第86話
タイナー達との話しを終えてもう一度ギルドに戻る。
受付でランナーさんをお願いする。何時も決まった人にお願いすれば良いのだろうが何時も空いている所でお願いをする為対応がバラバラだったりする。
「リオンさん?お久しぶりです。いつお戻りに?」
「あ、この窓口はモンローさんが担当なんですね」
「そうですよ。首都に定着してくれるのですか?」
「いや、今の所はそう言う予定は無いです」
モンローさんのブーブーと文句が出る。その文句をかわしギルドマスターの面会を依頼する。
モンローさんの後に付いてギルドマスターの部屋に入る。
「リオン、終わったかい?」ランナーさんが仕事の手を止めて応接椅子に座る。
「今後の詳しい予定が分かれば教えて下さい。僕はアメールのギルドに滞在しています。
僕からの要望として、首都ラアドから出発する時のルマイル宰相の護衛ですが、最大2人、それから別で馬を2頭欲しいと伝えて下さい」
「ご、護衛2人!!!」「リオンいくらなんでも足りな過ぎるよ」
「実力の無い護衛ではかえって邪魔です。護衛は、形だけ宰相のそばで待機してもらえれば問題有りません」
「しかし」ランナーさんが苦しそうな表情をする。
「この対応に文句を言って来るなら僕は依頼を断ります。そう言って突っぱねて頂いて問題有りません」
ランナーさんが苦しそうに顔をしかめるが、腹がすわったのだろう。
「了解した。追って正式依頼が入るだろうから詳しい日取りの連絡がきしだい報告するよ」
「僕はしばらくアメールのキルドにいます」
そう言ってラアドを後にする。
その日 姉さんの屋敷にはよらずアメールのギルドに戻った。ギルドに入ることなく魔族の森近くに有るセイフティゾーンに行く。
中々気持ちの整理はつかないものだ、アルムとタイナー、モンナのやり取りを知らない訳でないが簡単に整理を付けるのは難しいようだ。
当然だ。アルムは僕の初恋の相手だ。その存在が、笑顔が僕を救ってくれた、唯一の人だ。
セイフティゾーンでゆっくりとしていると白狐が出てきた。
≪主、疲れた顔ですが、大丈夫ですか?≫
≪白狐か、心配無い。少し心がやさぐれそうだけと≫
≪はは、主がやさぐれるのも少し見てみたいものがありますね≫
≪この近くに川がありますね、珍しいモンスターの気配を感じるのですが明日にでも行ってみませんか?≫
≪本当、白狐はモンスターの気配に敏感だね。僕もそこまでわからないのに≫
≪では明日、ご案内致します≫
≪うん、お願い≫
白狐が消えて元の刀に戻る。そう言えばフルを見つけたもの白狐だったな。もしかしてスライムの希少種か?
少しやる気が湧いてきた。
ギルドに戻るとすでに食堂で宴会が始まっていた。まだ、お昼過ぎだか早い人は早いのだろう。
受付でマールボロさんに声をかける。
宴会をしているのは最近アメール村を拠点にているCランクのパーティーらしい。男女5人で統制が取れているように見える。リーダーがしっかりとしているのだろう。
僕とは正反対だ、うちのパーティーは自由過ぎるだろうな。
受付のマールボロさんと話をしているとルーニーとリーンハルがヒューズを連れて戻って来た。
「ヒューズ様、お帰りなさい」僕がそう声をかねると
「リオンさん、呼び捨てして下さい。今の私はただのヒューズです」
?… ただのヒューズってなに?
「リオンさん、ヒューも仲間に入りたいようです」そうリーンハルが教えてくれる。
どうやらだいぶ仲がよくなったらしい3人はあだ名で呼び会うようになったらしい。
「リオンさん、これからはヒューと呼んで下さい、でないと私の立場がばれてしまいます」ヒューズの申しでももっともだろう。
「わかった。これからヒューズは僕が指導を頼まれた新人冒険者として扱う事にするよ」
ヒューズがガッツポーズを取る。
僕達が話していると宴会をしていた女性の冒険者が声をかけてくる。
「あ、やっぱり~。ルーニーとリーンハルだ。貴女達いつアメールに来たの?」
「あ~。モンストーリさん。戻ってたの?」ルーニーが嬉しいそうに返事をする
「リオンさん、こちらモンストーリさん。アメールを拠点にしているCランクパーティーの剣士」「モンストーリさんこちらが私達のパーティーリーダーのリオンです」
「モンストーリさん。いつもルーニーとリーンハルがお世話になっているみたいで」
「そんなこと無いわよ。時々むずかしい案件が有ると協力してもらってだけだよ」
そう言ってお互いに握手する。
「うちのリーダーも紹介するよ」そう言われモンストーリのパーティーのところに行く。
「リオン、こいつがうちらのリーダー。セバスチャン ルイ」
「初めまして、じゃ無い気がするけど何処かで有ったことありましたか?」思わず聞いてしまった。
このセバスチャンと言う男、正騎士だったはず。付けている剣、立ち振舞い、懐かしい感じがする。
「リオンだったな。初めましてだよ。僕は第1正騎士団に所属してからね。もしかしたら王宮内であったかも知れないけど」
第1正騎士団、常に王宮と王、王妃を警護する精鋭部隊、元冒険者も多く大体がBランクに相当する実力者揃いだ、タイナーとモンナの回りにいるメイドも、この第1正騎士団の所属だ。
「そうでしたか?どうりで皆さん統率が取れていると思いました」
全員が騎士なら統制はかなりのものだろう。
「所でリオン、君はこれからビルルマに行く予定かい?」
「ええ、少し時間はあけるけど」
「注意が必要だぞ、ギルドや辺境伯の私兵にも君達を狙っていると聞いている。
得にベリス ダシャナと言う冒険者だ。どうやっているのか不明だか、金を振りまいて相当危険な奴も雇っているようだ」
「有り難う。覚えておくよ」
セバスチャン達と別れ部屋に戻る。
部屋で皆を呼んで王宮での話しを伝える。
◇◇◇◇◇◇◇
翌朝、1人ギルドの外に出て近くの森に向かう。刀を降り軽く汗をかく。
≪主、川沿いのモンスターが激しく動いているようです。先に向かいませんか?≫
≪有り難う、急ごう≫
白狐の案内に従い、川まで急ぐ。マリエラに向かう所を反対に曲がり山沿いに向こって進む事30分、川が見えた。
朝にリザードンの群れをみる。リザードンは蜥蜴のモンスターで体長1mに満たない小さな個体、常に集団で行動する。
オークやリザードマン、コカトリス等の餌になるようなモンスターだ。
体が暖まっていないのだろう動く事もない。リザードンの群れを進み川沿いに洞窟を見つける。そんな大きくはなく、奥行きが10mも有るだろうか。そんな程度だ。
白狐はこの洞窟に進んで行く。
付いていくと奥まった所にスライムを見つけた。うす緑色の綺麗なスライムだ。
スライム触ろうしたところ指先がスパッと切れた。
「今のは君がやったのか?」
「俺に何のようだ?」スライムが威嚇しながら返事をして来た。
「君は希少種だね。今のは風魔法かい?」
「よくわかったな」
「良かったら僕のところに来ないか?」僕が何気なく聞いてみる。
「良いぞ、何時もこの辺りしか見たことが無いから。人間、お前について行くと色々と見れそうだ」スライムがあっさりと了解してくるくれた。
「じゃテイムするよ」
うす緑色のスライムをテイムした。
風のスライム 希少種
レベル10 評価D
最大HP500
最大MP1200
耐性3/D
俊敏9/C
胆力1/C
知力4/D
風属性魔法 ウィンド、フーリズ、ウィンドカッター、ダブルカッター、トルネード、ウインドアロー、トルネードクロス、ハイ・ダブルカッター、ハイ・ウインドアロー。
す、凄すぎる。風魔法の最上位魔法 トルネードクロス、ハイ・ダブルカッター、ハイ・ウインドアローまで使えるなんて。
やっば。相当儲けものだよ。まさかの最上位希少種だよ。
「名前を付けよう。君はキョウからウィン。ウィンだ」
「わかったぞ主、よろしくな」「所でその炎のスライムは仲間か?」
「ああ、この子はフル。君の先輩だよ」
「フルかよろしくな、ウィンだ」
ウィンがフル所に行くと体を合わせなにやら行っている。スライム同士の挨拶だろうか?
フルとウィンを連れて川沿いを抜けギルドに戻る、新しいスライムをテイムして楽しくて仕方ない僕は顔がほころんでいるのだろうか? ギルドに付くなりヒューズが僕を見て顔を寄せて来る。
「何か良いことあったのですか?ニヤニヤしてますよ」ヒューズが引いたように言って来る。
「リオンおはよう。本当だ、何かあったな」カーリが珍しく朝早くから起きている。
「カーリおはよう。珍しいねこんな朝早くから起きてる何て」
「ま~ね。私も大人になったって事かな」何故か偉そうにしている。
「そっか、偉いね」そう褒めるて頭を撫でると嬉しそうな顔て笑い抱きついて来た。
ヒューズが見てはいけないものを見たような顔をして手を使い顔をおおっている。
ギルド一階のドアが空きサンリューチュさんが出て来た。
「おはようございます。皆さん早いですね」
「「「おはようございます」」」
何故かみんなの挨拶が揃った。
サンリューチュさんに呼ばれる。
「後でマスターの部屋に来て。だいじな話が有るの」
「分かりました。朝のラッシュが終ったら伺います」
朝は効率のよい依頼が多く集まる。みんなそれを狙って開店ラッシュがかかるが、僕は1人のんびりと食堂で朝御飯を食べラッシュが終るのを待つ。
ヒューズを連れて今日はアルネとカーリが依頼を受けて、リーンハルとルーニーはギルドの警護をする事になった。
今日はハマイルさんが月イチでアメールに来る日。ワイバーンもいるのでそんなに問題はないだろうそれがランバートさんのアドバイスだ。
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