第56話

レットオーガを倒して魔石を回収。


その後通路に出て再度、奥に進む。1番奥まで来た所で地下に降りる階段をみつけたが、階段の脇に隠し部屋を発見した。


一階層が通路だけなのか、潰されてこのような状態の判断がつかない。

一階層の奥の隠し部屋に入る。


レットオーガが1匹とオーガが10匹いる。


カーリが一気に突進する。レットオーガが一番近くにいる。カーリは流れるように動きレットオーガの首をはねた、後はその勢いのままオーガを10匹倒してしまった。

カーリが少しスッキリとした顔をしている。どうやら落ち着いたらしい、でもカーリって怒らすと怖いな、オーガってスライムみたいに倒すモンスターじゃ無いのに・・・

オーガをスライムのように倒すカーリにちょっと引いてしまった。


オーガをマジックバックにしまい部屋を見ると、男性の冒険者と思える人が2人いる。全身にかなりの大怪我をしている。連れ出す前にヒールを2人にかけた。一応傷口はふさがったが生き残れるかはこの2人次第だろう。


男性冒険者2人を僕1人で担いでギルドに戻る。

アルネが気を使ってくれてドアを開けてくれる。中から冷やかしの声と「だから駄目なんだよ」と同情の声が聞こえる。


ギルドの中に入りカウンターの前に来て、受付嬢に冒険者を確保してきたと伝えておろした。一応、冒険者2人にはヒールをかけて傷口はふさいだと伝える、早く専門の人に見て貰うように説明した。それからオーガを卸したいと言って手続きをする。周りが覗き込むように見ている。


「本当に3人で冒険者を確保してきた」「オーガはいなかったのか?」等と口々に驚きの声を出していた。


あわせてレットオーガ2体、オーガ14体、魔石を16個をマジックバックから出して見せる。受付嬢がギルドマスターにあって欲しいと言って呼びに行く。


数分後、凄い勢いでギルドマスターが2階から降りてきた。いかにも強そうな30代の男性だ。

ギルドマスターが保護された冒険者とオーガを確認、1度詳しく話しを聞かせてくれと言って執務室に招かれた。


部屋に入り3人で中央の3人かけの椅子に座る

「私はリュックニーのギルドマスターをしている、アルルカン ソーニャと言う。今回は冒険者を保護してくれて助かった。色々と中の様子を教えて欲しい」


「中の様子と言っても、未だ一階層しか行っていない。それからダンジョンがあの形なのかもわからないがいいだろうか?」


「かまわない。そのまま教えて欲しい」


「入り口を入って100m位何もなかった。ただの通路だけだ。その辺りに左に部屋があってその部屋にレットオーガか1体、オーガが4体いた。その部屋を出てさらに奥に向かって200m位進むと下に降りる階段がある。その階段の少し奥に隠し部屋があってその部屋にレットオーガが1体、オーガが10体いた」


「基本通路で他にはなかった」


「そうか、樹木は何もなかったかい?」


「何も、じめじめしていて歩きにくいだけですね」


「有り難う、随分様変わりしてしまったな。それでオーガを3人で倒したと言うことか」

アルルカンが1人頷く。


「いや、オーガを倒したのはカーリ1人だ」

僕が素直に伝える。


「え、レットオーガにオーガだぞ?それを1人何て」アルルカンが困惑した表情になる。


「本当だよ。相当ストレスがたまっていたみたいでね。1人で全て倒した」


「カーリと言ったね、私からの質問だ、一階層のオーガを1人で全て倒した間違い無いね」アルルカンが水晶を持ち質問する。

「間違い無いわ、私のストレス発散で1人で倒した」


アルルカンが水晶をみながらため息を付く。

「凄いな、本当に1人で全部倒す何て、カーリはパーティーの中で一番強いのか?」


「違うよ、今はリオンが一番強いよ、一番レベルも高いしね」カーリが僕を見る。


アルルカンからラピスでも言われたと思うと前置きしてSランクの昇格をしないか打診されるがそれを断る。アルルカンが残念そうにしている。


「オーガの引き取りと魔石の買い取りをお願いします」

「任せてくれ、まもなく終わる頃だろう。特別に2階層から先の調査もお願い出来るか?  一階層の変化も有れば教えて欲しい。今はロードオーガが何処にいるかもわからない状態だ、いちいちギルドに顔出さなくても真っ直ぐダンジョンに入って問題無い、買い取りや必要な情報が有れば教えてくれ」


「分かった」


アルルカンと別れ一階に来る。受付でお金を貰いギルドを出る。他の冒険者らしい人から何か声をかけられた気がしたがそのまま宿に戻った。


宿に戻るとサシテさんが来た。

「ダンジョンはどうだった?昔は緑が多くて綺麗ダンジョンだったのに今じゃ何も無いダンジョンになってしまった」

そう言ってぼやく。


「まだ一階層だけなので分かりませんが洞窟みたいで何もなかったですよ」


「そうか、何もなかった・・・・ って、あんちゃん達ダンジョン入って戻って来てのかい?」


「はい」


サシテさんが顔を近づけ「悪い事は言わない。今日の内に逃げた方が良い。ダンジョンから出て来た奴を捕らえ殺しているって噂が有るんだ」


「サシテさん、少し詳しく教えて貰えますか?」


サンテさんが辺りを見回し「大きな声じゃ言えんが、そんな噂がある。

少し前だけどこの国のSランクに上がったばかりのパーティーがダンジョンに入った。そいつらやっぱり強くて何とか一階層を抜けて2階層に行ったらしいが、その日の夜、黒づくめの変な連中に拉致されてぐるぐる巻きにされてダンジョンに放置されたらしい。

運良く生き残った奴がギルドに助けを求めたけど誰も助けに行けなくてな。それに生き残った奴も冒険者を続けることが出来ない位に怪我させらてどっかに行ってしまったんだよ」

「何かおかしいよ。昔はさ、沢山の冒険者で賑わって良い場所だったのに、最近はギルドもならず者が占拠してまともな冒険者が少ない。俺もどっか別に宛が有れば行くんだがな。何せ生まれも育ちもここなもんでな。ハァ~」

サンテさんが思わずため息をつく。


黒づくめが気になる。誰かが糸を引いてると思って間違い無いだろうね。カード ハバルの所にいた黒づくめと同じだろうか?


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