第21話

ラピスダンジョンの入口に来る。かなり冒険者の数が多い。


いつも通りアルネとカーリに男達が絡んで来た。

「お姉さん達見ない顔だね。そんな子供のお守りしないで俺達とダンジョンに入ろうぜ。俺達こう見えても全員Dランク何だよ」


アルネが不機嫌に「どっか行ってくれる。駆け出しの冒険者にどうこう言われるのが一番腹立たしいから。

私達はみんなBランクのパーティーなの。あんた達みたいなお子様には用は無いわ」


男達が舌打ちしながら何処かに消えた。 入口から入り地図を確認。


ダンジョンの一階はスライム、コボルト、が中心で部屋によっては蹴りネズミ。ラウンドウルフ等の目撃例も有ったりするらしい。


通路は広く天井も高い、わりと人でごった返している。真っ直ぐ進むと二階にあがる階段が有り大半の冒険者が真っ直ぐ進んでいる。


地図を確認し、中央の通路から左に枝分かれした3本の通路から入る事にした。


通路の左から入ると女の子2人組が蹴りネズミ10匹の群れと応戦中だった。


2人共、革の防具に鉄の盾、鉄の剣を持っている。


動きを見ると冒険者に成り立てのFランクだと思われる。2人共頑張っているが流石に数が多く仕留めれずにいる。

その内1人が蹴り跳ばされ倒れてしまった。 どうにもFランクでやる数じゃ無いよな。


「リオンどうする?」カーリが聞いて来た。


「僕が行くよ」


そう言って白狐を抜き蹴りネズミの群れに近付き刀を振り下ろす。

後ろから攻撃されると思っていなかった蹴りネズミを次々に切り倒し女の子を助け出す。


蹴りネズミはEランクのモンスターだが必ずまとまって行動する。まとまるとDランク相当のモンスターになる。


アルネが近付き女の子達に声をかける。

「貴女達初めてここに来たの?」


「はい」2人が弱々しく返事をする。


「何でこんな危険な所にいたのよ」


2人が震えながら「入口でしつこく言い寄って来る男達がいて、そいつらから逃げていたらこの場所に迷い込んでしまって、直ぐにモンスターに囲まれてこんな有り様です」


カーリが2人を見て

「リオン、この2人を今日1日一緒に連れていこう。また危険な目にあったらかわいそうだよ」


アルネも「私もそうした方が良いと思う」

そう言って顔を見てくる。


「いいよ。少し戦い方も教えるよ」

2人の女の子から嬉しそうにお礼を言われた。


1人は金髪の髪を1つにまとめた子で リーンハル、清楚な顔立ちでおとなしめな印象の女の子。


もう1人が黒髪に青い瞳の子で少し男っぽい印象でルーニー。背も少し高くアルネより胸の大きな子だ。


2人共1ヶ月程前に冒険者になったばかりFランクらしい。


「リーンハルにルーニーは今レベルは何?」 2人が不振そうに僕を見る。


「あ、ごめんいきなり。強いモンスターだと難しいと思うけど最初どのランクのモンスターから行けば良いか知りたくて」


リーンハルがレベル3  ルーニーがレベル3 だった。


その後モンスター部屋に残り、どの位でリポップ≪再出現≫するかを調べる。リポップの時間を図る。


応よそ30分でリポップした。 アルネが地図に蹴りネズミ 30分リポップと記載。


数も10匹だ。 リーンハルとルーニーを連れて再度蹴りネズミを倒す。


「蹴りネズミは動きが遅いが跳びはねながら蹴るのが特徴だよ、落ち着いて跳びはねた時に上から切る。リーンハルやってみて」


リーンハルがおぼつかない動きで上から剣を振り下ろす、バサっ、音をたて、蹴りネズミが倒される。


続いてルーニーが同じように跳びはねた所を上から振り下ろす。


出来るだけ一匹づつになるように蹴りネズミを誘導してリーンハルとルーニーの2人です何とか全て倒した。


通路に1度出て休憩していると、ガヤガヤと話し声が聞こえて来た。リーンハルとルーニーに入口で絡んで来た四人組の男達らしい。あとアルネとカーリに絡んで来たあの男達だ。


リーンハルとルーニーが

「こいつらだ。私達をこの部屋に追い込んだ奴」と言って剣を構える。


男達が「何だよ、生きてやがったのか? 運良く拾われたな。だから俺達の仲間に入ればい良いこと教えてやったのによ」 と言って笑っている。


カーリが睨み付けると四人組の1人が

「おい、この御方はメルチンチ男爵家の三男マイエ ラーシ メルチンチ様だ、ライズ辺境伯とも近い御方だぞ。よけいな事をするとえらい目にあうぞ」

そう言って、脅して来る。


カーリが悔しそうに睨む。


メルチンチってどっかで聞いた事が有る、確か母リーナの関係だ、母の家が取り潰しになった時も最後まで支援してくれた家だったはず。それもあり母方の祖父母からもよく聞いていた事を思い出す。


母リーナに頼まれメルチンチ家が取り潰しになりそうな時に、僕がタイナ-陛下に頼んで何とか爵位を残してもらった家だ。

その時、父親のハーマン ディルシュ メルチンチとマイエ ラーシ メルチンチを含めメルチンチ一家と会談した。タイナ-殿下より、辺境都市に移動。領地を没収。辺境伯預かりとなり、何とか家を守る事ができた。そんな家柄だ。


だから今は辺境伯の領地を間借りしている。自領を持たない名ばかりの男爵家だ。他の貴族達からは嘲笑の的である。

何故この男はそんな親の苦労を知らずにいるのだろう?

これが陛下に伝わると爵位の取り潰しの可能性があるにも関わらず。


「君は、ハーマン ディルシュ メルチンチの息子か?」


「てめえ、何でお父様の名前を呼び捨てしてるだ?」


「そうか近いうちにリオン レース レインが会いに行くと伝えて下さい。君のやってることはタイナー サバス イーヂエン陛下、及びライズ シーナ マエン辺境伯にも報告しておきます」


マイエ ラーシ メルチンチが「貴様何者だ。国王陛下名前を勝手に使い俺様を脅迫するとはいい度胸だ。陛下に代わり俺様がやっつけてやる」


「マイエ、君は僕の顔も忘れたのか? たった2年前に陛下と共に会いに行ったのに」


マイエ ラーシ メルチンチは、胡散臭そうな顔をしていたが、僕を覚えていたのだろう。はっとして膝を付いてして謝罪してきた。


「申し訳ございません。リオン ダシャナ様、どうか国王陛下、辺境伯様には何も言わないようにお願いします」


「思い出して頂いて光栄です。しかしあなた達四人がこの2人にしたことは、冒険者の規定からも罰せられる物です。


まして親の立場を利用して自分だけ好き勝手をしている。自分がしたことは自分でけじめを付ける必要が有ります、2度は助けてはもらえないものですよ」


「アルネ、ラピスギルドの職員を呼んできてもらえる?」

「うん、わかった」 アルネが走ってギルドに行った。


カーリが不思議そうに「リオン君、君って何者?」


「カーリ、何言ってるの、僕はただのテイマーだよ」


ラピスギルドの職員を連れてアルネが戻ると、四人を引き渡した、ラピスギルド職員から我々にも話が聞きたいと言われラピスギルドに行くことになった。


ラピスギルドに付いてどういう事か話を聞かれる、ことの成り行きはリーンハルとルーニーに話をさせる。


以前から同様の苦情が多く有りラピスギルドも捜査をしていたがなかなか尻尾を出さなかったらしい。


その後、様々な手続きがあり2人と別れてギルドで手続きを終える。


リーンハルとルーニーが入口付近で待っていた「私達2人をこれからも一緒に行動させてもらえませんか?せめてこのダンジョンにいる間お願い出来ないですか?」


カーリは「どっちでもいいよ」

アルネも「別に邪魔にならなきゃいんじゃない」

って、こういうの丸投げって言いませんか?


ラピスギルドの受付嬢がきて「リオンさん、私からもお願い出来ますか?

まだ駆け出しで誰かに教えてもらわないと駄目なレベルです。だからお願いします」


お姉さん、駄目なレベルって、結構傷つく言い方をする人なんですね。


「わかりました。このラピスダンジョンで作業する間だけで良いかな?」


「「はい」」何故かギルドのお姉さんまで返事をしている。


カーリが近付いて来て「所で2人は何処で休むの?」リーンハルとルーニーがお互いの顔を見て答える。


「宿とれなくて、野宿してました。と言うか、お金がなくて宿にも泊まれませんでした」2人が恥ずかしいそうに話す。


「リオン、どうせだからこっちいる間一緒に生活したら、部屋余裕有るし」


「あ、ちなみに私達三人で生活しているの」


関係無い所から殺気が飛ぶ、うらやましい、あいつ死ね。等、心ない言葉が飛び交う。


カーリ、出来れば周りの空気を読んで話しをしてくれると助かる。


_____________________________________________________


ようやく残りの2人がでてきました。やっとですね。


少しゆっくり過ぎますかね。でもこのペースでしか書けない。ジレンマですね。


応援有り難うございます。皆様の応援がモチベーションを保つ鍵となっています。有り難うございます。

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