第73話
ギルドでエンリールさんと会う。ギルドの情報を聞いて入ると桃の条とすみれが来た。ダンジョン意外で休んだ為か少しすっきりした顔をしている。すみれと桃の条を連れ空間移動魔法を使い25階層の拠点に戻る。
カーリとアルネがジトっとした目でこっち僕を見る。
「リオン朝帰りってどう言う事?」アルネが怒っている。
「ひょっとして、私達が酔いつぶれた事を良いことにリーンハルとルーニーにあってイチャイチャしてきたんじゃ無いでしょうね?」
カーリさん。鋭い。
「オランさんの呼び出しでマリエラのギルドに行って来ました」
「それで」アルネとカーリの目が怖い。
「その時、リーンハルとルーニーも一緒に呼び出されていたので4人で話しあって、その後はリーンハルとルーニーと晩御飯食べて拠点でやすんでから戻りました」
僕が小さくなる。小さくさくなるに連れてアルネとカーリが大きく見える。
「フ~ン。ならいっか。リーンハルとルーニーも元気だった?」アルネの態度が変わる。
「元気だったよ」
「リオンは元気無いね? 何か有ったな。オランの呼び出しは大体良いこと無いしね」カーリが優しく慰めてくれる。ほんと、周りに誰もいなければモフモフするのに。
「僕の問題だよ。けじめを付けないいけないみたい。
弟のベリスが指名手配されて、両親は死刑が確定したらしいし。
ベリスがAランクの冒険者を4人位殺しているらしくてその話しだったよ」
「そんなに、そのベリスって強いの?まあ、リオンの弟だから可能性は有るだろうけど」カーリが腕に抱き付きながら聞いてくる。
「今年、16才になる。僕が家をでた時には薪割り1つ出来なかったし、テイム技術力もいまいちだった。どうやら悪い噂の絶えない冒険者や犯罪者の集団が絡んでいるらしい」
「それでどうするの?」アルネが真剣な顔で僕を見る。
「リュックニーが終わったら、東の辺境都市ビルルマに行く。ギルドマスターの特別依頼だ」
「リオン可哀想。家を追い出されたのに、その後始末をしないといけないなんて」アルネが優しく抱き寄せてくれた。
「有り難う、先ずは気持ちを切り替えて先に進まないとね」
26階層に降りて辺りを探る。マウンテンバックの気配を感じる。その奥により大きな個体がいる。間違い無い、群れのボス、シルバーバックがいる。
思わず走り出す。白狐を抜いてマウンテンバックを倒しシルバーバックの前に来る。個体としては小さく感じた。
全長で4mだろうか、だがより危険な空気をかもし出していた。希少種の可能性がある。
シルバーバックの前に立ち構える。シルバーバックが動く様子がない。
距離を縮め上段から振り下ろす。シルバーバックが結界を張り出した。間違い無い希少種だ。しかも魔法属性を持っている。
テイマーの血が騒ぐ。こんな希少種を倒すなんて勿体無い。勿体無いけどテイム出来ないしな…。
「はぁ~。倒すか」
カーリが近付いて聞いてくる。
「欲しいの?」
「でも、テイム出来ないから諦める」
「そう。なら湿気た顔しない」
そう言って背中をバンと叩かれる。
う~ん、気合いが入ります。
「ライトソード」白狐に魔力を込め詠唱する。白狐が七色に光、刀身が少し伸びる。
シルバーバックは結界をはり、動く気配がない。刀を上段に構え斬る。白狐の刀身が光を帯びて長く伸び七色の光と共に結界を破りシルバーバックを斬り倒す。
27階層に来る、草原と言ったエリアで所々に大きな木がはえていた。奥に大きなモンスターを発見した。鼻が長く牙が付き出すように生えたモンスターだ。
「マンモナイト?何故こんな場所に生息しているんだ?」桃の条が驚きの声を上げる。
桃の条曰く、ゾウのモンスターで和国意外では生息していないと言われるモンスターのようだ。性格は温厚だが、攻撃性は高く大きな個体はSランクに相当するモンスターらしい。
低階層で会ったあのモンスター、マンモナイトと言うらしい。
マンモナイトは相変わらず戦う気持ちがなくのんびりと草を食べて過ごしている。マンモナイトの横をすどうりして28階層に来る。
暗い草原のダンジョンだ。鼻をつく臭いが立ち込めている。腐ったような嫌な臭いだ。
少し進むと墓地に出た。アンデットだろう。わざわざ墓から出て来るのだろうか? こんな演出入るかな?
アンデットが墓地の外から集まる。
「お墓は意味ないの? 少し期待したのに」何か腹立って来た。
僕がブツブツと文句を言ってるとアルネが先に攻撃を始める。
得意ではない光魔法を唱える。ライトクロスを唱え100近い数のライトクロスを作る。
何でこんなに差が出るのか不思議だけどアルネの魔法は何時見ても凄い。苦手な光魔法でも圧巻の攻撃をする。
アンデットが一瞬で倒され消えて行く。アルネが次の魔法を唱えている間に全滅した。「手応え無い」アルネが怒っている。
29階層に来た。オーガがいる。まとまって何かを食べている。
「今度は私」カーリが単刀を両手に持ち構える。オーガの群れに飛び込む。輪になってなにかを食べていた六体のオーガがカーリのこ攻撃に気付かずに倒れる。
オーガが食べていた物を見て驚愕した。人の死体だった。思わずファイアーを唱え死体を炭になるまで焼き払う。カーリが怒りに震えていた。
奥に進むとオーガロードがいる。
「オオオー」カーリが雄叫びを上げる。怒りが最高潮に達してのか。単刀すら持たずオーガの群れに飛び込み、獣のような手でオーガの首を跳ねる。オーガロードは顔にストレートをもらい首から上が吹き飛び息絶えた。
カーリが落ち着きを取り戻し30階層に降りる。広いドームになっている。フロアボスがいるのか。辺りを見渡す。
20才位の女性がメイド服を来て誰かと踊っている。
いやいや、誰もいない。1人で誰かと踊っているかのように素晴らしい踊りをしている。
そんなシュールな画と裏腹に、この女性に恐怖を感じる。魔族のマルチーズより強く、ガンスを思い起こさせる恐怖。そして圧倒される魔力、魔力量だけならあのガンスを凌駕するだろう。
見た目は若く美しくスタイルも良く誰が見ても好印象なのに、死神の鎌が首を抑え動くことすら許さない、余りの恐怖に僕とアルネとカーリが完全に固まる。
すみれと桃の条が相手の強さがわからず、動けなくなった僕達を見て不思議そうな顔をしている。
ダンスが終わり寂しそうな顔した。僕達3人は恐怖に固まり動けない。
そんな中すみれが声をかける。
「踊りお上手ですね。お一人でこちらで何をされているのですか?」
メイド服の女性がこっちを見ると、顔を真っ赤してオロオロし始める。
「ちょ、ちょ、っと黙って見てたの?恥ずかしいでしょ」
物凄くオロオロし始める。
この恐怖とのギャップにこっちが驚いた。
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ここから何話かは、少し分かり難いお話になります。飽きずに読んで頂けると有り難いです。
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