラックウルフの動きを探る。距離をつめた所で飛びかかって来た、体を反転させ下から刀を振り上げる。ブラックウルフは体の真ん中で二つになる。

まだだ。踏み込みの時に余計な力が入る。もっと体を意識してリキミを抜いて。


それだけを考えて残りのブラックウルフを倒す。


次の区分けされた場所に行く。そこにいた牛のモンスター体躯は2mを超え、角は前に伸び4本の足はしっかりと大地を蹴って動く。体躯の割に動きが早く機敏な動きをする。


牛のモンスターが突進してくる。


白狐を上段に構え迎え打つ。全身のつながりを感じる。僕は目の前のモンスターに集中する。上段から白狐を振り下ろして斬る。牛の硬い頭が綺麗に2つに割れ僕を中心に牛の体が左右に別れて通り過ぎる。

「何て動きだ、こんな刀さばき見たことが無い」桃の条の驚きと呆れが混じった声が聞こえる。


だが、納得が行かない。切っ先から空間を斬るあの動き、体と刀の一体感が無い。


僕はますます刀の使い方だけに集中して闘う事になる。


その後はバンパイアや黒ずくめ等と会わず探検もせず深く潜る。夜になっただろう時間までかけてセイフティゾーンの25階層に来た。

いくつかの野営の後が見つかるが、人のいる気配がなかった。


僕がブロックソイルで新しい拠点を作る。また3階建てで見張り台を造り中に入って休む。アルネとカーリは外の空気が吸いたいと行って空間移動魔法を使い外に出た。ついでに足りない物を調達してきてくれるように頼む。


すみれが来て「リオン殿、どの様にしてそんな剣技を習得されたのですか?あの剣技は和議の国の流派で、柳一刀流の動きに似ています。それとリオン殿が使われる居合い術。あれは心意流居合い術。どちらもすでに和議の国では使い手がいなくなった流派です」


「そう? 僕はおじいさんに教わっただけだからね。少しの間だけだよ。その後は我流だよ」本当はその後、ガンスから少しづつ手解きは受けていたかそれは内緒だ。


「そうなのか!! それをここまで昇華させたのか?」

「なあリオン殿、私は技術的にも貴方より弱い。そんな私がアドバイスをするのは心苦しいのたがちょっとリオンの癖が気になってな。伝えもよいか?」


「わかることなら何でも教えて欲しい」僕の必死の形相に少しすみれが引いてしまった。


「リオン殿は刀を握るときに手に力が入り過ぎていないだろうか?、確かに斬る際は刀がぶれたりしないようにするのは分かっている。だか、もう少し小指に力を入れて人差し指の力を緩めると刀が自然に動かないだろうか?」


直ぐに立ち上がり白狐を抜いて構える。

上段に刀を振り上げ、下に振り下ろす。すみれのアドバイスは的確だった。刀の軌道にぶれが無くなり綺麗に刀が振り下ろされる。切っ先が空気を割き空間を斬る。


「すみれ、有り難う。的確なアドバイスだ。すみれも刀を扱うのかい?」


すみれが笑いながら首を横にふる。

「私は全然駄目だ。多少は使えるが、桃の条や外の門弟にも勝てない。でも、外の門弟の動きは良く見ていた。だから少しわかるんだ、どこにつまずいているか。どこを直すと良くなるか」


「素晴らしい才能だね。すみれは人に教える才能が高いんだね。もっと自分に自信を持ちなよ、僕はすみれに救われたよ」


「そうか。役にたてて良かった」すみれが嬉そうに拠点の中に入る。

僕も拠点に入り内側から入り口を塞ぐ。その日はアルネとカーリは戻らなかった。相当羽目を外したと思う。翌日は二日酔いの状態で拠点のベットで寝ていた。


「カーリ、アルネ出れそう?」心配になって声をかける。

「「う~ん」」「無理」カーリが苦しそうに言う。アルネは話し自体苦しいのかそのまま寝てしまう。


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