第98話

会談には第一皇子 ルルブン フィン ガレシオン

第二皇子 ススルブ フィン ガレシオン


辺境伯、伯爵等を含め15人程集まっていた。


交渉のテーブルに僕とマルイル宰相が座り。向かい側にルルブン第一皇子、ススルブ第二皇子、ガレシオン公国副騎士長が座りその他は壁際に別の椅子を出し座っていた。


マルイル宰相が話をする。

「オーヂエン国の辺境都市マリエラに兵士を送り、ロンリーヌに貴族や皇族を住まわせ、あまつさえオーヂエンを乗っ取ろうしたこのに対し、ガレシオン公国への損害賠償を求めに参った」


ルルブン第一皇子が話す。

「何のお話かと思えば、勝手な良いがりは止めて頂きたいですな、我々はサリンジャー ホォン ビルルマ殿から国造りの依頼を受け、協力したまでの事」


マルイル宰相が怒ったように話す。

「わかってはおらんようだな。これは交渉では無い。賠償しろと命令しに来たのだ。


それと王位継承についても我らの命令に従い行わせてもらう」


ススルブ第二皇子が立ち上がり

「勝手な事を申すな。我々はガレシオン公国の皇子だぞ、何故オーヂエン国等の劣等国の言うことを聞かないといけない」


僕が立ち上がりマルイル宰相を見ながら聞く。

「宰相、この馬鹿どもは処分しても良いのか?」


部屋の外にいた兵士が雪崩れ込む。手に剣を持ち僕達を囲むように立つ。


ルルブン第一皇子が、勝ち誇ったように話す。

「マルイル宰相、交渉はこうやらないといけませんね」


何か呆れて来る。およそ実戦経験の無い兵士達だろう。


不用意に近くによる者、震えを押さえる者。数で勝るこの状況に勝ち誇った顔をする者。テイブルに座る副騎士長すら不適な笑いを浮かべている。


僕が周りに向かい威圧をかける。皇子達が気を失うと交渉にならない為、兵士や壁際にいる貴族達を中心にかける。かといって皇子達が何も影響を受けない訳ではない。皇子達も苦しそうに呻き声を挙げている。


「ルルブン第一皇子、交渉はこうでないといけませんね」

マルイル宰相が笑いながら声をかける。


唯一副騎士長が立ち上がり剣を抜いてこっちをにらむ。

「我々を全て殺してはこの国はたちいかない、それを承知でこんな愚行を行っているのか?」


マルイル宰相が相手を威嚇するかの如く言い放つ。

「お主達のような間抜けが国を滅ぼす。この国の中にも優秀な者は沢山おる。お前達が嫌いで国の中枢には来ていないのだろう。


我々オーヂエン国がそういった優秀な者の後押しをする。お前達等ただのごみくずと変わらん」


交渉を行う部屋の前から別の兵士の声が聞こえる。

「メシアル国王のおなりである。道を開けよ」

外にいる兵士達が壁によったのだろう。ドサドサと音が聞こえる。


兵士が来ると激怒しながら罵倒する。

「この程度威嚇で身動きが取れない等騎士の恥、全員立て!!」


無理やり立ち上がった者は1人しかいなかった。

「リオン、そろそろ解放してやりなさい」


マルイル宰相に言われ少し威圧を弱める。立ち上がった兵士と副騎士長の2人が倒れた兵士達を引きずりながら部屋の外に連れ出し道を開けた。


「メシアル国王がお越しです。威嚇を解いて頂きたい」


「わかりました」そう言って威圧を解く。


ルルブン第一皇子、ススルブ第二皇子、ガレシオン公国副騎士長が椅子に座り直した。


メシアル国王が椅子に座りながら兵士達に担がれ入って来た。


変わった椅子だ、頭より高い場所に担ぎ棒が付き兵士4人が王を担ぎ入ってくる。部屋に入ると椅子を下ろし、向きを僕達に向けた。


「お お 。我が友、マルイルよ良く参った。近頃足が悪く自ら動けない、挨拶が遅れてすまなかった」

メシアル国王がマルイル宰相に頭を下げる。その行動にルルブン第一皇子、ススルブ第二皇子が反発する。


「王よ何故、何故オーヂエン国等の劣等国の宰相ごときに頭を下げる。そのような事だからガレシオン公国が蔑まされる」


「馬鹿者ども、たかだか5人の戦士に国境の壁を壊され、伯爵領の壁を壊され、王宮にまで入られた、これは明らかにお前達の失態であろう」

「まして、我が国のトップである王宮騎士三千人がたった5人に破れ、そなた達が呼んだ冒険者は恐れおののき逃げたしたそうでは無いか? 貴様らも命が有るだけありたいと思え」


「ルルブン、ススルブ何か言い訳が有れば申せ。すでにこの戦は我がガレシオン公国の負けである」


「いや、最後の1人になるまで戦うまで。兵士よ出てこい」

ススルブ第二皇子が大声を出すが誰も出て来ない。


「兵士に戦かわせたいなら何故自分が剣をもって戦わない? 僕は逃げもせずに立会うぞ」

僕が立ち上がり皇子達を見る。


皇子達が僕を睨むも、剣を持つそぶりも無い。


「そんな姿で、兵士が付いて来るか?

何故、自分に出来ない事を兵士だけにやらせようと思う?

何故、自分達が出来ない事を他の者にやらせて上手くいくと思う?

何故、自分達だけ、安全だと思う?

何故、攻撃されたら相手が反撃してこないと思う?

そして、何故自分達だけが勝つと思っている?」

僕が皇子達を睨みながら聞く。


皇子達の返答は無い。


マルイル宰相が話し締める。

「それでは、オーヂエン国タイナー陛下からの要望を伝える。

国王メシアルはこの責任を取って隠居、皇子2人は侵略戦争の責任を取り、死刑。

騎士長等、上級騎士は全員死刑。


現在、オーヂエン国にて保護しているカンテール フィン ガレシオンを国王にすえ、オーヂエン国から宰相、公爵を迎え国の復興を行う。

オーヂエン国から文官5名を迎えこの度の侵略に加担した貴族どもの廃爵する。その代わり新たに優秀な人材をこの国から見いだし爵位を与える。


第一皇女 タメニア フィン ガレシオンはオーヂエン国にて側使えとしてすごす。


今回のオーヂエン国の損害を全てガレシオン公国が追う。毎年白金貨100万枚をオーヂエン国に納める。以上である」


「ガレシオン公国 国王 メシアル フィン ガレシオンは、その申し出に応じる事をここに名言する。

騎士達よルルブン、ススルブと副騎士長を捕らえ地下牢に入れておけ」


「ハイ」廊下ですか待機していた騎士が数名入って来て皇子と副騎士長を連れて行った。


「マルイル?そなた今日はどうする、これから帰るのでは遅いであろう。今日は泊まっていってはどうだ?」メシアル国王が聞いて来た。


「いや、本日は帰る」

マルイル宰相が国王を睨み付けた。

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