第177話

ナーラの港でシュンを見送る。その時にシュンが走って僕の所に来た。

「リオン、リオンの姉さんは独身か?」


「そうだよ」


「そ、そうか」

シュンが何故か嬉しそうに話し船に戻って行った。


その後、ダンサール国のサンベルジュやマンチャタ国のメルニに会って色々と謝り、協力してくれた事を労う。


マンチャタ国のドラゴンの住みかに向かい。エバーの様子を見る。呪いの影響はそれ程なく、元気を取り戻していた。


エバーの妹のハーマンレディが僕達をアルメニア王国に有るドラゴンの隠れ里に案内してくれる事になった。


何でも、エバーを救ってくれたお礼らしい。

ハーマンレディが空間移動魔法を使い招待してくれた。

そこはアルメニア王国とガレシオン公国の国境に有る、泉がわき出る場所にあった。森の奥深くにあり人がほとんど寄り付かない場所である。


村の入り口に来ると衛兵がハーマンレディを見つけかけよって来た。

「ハーマンレディ様、お姉様の容体はいかがでしたか?」


「ありがとう、問題無いわ。大婆様は起きてらっしゃる?」


「大婆様ですか? 本日は起きていらっしゃいます。ご機嫌もかなり良いですよ」


そんな挨拶の後でハーマンレディに村を案内してもらった。村は、統制が取れた軍隊のような緊張感を漂わせながら何事も無いような雰囲気をかもし出す。


村長をしているハーマンレディの旦那さんに挨拶に向かう。


「あなた、帰ったよ」ハーマンレディが呑気に話す。

「おお、遅かったな。それで姉さんは大丈夫だったか?」

部屋の奥から出て来た男は見た目だけで大半の者を威圧するだけの圧があった。


背も高く、190cmを越え、戦いで培っただろう筋肉。何より頬傷と鋭い眼光が初めて合う者を恐怖させる。

「あなた、紹介するわ。貴方のお姉さんのルカリオ サンム サーチの息子さんよ。

名前はリオン レース レイン。

リオン、こっちが私の旦那で、ナターシュ ルッツ サーチ」


ナターシュと紹介された男が僕をマジマジと見る。「お前がリオンか? 姉さんから少し話しは聞いていた」


そう言って僕を睨む。余りの圧にカーリが飛びかかろうとするのを止める。

「初めてまして、おじさん。リオンです。僕はお母さんと過ごした期間の記憶が何もありません。もし何処かで会っていたらすみません」


ゆっくりと頭を下げる。


「そっかぁ~。生きてたか」「ウオ-ン!!」

突然泣き出しハグされると思わなかった。


ナターシュは泣き虫らしい。

ナターシュが落ちついてから色々と教えてくれた。

和議将軍であった、前田 源四郎がなくなり、話しあった結果、人族の子供が後を継ぐ事になった。それから人族の子供をみんなで守りながら暮らしていたが各々に住みにくさを感じてしまい。別々に住む村を作り移動してしまった。


それでドラゴン族は誰も住まないこの地に居住地を作り生活をしている。特別に奥さんどうしは仲がよく、良く交流が行われていたらしい。だか、月日が流れ、妻達がなくなるに連れてお互いの村を行き来しなくなってしまったらしい。


そして、お婆さんの所に案内をしてれる。

「さあ、リオン。ここが大婆様の寝所だ」


そう言って一際でかい平屋の建物にナターシュが入って行く。

ナターシュについて行くと60才位の女性が椅子に座ってお茶を飲んでいた。


僕達が入ると突然声をかけられた。

「リオンだね。こっちに来て座りなさい。後ろの奥さん達は少し待ってね」


その声は威厳があり、その姿は神々しさをかもし出している。誰もがこの人を神と崇め崇拝してしまう程の魅力がある。


「ナターシュ、貴方は仕事に戻りなさい」

大婆様と言われた女性がナターシュを帰す。あのナターシュが緊張しているが伝わる。


大婆様に手招きされ椅子に座ると、何処からか現れた女性がお茶を出してくれる。


しかし凄い者だ。この2人気配が無い。

ナターシュの緊張感の原因かもしれない。


「リオン、良く来ました。ルカリオから貴方の事を聞いていました。良く来てくれました。

私は長く行き過ぎました。千年の時を越えて生きてしまい後悔もしたものです。ですが貴方と会えた事を喜んでおります」


「あの、お婆さんと呼んでも良いですか?」

少し緊張気味に聞く。


「ええ、お婆さんと呼んでちょうだい。ルカリオはお転婆で大変な子だったけど、貴方もかなりお転婆のようね」


「はは、お母さんに似た所があって嬉しいです」


お婆さんがアルネ達を呼ぶ。みんな指定された椅子に座りお婆さんを見る。

「さて、良く来ました。まさか私が貴方達を向かえる何て夢にも思わなかったわ。


リオン、いえ龍の王。


カーリ、貴女が虎の王。


アルネ、貴女が精霊の王ね。


リーンハル、剣王。


最後はルーニー。あら、今回の聖女は可愛らし子ね。


全ての称号を持つ貴方達を向かい入れる事が出来て良かったわ。

もうかれこれ1800年以来ね。


みんな来てくれてありがとう。最後にみんなで会おうと約束した。その約束を果たす事が出来て嬉しいわ」


そう言って思い出話しを始める。

この称号をもつ誰かが現れると、その者が世界を制服すると言われている。


そんな中全ての称号を持つ者が集まると世界を滅ぼすと言われていた。

その為、前田 源四郎は鎖国をして他国を遠ざけ、前田 源四郎がなくなると称号を持つ妻達はばらばらになって生活をすることになった。


バラバラに別れた時、また一緒に暮らそう。そう約束したが結局かなわなかった。それが1800年の時を越えて実現したことをお婆さんが喜んでいた。


帰り際になってお婆さんが占いをしてくれる事になった。

ハーマンレディ曰く良く当たるようで、アルメニアの国王もお忍びでやってきてはお婆さんにお伺いを立てるらしい。


そして占いが終わる。

「リオン、住むならラピスって言うところにしなさい。いずれ国は滅びるけど、貴方達はそこを動かない方が良いわ。

それと私の役目を担うのは、アルネ。貴女ね。沢山の子供と子孫にか困れて幸せに暮らしているは。

それと貴女は子供を焦らない事ね。他の奥さんの子供も自分の子供と同じようにせっしななさい。良いかしら」


「「「「はい、ありがとうございます」」」」

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