第178話

ラピスに戻るとカーリから、やっぱりラピスが一番なんだねと笑いながら言われる。


「ねえ、私達の家をたてない。土地をもらってさ」

突然とアルネに言われた。どうも何時までもハマイルさんのお店の上は嫌みたいだ。それにこの当たりはラピスでも結構端っこに有る。


作るとするとハマイルのお店の後ろか、練習ように使っている空き地位だろう。


「そうだね。僕達の家を作ろう」僕が賛同すると、ルーニーから畑が欲しいと話しが出る。


そうなると欲しい物が止まらなくなる。有れもこれとと膨らみ結局話がまたまらずまた考え直そうと言うことになって話が終わる。


拠点で休んでいるとハマイルさんが訪ねて来た。何か僕に折り入って話があるらしい。


「ハマイルさん、どうされました?」


「リオン君、すまないが少し付き合ってもらえるだろうか?」


そう言って外に出るとリュックニーにあるお店に来て欲しいと言われて、ハマイルさんをつれて空間移動する。


お店に入るとナーラ国王の王妃リューメルと王女デルタントがいた。


「ハマイルさんこれは?」

「リオン。本当にハマイルと共に来たな」

「ゲ、リオン。来やがった」


王妃リューメルと王女デルタントが各々に話し始める。


ハマイルさんの進めで、奥の貴賓室にみんなで入る。

「リオン君。この人達に説明をしてもらえないだろうか?

世界樹の水はもう取ることは出来ないと、何やらナーラ国王にしつこく言られていてね、僕も困ってしまって、これを持ってきたのがリオン君だと伝えると、是非に会わせろとうるさいんだよ」


僕が思わず頭を抱える。

「リューメル、デルタント。ハマイルさんは僕のとても大切な友人だ。

その友人を困らせるのは看過できない。

僕はもう世界樹に入ることはない。だから、世界樹の水は2度と手に入らないよ」


「リオン、そこを何とかしてもらえないか? 今、我が国王は生死の境をさ迷っている。お願いだ。跡取りが決まっていない内に亡くなられた、この国は内乱が起こる。

民をこれ以上苦しめるわけにはいかない」リューメルが必死に訴えて来る。


「はっきりと言うよ。世界樹の水に延命の能力はない。残念だけど。

それとこの国の事は自分達で何とかしてほしいな。悪いが僕は関わる積もりはない」


デルタントが悔しそうに僕を見る。でも出来ない事は出来ないし、仕方がない。


「リオン、わかった、もし内乱になったらここもどうなるかわからない、それだけは覚えて置くべきだ」

デルタントが悔し紛れに言う。


「デルタント、わかっていないのは君の方だ。僕がここにいる以上、君たちの生死与奪の権限は僕に有る。

例え、君たちの軍勢だろうと、僕が潰す。気に入らないなら、ナーラ国ごと潰しても良い。


デルタントの事は僕の奥さん達も嫌いみたいだしね。今回は僕に協力すると思うぞ。

ナーラ国だけなら、1週間って所だろうか」


「リオン。そなたの妻はこの間来た2人だけかい?」リューメルが何かを諦めたように聞く。


「いや、後2人いるよ。ちなみに前回一緒だった2人より10倍は強い。それは保証する」


「はは、本当にお前は凄いな。我等が憧れた、大将軍と一緒だな。

デルタント、我々はおいとましよう。我等の国をリオンは守らないがハマイルのお店はリオンが守る。

ハマイル商会は世界最強の商会になってしまった。今後は敵になることは一切無い。我々も勝ち馬に乗らせてもらおう」


リューメルが政治家の顔になる。デルタントが意味がわからずほーけて要るが構わずにリューメルが連れて帰る。


2人がいなくなりほっとしたのかハマイルがどっかりと腰をおろした。

「ハマイルさん、お疲れ様でした。何かとご苦労が絶えないですね」


「いえいえ、リオン君ありがとう、おかけでこの店を手放さなくてすみました」


「ハマイルさん、僕達なんですが、ラピスに屋敷を構えたいと考えいます。まだ、ライズとタイナーには伝えてませんが。

本格的に稼働する時は色々とご協力をお願いします」


「リオン君がラピスに戻って来るのかい?

やったあ~!!

本当かい!! 夢見たいだ。実はラピスダンジョンに新しい階層ができたんだよ。これは知ってる者が少ないけど、どうだろう。早速その仕事を受けてもらえないかだろうか?」


「ハマイルさん。僕は大っぴらには動け無いです。リーンハルとルーニーに聞いてみて下さい」


「ああ、そうだった。

あ、リオン君。タイナーとランバートに子供が生まれたよ。両方共に男の子だ。後で顔を見に行くと良いよ。タイナーにはラピスにいることを報告しておくから。

間違っても、ランバートの方に先に行っては駄目だよ。タイナーはあれでも国王なんだからね」


そう興奮気味に、ハマイルさんが話す。ハマイルさんはこの後少しリュックニーで仕事があると言っていたのでここで別れる。


その1週間後にタイナーからの上洛命令が入る。4人をつれて首都に向かう。


首都ギルドに顔を出し、ギルドマスターを頼む。ランナー マルツさんとナーラ国 首都ギルドのマスターのナターシャさんが出迎えてくれた。


「アルネとカーリはナターシャさんは初めてだね。ナーラ国、首都ギルドのマスターだよ」

2人に紹介する。


ナターシャさんが興奮気味に話す。

「リオン、此が噂の奥様達か?

噂以上にみんな美人だな。戦闘する姿よりドレスを来ていると言われた方か納得しやすいと思うぞ。

これから王宮に上がるだろう。ドレスでなくて大丈夫か? いや駄目だな。みんな奥様達になびいてしまうな」


「ランナーさん。ご無沙汰してます」

思わずナターシャの話を無視してしまう。

アルネ達はまんざらでもない顔をしていた。


「リオン、元気そうで何よりだよ。今はナターシャがこのギルドマスターをやっている。俺は引退することにしたよ」

ランナーさんから色んな話を聞いて驚いてしまった。


ランナーさんこの見た目ですでに70を越えているらしい。そっちの方が驚く。


それからナターシャも含め色々と話しをした。その後でタイナーとの謁見を行う。


「リオン、良く戻ってきた。今回、和議の国からもオーヂエンとの国交の樹立を結ぶ事になった。ガレシオン公国を返し、貿易も始める。


この度の働き、ご苦労だった」


「陛下に喜んで頂けて嬉しく思います」

平伏したままで話しする。


「そこでだ、リオンに土地をくれてやろうと思っている。場所はラピス。

ハマイル商会の横にある森だ。あそこは元々私の土地だ、そこを使うと良い。お前達は領地の運営やらは好かぬだろう。

農地にするもよし、放牧をするも良し。好きに使うと良い」


「よって、只今をもってリオンの外交及び特殊任務の任をとく。リオンのお陰でオーヂエンはさらに発展を行える。

リオンお前さんは少し走り過ぎた、少し体を休め、奥さん達をもてなしてやれ。


それと子供は可愛いぞ」


どうやら国内に戻る事が出来るようだ。






まさか、タイナーから土地をもらい、国に戻る許可をもらうとは思わなかった。

だかそうなると貴族達の動きが気になる。

だがどうでも良い、僕達が楽しくあるべきだ。


ただ、練習場がタイナーの土地だったとは知らなかった。勝手に練習場にしてなのばれたかな。


屋敷の間取りを検討するなかラピスのギルドに入る。ダリアさんが顎が外れる位に驚いている。

「リオン君、戻ったの? ラピスにいれるの?」


そう言って受付カウンターから出てきた。回りの冒険者が驚いてダリアさんを見る。


「はい、戻りました。陛下からの許可も頂き、ラピスに定住することになりました」


「やったー!! 今日はお祝いしましょう」

ダリアさんの興奮が覚めない。仕事を忘れ踊り初めてしまった。


「ダリアさん。込み入った話しがあります。ギルドの部屋を借りて良いですか?」


ダリアさんとギルドの部屋に入ってダンジョンの事について聞く。


現在20階層まで確認されているラピスダンジョン。それより深い階層は僕も見ていない。

所が暇潰しに入ったマリアが21階層に入ったとハマイルさんに伝えたらしい。


それからギルドで対策本部を作りダンジョンに入る予定だ。まだ、人数も足りずダンジョンに入れていないらしい。


けど、マリアも流石だ。暇潰しで新しい階層を発見するなんて。


「と言うことで、リオン君当然入ってくれるよね」ダリアさんの圧が凄い。

「まさか、私らを、こんだけ待たせて、断る何てあり得ないよね」


ダリアさんの圧力に負けて入る事を伝える。ダンジョンの新しい階層確認と、新しい屋敷を作るのと忙しくなってしまった。


屋敷の間取りや庭、畑等はみんなの意見を取り込み1ヶ月をかけ屋敷の図面が出来あがる。後、カーリから洞窟が欲しいと謎の要望があり、山に穴を開け洞窟を作る事になる。


掘った場所をブロックソイルで補強して結構広い洞窟が出来た。屋敷を作るより先に洞窟が出来てしまった。


なぜかカーリは洞窟がお気に入りのようで洞窟の整理をして生活環境を充実させていた。


さらに2ヶ月をかけ屋敷が出来る。

お披露目会に、タイナー、モンナ、ライズ、アメール村のギルドマスターのランバートさん夫婦と息子、ダリアさんにマルイル辺境伯、ヒューズ、統括マスターのオランさんに辺境都市マリエラのギルドマスターのエンリール ルイルさんが集まった。


その日から立て続けに来訪者が訪れる。ギルとガンスが揃って屋敷にきた、この2人はかなり前に喧嘩別れをしてしまい、2人揃うのは優に500年以上ぶりだ。

その後日にカード バハル親子が3人揃って来たり。

極めつけが、落ち着きを取り戻した1ヶ月位後に姉さんと和議の国のシュンが揃って屋敷に来たとこだ。


そこで爆弾発言があった。和議の黒田 俊三と姉さんが結婚することになった。

それに伴い、黒田 俊三がオーヂエン国の戸籍を取り、和議から離れる事になった。


話しを聞くと、シュンが姉さんに一目惚れしたらしく、和議に戻って直ぐ、特使としてオーヂエン国に来た。その日の内に姉さんに結婚を申し込んだらしい。


姉さんはその申し出を条件付きで了解した。

「私は自分より弱い者と結婚するつもりは毛頭無い。私に勝つ事、それが一つ。

それから各々、武器や場所等を変え3度対戦する事。

3度対戦して全て勝てたら結婚を受ける」


そう、タイナーの前で言い放ったらしい。タイナーから和議の将軍に報告が入り、和議の将軍がお忍びでオーヂエンに来て、3回の戦いをタイナーと共に立ち会い、結婚が決まったらしい。


現在、シュンが姉さんの屋敷を間借りして暮らしているようで姉さんはそのまま公爵として生活を送るらしい。合わせて飛行隊を引退してシュンが新しい飛行隊の一員となる事もきまった。


アルネ達が姉さんのところに集まり泣きながら喜んでいた。

「お姉さん、良かったですね」「本当、良かった」


「みんな、ありがとう。こんな私でも気に入ってくれる人がいて良かった。私、飛行隊辞める事にしたから、たまに遊びに来るね」


「姉さん」

声をかけて小さな声で話す。

「タイナーとは婚約してなかったの?」


「モンナに言われたやつ。あれは同じ条件をつけて返答待っていたけど一向に来なかったわよ。

それより、リオン。あんたシュンに負けたって本当?」


「本当だよ。僕とリーンハルは今はシュンの弟子だよ」


その返事に姉さんが驚いていた。


それから5年がたち僕達にも子供ができていた。

ルーニーとリーンハルに男の子が生まれ、よちよち歩きをして、話しも出来るようになってきた。

「あ、アルネかあしゃん おはよう」ルーニーの息子、サムが挨拶する。

リーンハルの息子のダリもアルネき挨拶した。

「2人ともおはよう。ママ達は?」

アルネが優しく聞く。

「今。くりゅる」サムが舌足らずな返事をする。ダリが僕の事をアルネに聞く。


「アルネ ママ、リオンどこ? 遊ぶの」

アルネが2人を抱っこして優しく言う。

「リオンはお仕事よ。帰ったらたっぷりと遊ぼうね」


「「うん」」


そんな光景が今は僕の日常だ。


お昼過ぎに屋敷に帰るとモンナが子供をつれて遊びに来ていた。

タイナーとモンナにはさらに子供が生まれ月に1度は我が家に来ては子供達を遊ばせいる。


それからどの位の年月がたっただろう。僕達の仲間で生き残っているはアルネだけになった。

親しかった者もいなくなり、オーヂエンは夢物語の舞台として語り継がれるだけの物になった。


「大婆さま、行って参ります」

この挨拶はこの村の普通の挨拶だ。その村は魔女の村、真の王の村、伝説の村と呼ばれ、深い森の中にあった。


「リオン、あんたが先に亡くなって、早くて1000年たつわ。いつ私を迎えに来てくれるかしらね」アルネがぼやいて、リオンと書かれた墓に手を合わす


そこに若い男の子が来た。この村で生まれ15才になる。リック レインだ。


今年からダンルーツ王国、上級魔法学院に入学することになった。ダンルーツは古い国が滅び新たに出来た国で、現在創建400年になる。

オーヂエンとガレシオン公国とアルメニア王国の1部を足した位の大きさで、旧オーヂエン国のロンリーヌ地方に首都を起き、この時代の最大の国でもある。


「大婆さま、上級魔法学院に入学しないと駄目?」リックはこの村が好きで村を出るのを何時もためらう。


「リック、そんなこと言わない。世界は広いわ、沢山の人達とつながり持って見識を広めなさい」アルネがリックをなだめる。


「貴方はリオンと良くにてる。だから大丈夫よ」


「何時も言うね、俺が真の王に、にてるって。歴史でも習ったよ、真の王がいた時、みんな真の王に恐怖して争いを起こさなかった。

だから真の王が生きた、400年近い期間はどの国も平和で暮らしやすかった。


でもそんな凄い人と同じなわけ無いよ」

リックのぼやきが続く。


「あら、リックは見た目がそっくりなのよ。後、剣術が得意でしょう。私はリオンに会えた気がして嬉しいわよ」

そう言ってリックをハグする。リックもまんざらでは無い顔をしている。


村の入り口から、声が聞こえる。

「ダンルーツ王国、国王様がお見えです」


「あら、義理固いわね。わざわざ国王が来なくても」

アルネが少しあきれている。


ダンルーツ王が来てアルネに平伏する。

「大婆さま、何時も美しく、お元気であられる、モンナーク ルッツ フォン ダンルーツ。また、お会い出来て幸せでございます」


「お世辞は良いわ、この子が入学するリックよ。よろしくね」


「はい、しかし未だに信じられません。この年端もいかない子が我が軍2万を1人たったで全て倒してしまったとは」

モンナーク国王が平伏したままで話をする。


「あら、私達の子供なら誰でも出来る程度の事よ。まあ、あれがリオンやカーリじゃ無くて良かったわね。今頃、この世界の国は半分な無くなっていたはずだもの」


「は、真の王と、カーリ様の凄さは我々も、良く存じております。今、我が国があるのは真の王と、4神様のお陰でございます」


「まあ、わかったわ。

リックをお願いね。この子リオンにたところがあるから、優し過ぎるのよね。

そこが少し心配だけど」


この挨拶のあと、モンナーク国王と共にリックが村を離れる。

リックは後の世で破壊王リックと呼ばれるがそれはまたのお話し。



今まで読んで戴いた皆様、ありがとうございます。

本当に感謝しかありません。後半も沢山の方に応援していただきました。ありがとうございます。


物語の終わらせ方って、難しいものですね。凄く悩んだのに上手く書けない。


今後に生かしていきたいと思います。

今までお付き合い頂、ありがとうございます


(ToT)は!! ➡️ (⌒0⌒)/~~


◇◇◇◇◇◇◇


次回作について少し。


題名は未定です


勇者と大賢者の称号を持つ両親から生まれた子は平凡な子供だった。そんな少年が女神と出会いの色んな経験を積んで大人に成長していく物語。


と言うのを作成中です。ある程度ストックできたら投稿いたします。よろしければ合わせて読んで頂くと幸いです。


投稿出来るようになったら近況ノートでご報告させていただきます。

出来るだけ5月か6月中には投稿したいと思っています。

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スライムしかテイム出来ない最弱テイマーは家を追い出される。たまたま中の良かったドラゴン達に時々助けてもらいながら最強になってしまう 武田 健太郎 @Hiroshi002

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